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迎撃しにくい「ロフテッド軌道」、政府が危機感

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 政府は、北朝鮮が14日に発射した弾道ミサイルが通常より高い高度に打ち上げる「ロフテッド軌道」で発射され、高度2000キロ超に達したことに危機感を強めている。

 ロフテッド軌道は落下速度が速いことなどから、現状のミサイル防衛態勢では迎撃が容易ではないためだ。政府は、ロフテッド軌道による発射にも対応可能な新型迎撃ミサイルなどの新装備導入に向け、検討を急いでいる。

 稲田防衛相は15日の参院決算委員会で、「新たな迎撃ミサイル等の導入によって、ロフテッド軌道による攻撃への対処も含め、我が国の弾道ミサイル迎撃能力はよりいっそう向上する」と語った。日米両政府が共同開発し、今年度中に開発完了を予定している迎撃ミサイル「SM3ブロック2A」の導入が念頭にあるとみられる。

2017年05月16日 08時01分    Copyright © The Yomiuri Shimbun

 

北朝鮮ミサイル、新型エンジン搭載か ハワイなど射程圏

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北朝鮮の弾道ミサイル概況(韓国国防白書などによる)

 北朝鮮は15日、金正恩(キムジョンウン)・朝鮮労働党委員長の現地指導のもと、新型の地対地中長距離弾道ミサイル「火星(ファソン)12」の発射に成功したと発表した。朝鮮中央通信が伝えた。軍事専門家によれば、射程は4千~5千キロ。北朝鮮が目指す米本土に届く大陸間弾道ミサイルICBM)の実戦配備に一歩近づいたと言えそうだ。
 軍事専門家によると、火星12は液体燃料の新エンジンを使った単段式で、移動発射台を使う。弾頭の重量によっては米アラスカ州、さらにはハワイに到達できる。エンジン能力だけみれば、2~3年以内に米本土に届くICBMの開発も可能という。実戦配備には、大気圏再突入の技術や機体を誘導する慣性航法装置などの装備を得られるかが焦点になる。北朝鮮人工衛星と称した地上発射型の長距離弾道ミサイルも開発してきたが、実戦能力は必ずしも高くないと言われる。

 日米韓は、火星12には3月18日に地上燃焼実験が行われた新型の大出力エンジンが使われたと分析。エンジンを複数束ねた形での発射に成功すれば、米東海岸に到達可能とみている。

2017年5月16日05時01分    朝日新聞デジタル