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ありふれた職業で世界最強 作者:厨二好き/白米良

ありふれたアフターストーリーⅢ

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ありふれたアフターⅢ 深淵卿編第二章 ILS

三週ぶりでございます、白米です。
本日より更新再開。
ちょっと内容が曖昧になっていたのでリハビリ気味の話ですが、
よろしくお願いします。


 英国のとある場所。

 所狭しとビルが建つ町中の、少し外れに、ひっそりと佇む木製看板のお店があった。

――ILS

 と、可愛らしい文字体が、玄関の上をアーチ状に飾っている。

 お店の名前らしい。めちゃくちゃ小さいが、その下に〝I Love Salmon〟とあるので、何かの組織やらシステムの略称ではなく、ただのサーモン好きだと分からなくもない。

 一応、木製看板にはレギュラーメニューらしいサーモン料理――九割方、サーモンサンドだが――が、記載されているので、サーモンを扱った喫茶店だということは直ぐに分かる。

 何故か、〝この扉をくぐる者、一切の先入観を捨てよ〟という文字が重苦しい書体で大きく記載されていて、その上に二重線が引かれ、空いている部分に〝普通にサーモンサンドを楽しんでね!〟という丸っこい感じの可愛い文字が記載されている。

 まるで、頑固料理人モドキが変に凝って書いた言葉を、女の子がばっさり切り捨てて書き直したかのようだ。

 まぁ、実際そうなのだが。

「店長~。見て下さい! 可愛いサーモンのイラストができました! お店の前に飾りましょう!」
「却下」

 店の中で、ブルネットの髪をショートボブにした可愛らしい女性――この店の従業員であるサマンサが、元気にスケッチブックを掲げている。

 それを見て、カウンターで既にピカピカのグラスをなお磨き続ける強面短髪の大男――ウディ店長がばっさりと切り捨てた。

「なぜですか!?」
「分からねぇのか!?」

 サマンサちゃん、分からないらしい。キョトンとしている。

 サマンサ――今年十九歳の女子大生で、大学に通う傍らこの店でバイトをしている、うっかり癖と盲信癖のある困ったちゃんだ。

 以前、ベルセルク事件のおり、Gamma製薬へのエミリーの引き渡し場所に選ばれたお店で従業員をしていたサマンサは、うっかり「この店のサーモンサンドは、そんなにおいしくありません!」と力強く宣言してクビになった。

 その後、偶然見つけたILSでサーモンサンドのおいしさに目覚め、ウディ店長に頼み込んで雇ってもらったという経緯がある。

 何を隠そう、その店にやって来たGamma製薬側の非合法エージェントだったのがウディであり、浩介にサーモンサンドを伝導され足を洗った後、こうしてサーモンサンド専門喫茶店を開業している。

 実は、喫茶店の傍ら、元裏の人間ということを活かして情報屋も兼業しているウディ店長。最初は、怪しい連中も出入りするこの店に、一般人の彼女を雇うつもりはなかったのだが……

 思い出してしまったのだ。「あれ? この子、あの店の子じゃね? ボスに話を振られて、やらかしちゃった子じゃね?」と。

 なんとなく募る気まずい感じ。そして、自身の誇るサーモンサンドを絶賛しながら頬張ってくれる姿と、頬張りながらキッラキラと瞳を輝かせて「サーモンサンドの伝道師に、私はなる! 雇ってください!」と将来が不安なことを言い出す有様を見て、ウディ店長は折れたのである。

 そんな経緯で雇われサーモンサンド伝道師見習い(?)となったサマンサだが、どうもILSの外観やら経営スタイルが(いた)く不満らしい。

 伝道師たる者、もっと伝導できるよう、閑古鳥が鳴きがちなこの店を改善しようと、何かと手を打ってくるのだ。

 今も、スケッチブックをぶんぶんっと振り回しながら不満を訴えている。

 ウディ店長は、げんなりした顔をしながら口を開いた。

「どう見ても店の雰囲気にそぐわねぇだろうが。なんだよ、そのやたらと可愛い絵は。俺の店は、渋くて、サーモン一筋のこだわり喫茶なんだよ」
「そんなだから、あんまりお客さんが来ないんです! もっと可愛くしましょう! ターゲットは若い女の子達ですよ!」

 確かに、スケッチブックに描かれたイラストには、可愛くデフォルトされたサーモンが泳ぐ姿や、メニュー説明用の可愛らしいサンドイッチの絵が描かれており、外の看板にでも載せれば、如何にも若い女性の気を引きそうだ。

 とはいえ、ウディ店長的に、別に若い女性で溢れかえるような、今時のスタイリッシュな喫茶店にしたいわけではない。

 むしろ、逆だ。知る人ぞ知る名店。一見さんお断りの、味が分かる常連だけが集まる店でいいのだ。喫茶店の売り上げだけだと毎月かつかつだが、情報屋の方できっちり儲けを出しているので生活は問題ない。

 なので、

「却下」
「どうしてですかぁ! 店長、やる気あるんですか!? そんなことで世界を取れると思っているんですか!?」

 サマンサの中で、ウディ店長はマスターみたいなものらしい。もちろん、喫茶店のマスターという意味ではなく、言うなれば達人という意味でのマスターだ。

 サーモンサンド道のマスターである。世界に名を轟かせずしてどうするのか! ということらしい。

「分かりました。では、若い女の子だけでなく、男の子も来店してくれるように、こんなイラストはどうでしょう! 自信作ですよ!」

 そう言って、サマンサは再度、スケッチブックを掲げる。

 ウディ店長の表情が引き攣った。頭痛を堪えるように、こめかみをぐりぐりしながら言い返す。

「百歩譲って、この店を可愛くするのをよしとしよう。けどなぁ、どう見てもその絵は可愛くねぇだろう!? モンスターじゃねぇか! 何をどう発想したら、それで若い男が来るなんて話になる!? そんなもん飾ったら、ゲテモノ喫茶になっちまうだろう! お前、俺の店をどうする気だ!?」

 そこには、デフォルトされたサーモンの絵があった。魚の胴体に手足が生えていて、何故かスカートを履き、パチンッと魚眼でウインクしている。

 確かに、どう見てもモンスターだった。

 ウディ店長のツッコミに、しかし、サマンサは「やれやれ」みたいな腹の立つ仕草をすると、まるで無知な弟子に師匠が諭すような口ぶりで説明を始めた。

「店長、知らないんですか? これは、いわゆる〝擬人化〟というやつです。日本文化の神髄ですよ! 日本人はなんでも擬人化して愛でるそうです。その文化は、今や、世界中に波及するほど流行っているんですよ」
「吐け、サマンサ。お前にその偏った上に中途半端な知識を植え付けたのは、パラディの姐さんか?」
「イエス! ヴァニーお姉さんが教えてくれました!」

 既に、ヴァネッサを愛称で呼ぶくらい親しいらしい。情報屋なのに、自分の店の従業員の侵食され具合を見落としていたとは! ウディは頭を抱えた。

 と、そのとき、どこか気まずそうな声が響いた。

「なんか……悪い」
「おぉう!? 誰だ――って、ボスじゃねぇすかい!」

 気が付けば、苦笑いする日本人の青年が店内にいた。サマンサが「きゃ!?」と声を上げてびっくりしている。

 サブカルチャー伝道師たるヴァネッサの布教活動を抑制できなかったことに、何故か微妙な罪悪感を抱いてしまった浩介は、謝罪しつつ苦笑いを浮かべる。

「ボスは止めてくれって言っただろう、ウディ」
「あ~、すいやせん。癖になっちまってて。で、ヘッド。今日はどうしやした? いつも通り、お持ち帰りですかい?」
「いや、ヘッドもちょっと……まぁ、取り敢えず、いいか。今日は、〝あっち〟の仕事の依頼で来たんだ」
「おっと、そうでしたかい」

 ウディ店長の目が、すぅと細められた。元裏の人間らしい鋭い目つきだ。

 カウンター席に座る浩介と、雰囲気の変わったウディ店長を交互に見ながら、サマンサが瞳を煌めかせている。

「こんにちは、ミスター浩介。せっかくですし、新作のサーモンサンドはいかがですか? 私が考案して、店長がOKくださったできたてホヤホヤがあります」
「サマンサ、ういっす。また新作が出たのか。うん、そうだな。ウディに調べて貰っている間に食べておこうかな」

 かなりの頻度でサーモンサンドを買いに来ている浩介はもちろんのこと、同じく常連客であるヴァネッサや、グラント家、更には保安局の局員も度々利用しているので、サマンサとは顔見知りだ。

 ちなみに、ウディ店長の裏の顔については、きっちり面接時に説明しているので、サマンサも承知している。ちょっと非日常が香る点も、好奇心旺盛なサマンサには堪らない点らしい。

 そんな店をファンシーな雰囲気に改革しようとしている点、まさに困ったちゃんなのだが。局員達の足も遠のいてしまう。

 パタパタッとカウンターの奥に行き、さっそく新作サーモンサンドを用意し始めたサマンサを横目に、ウディ店長と浩介が話し出す。

「それで、今度はどんな事件に首を突っ込んでいるんで? 〝あの方〟が森に放火した件と、何か関係が?」
「流石、情報が早いな。そっちの件は俺も分からないんだ。連絡つかないし」
「と、なると……もしかして、バチカンの爆発事件ですかい?」

 コーヒーを浩介に出しながら、また厄介そうな事件に関わってるなぁと、ウディ店長が若干呆れたような表情になった。

 なお、ウディ店長の言う〝あの方〟とは、ハジメ魔王のことである。

 如何にも、秘密結社の黒幕みたいな言い方に、浩介は毎度苦笑いをせずにはいられない。

 浩介は、バチカンでの出来事をかくかくしかじかと説明した。

 浩介のようなファンタジー人間が、実はバチカンにも存在したという情報は、元裏の人間、それもオカルト組織に属したウディ店長をして、驚愕の事実だったらしい。

「やっぱり知らなかったんだな」
「まぁ、ヒュドラ所属だったとはいえ、俺はケイシスの私兵みたいなもんでしたからね。末端も末端ですし。傭兵時代の繋がりなんかで情報網は広いと自負してますが、一国が秘匿するような情報は、流石に耳に入りませんぜ」
「ま、そうだよな。てか、ヒュドラの幹部は知らなかったのかな? ケイシスもそうだけど、ジェファーソン達も」
「どうだったんでしょうね? 歴史ある組織ですから知っていたんじゃないかと思いますが……」

 実のところ、ヒュドラの幹部は知っていたりする。ただ、その組織の目的(・・・・・)を考えた場合、手を出しても意味がなかったのだ。加えて、長い年月をかけて、それを確認する過程で、手痛すぎるしっぺ返しを何度も受けた経緯から、手を出さなくなったのである。

 閑話休題

「それよりもだ。こいつらの繋がりを知りたい。何か、所属している組織があると思うんだけど……」
「ふぅん?」

 浩介は、スマホに記録した教会で変死した五人――レダ達の身分証明書と顔写真をウディ店長に見せた。

 ウディ店長は、スマホを受け取り一通り眺めた後、自分の端末にデータを転送した。

「パッと見た感じ、裏で名の上がった奴はいませんね。ちょいと時間を貰っても?」
「どれくらいかかる?」
「俺の持っているデータベースとの照合結果と、知り合いとの連絡がつき具合によるんでなんとも。まぁ、ヘッドの依頼なんでね、超特急でやりますよ。取り敢えず、三十分ください」
「分かったよ。それまで、サマンサの新作サンドでも味わってる」
「伝道師だかなんだか分かりませんが、やる気は凄いんで腕もいいですよ。堪能してってください」

 ちょうど新作サーモンサンドを運んできたサマンサが、ウディ店長の評価にめちゃくちゃご機嫌そうな雰囲気になった。ウディ店長が「しまった」といった感じの表情になる。調子に乗ると、やらかすタイプなのだ。サマンサちゃんは。

 店の奥の情報屋としての仕事部屋に引っ込んだウディ店長にヒラヒラと手を振りつつ、浩介は運ばれて来たサーモンサンドに目をやった。

「はい、どうぞ。新作〝辛子味噌サーモンドサンド〟です!」
「辛子味噌!?」

 新作は、和風サーモンサンド(?)だったらしい。どうやら、某SOUSAKANの影響で日本にかぶれてきたらしいサマンサは、味噌カツサンドに着想を得て、味噌を使ったサーモンサンド開発に乗り出したようだ。

 生サーモンではなく、火の入ったサーモンを薄い衣で揚げ、ゆるめの辛子味噌がたっぷりと塗られている。シャキシャキキャベツの千切りには少しマヨネーズもかけられているようだ。

 ちょっとおっかなびっくりな感じで口をつける浩介。

 一拍

「う、うめぇ……」
「イエスッ! イエスッ! ヤーハーッ!!」

 サマンサ、力強く連続ガッツポーズ。

 サマンサにとってウディ店長がマスターなら、浩介はグランドマスター。あるいはマエストロ。否、サーモンサンド道の始祖にして、もはやサーモンサンド神……

 見習いとして、サーモンサンド神のお褒めの言葉は、まさに最高の誉れである!

「うん。マジで美味いな。でもまぁ、俺は生サーモンのサンドが、やっぱり一番好きかなぁ」
「!?」

 サマンサが四つん這いに崩れ落ちた。床をバンバンッと悔しげに叩いている。埃が立ちそうだから、是非とも止めて欲しいところだ。

「サマンサ。スタンダードのサーモンサンドもくれる?」
「……はい。ただいまお持ちします」

 まるで顔文字の(´・ω・`)そのままみたいな顔つきでカウンターの奥へ消えていくサマンサ。彼女から〝見習い〟が取れる日は、まだまだ遠そうだ。

 それからきっかり三十分後。

 サマンサと他愛ないサーモンサンド話をしていると、奥の部屋からウディ店長が出てきた。

「どうだった?」
「……すいやせん。碌な情報がでませんでした」

 ポリポリとバツが悪そうに頭を掻くウディ店長。しかし、その表情には、単に情報が得られなかったというには、なんとも言えない不可解そうなものが浮かんでいる。

「もし、連中の後ろに組織があるなら、これはもう情報局に頼った方が良さそうです。保安局経由で、ヘッドなら働きかけられるでしょう?」
「たぶん大丈夫だと思うけど……」

 ウディ店長の様子から、何かあるんだろう? と視線で問いかける浩介。ウディ店長は、自分用のコーヒーを入れると、それを一口飲んでから調査結果を話し始めた。

「いろいろ伝手も使って調べましたが、連中には裏の組織との繋がりあるようは思えません。弁護士に、大学生、神父に、定年退職済みの元教師。後は土木作業員。どいつもこいつも身元がはっきりしてますよ。レダってバチカンの男以外はね。加えて、こいつらの繋がりもまるで見えません。何か集会に参加してたとか、取引があるとか……何も繋がりがないんですよ」
「よほど上手く隠蔽してる?」
「その可能性は否定できませんね。ですから、その場合は情報局に頼るか、ちょいと数日かけて、本腰入れて調査させて貰わないと」

 裏の情報網を持つウディ店長なら、彼等の繋がりに関する情報がさらっと出てくるのではないかと思った浩介だったが、どうやらそう簡単にはいかないらしい。

「ただね、ヘッド。ちょいと気になる〝共通点〟はあるんですよ」
「共通点?」
「……こちら全員、身近な人間を亡くしています。いわゆる、悲劇的な事件ってやつで」
「! 具体的には?」

 聞けば、弁護士の男は婚約者を、大学生は両親を、神父は妻と子を、元教師の老人は息子夫婦を、土木作業員も妻を、失ったようだ。殺されて。それも、誰も彼もが、信頼していた相手に裏切られる形で。

 浩介は、レダの断末魔の叫びを思い出した。

――この世は地獄だ。人間が、地獄にしているんだ

 あの男も、そう思うような〝悲劇〟を見てきたのか……

「それと、もう一点。元教師の老人と、大学生に関してですが……」

 ウディ店長の報告に、浩介は物思いにふけりそうになった意識をハッと元に戻した。

「その事件の後、何度か警察の世話になっていますね」
「警察の? また事件に巻き込まれたのか?」
「いえ、逆です。事件を起こしたんですよ」
「……どんな?」
「事件っていっても、逮捕されるようなレベルじゃなく、厳重注意程度のものですが……元教師は妻相手に、大学生は友人複数人相手に。どちらも、信仰を止めるようしつこく働きかけたようですね」

――神は応えない。救ってはくれない

 再び、浩介の脳裏に過ぎるレダの言葉。

「レダって男は、バチカンの……信仰の聖地の人間でしょう? 裏切り行為と合わせて考えても、このあたり、結構臭うと思うんですけどねぇ」
「確かに……」

 この短時間で、いい情報を拾ってくる。と、言葉にはしないが、浩介は内心でウディ店長へ称賛の言葉を贈った。

 と、そのとき、邪魔しないよう新擬人化サーモンのイラスト作りに励んでいたサマンサが、実は聞き耳を立てていたようで、不意に口を開いた。

「あのぅ、ミスター浩介」
「ん? サマンサ、どうかした?」

 サマンサが、浩介に話しかけながらも、チラリとウディ店長へ視線を向ける。会話に入っていいかの確認を、一応、店長たるウディに確認しているのだろう。

 こういう、あくまで自分は従業員であると弁えている点、困ったちゃんなのに憎めない。そう思いながら、ウディ店長は苦笑いしながら頷いた。

「あのですね、その信仰を止めさせようとしてやりすぎな感じ? というの、実は私の友達も被害にあったことがあって……」
「え? マジ?」
「マジです。二カ月くらい前だったかな? その友達の彼氏のおうちに不幸があったらしくって、その子、私が彼を支えるんだって言っていたんですけど、そのあと、その彼氏さんの様子がおかしくなったらしくって」
「おかしいって、どんな感じに?」
「怖いって、友達は言っていましたね。ちょっと普通じゃない感じだったみたいです。それで、その相談に、私も含めて何人かの友達とのっていたんですけど。そしたら、他の友達の友達にも、そういう感じの人が結構いたみたいで」
「そんなに?」

 どうやら、一年くらい前から、そういう人間がちらほらと出てきているらしい。しばらくすると、以前と変わらない様子に戻るので、大きく話題になったりはしないそうだが……

「はい。それで、その……」
「うん? どうした? 他にも気になることが?」

 ちょっと言いにくそうに口ごもるサマンサ。続きを促すと、「こんな言い方、ちょっとあれなんですけど……」と前置きしつつ言った。

「みんな言うんです。まるで――〝悪魔にでも取り憑かれているみたいだった〟って」
「……」

 しんっと、閑古鳥の鳴く店内に、更なる静寂が落ちた。心なしか、空気が冷たくなったような気さえする。

 静寂を破ったのはウディ店長だった。

「ヘッド。悪魔崇拝ってのは、ご存じですかい?」
「聞いたことはあるよ。オカルト映画とかに出てくる、生贄の儀式とかしちゃう、あれだろ?」
「まぁ、そうですね。現実にも、ああいう悪魔崇拝的な組織はあります。もちろん、裏の組織ってだけじゃなくて、表でも認識されているような集団で。流石に、生贄とかしませんけど、単に、悪魔って存在の方に魅力を感じる人間もいるわけですよ」
「うん、まぁ、何を信じるかは人の自由だからなぁ」

 世の中には、そういう人間もいるだろう。

 実際、ヒュドラという、オカルトを本気で求める結社もあったくらいだ。こちらは、神も悪魔も関係なく、ただ、〝己が神秘を使う〟ことが目的であったから、宗教的な組織や価値観を根幹としない点、普通にイメージするオカルト組織とは、少し毛色が異なるだろうが。

「その悪魔崇拝の組織ですが、ヒュドラにいた頃、ちょっとした噂を耳にしたんです。あくまで、確証のない、都市伝説みたいな話ですが」

 情報屋として、ただの噂を伝えるのは、なんとなく気が引けるのか。ポリポリと頬を掻きながらウディ店長が話す。

「悪魔を崇拝する集団なんですがね、組織じゃないってんですよ」
「集団なのに、組織じゃない? 統制されていない暴徒みないものってことか?」
「いえいえ、おそろしいくらいに統制されている、組織じゃない集団です」
「???」

 頭上に大量の疑問符を浮かべる浩介に、ウディ店長も「意味わかんないですよね」と苦笑いしながら続けた。

「個人個人が、同じ目的と信仰を持っている。けれど、決して集まることはない。にもかかわらず、必要な時は示し合わせたように動き出す。ジョギングをしている女、犬の散歩をしている男、サッカーしている子供、見回りしている警官……今、目の前で普通に生活している誰か。普段は日曜のミサだって行く、ごく普通の人間が、ある日突然、動き出すんだそうですよ」
「なんだ、それ」

 そう言いながら、浩介は、やはり思い出した。レダ達は会話の最中に、なんの前触れもなく浩介を見た。まるで示し合わせたように、まったく同じタイミングで。

 そのとき、彼等の目は妖しく輝いていて……

「俺達の業界が業界でしたからね。奇行に走った奴とか、馬鹿やらかした奴を、その都市伝説みたいな話から揶揄して、俺達はこう呼んでました。――〝悪魔憑き〟と」

 もし、本当に、比喩表現でも、精神的な問題でもなく、本当の意味で〝悪魔〟に取り憑つかれた人間がいて、彼等が、普段は何気ない様子で暮らしているのだとしたら? 社会に紛れ込み、家庭に紛れ込み、ある日突然、内なる声に従って別人のように動き出すのだとしたら?

 ウディ店長が自分の端末を操作し、浩介のスマホに何かを送ってきた。それを見て、浩介は首を傾げる。

「大学の教授さん?」
「内容はよく知りませんが、宗教学?的な感じの教授で、その道では割と有名らしいです。……さっきの大学生がゼミに入ってますね。おまけに、その教授さん、ここ半年で三十回近くローマ行きの航空便を取ってますよ」
「……へぇ。細いけど、悪くない繋がりだな。流石、ウディ。伊達にサーモンサンドに目覚めてないな」
「ヘッドのおかげです」

 ニッと男臭い笑みを浮かべるウディ店長。実際、たった三十分で調べたにしては本当に賞賛に値するレベルだ。

 情報は、ただ持っている、知っているだけではあまり意味がない。分析し、推測し、つなげて初めて有用になる、ということが多い。情報屋とは、むしろそういう情報の欠片を一つの情報にまとめる仕事と言ってもいいかもしれない。

 その点、ウディ店長は、間違いなく一流だろう。喫茶店がかつかつ経営でも生活に困らないわけだ。ケイシスの子飼いの下っ端をしているより、よほど天職だろう。

 浩介が残りのコーヒーを飲み干し、席を立った。

 と、そのとき、

「あ、あのぅ、悪魔憑きなんて、本当はいませんよね?」

 これだけは聞いておかなきゃ! みたいな感じで、サマンサが尋ねる。表情が盛大に引き攣っていることからすると、先程のウディ店長の言葉と、浩介の態度から、どうやら怯えてしまったらしい。

 とはいえ、「迷信に決まっているだろ」とは言えない、ファンタジー男と、そのファンタジー男にサーモンサンドされて改心した男。

 浩介とウディ店長は顔を見合わせ、同時に苦笑い。

「ちょっ、なんですか!? なんで笑うんですか、このタイミングで! 嘘だと言ってよ、店長!」

 ウディ店長。含み笑いしつつ、先程、モンスターなイラストを見せつけられた意趣返しをする。

「サマンサ……悪いな。話す前に、お前には席を外してもらうべきだった」
「店長?」
「知ってるか? そういうのは(・・・・・・)知っちまった人間の元へ訪れるんだ」
「!?」
「夜道に、気を付けろよ?」

 足先から頭のてっぺんまで、ぞわぞわ~っと身を震わせるサマンサ。目を大きく見開き、パサッと力作イラストを床に落とす。

 浩介が、ウディ店長に大人げねぇなぁと呆れの視線を送る。

 その視線に気が付いてか、ウディ店長は苦笑いしつつ「冗談だ」と口を開きかけるが……

 その前に、

「店長ぉ! 今夜、おうちに泊めてくださいっ!」
「はぁ?」
「大事な従業員が悪魔に襲われてもいいんですか!? よくないですね! 分かります! というわけで、今夜は店長の家に泊まりますから! ありがとうございます!」
「待て待て。さっきのは冗談だ」

 ウディ店長、四十一歳。独身。アパート暮らし。最近住み着いた野良猫と半同居中。

 サマンサちゃん。十九歳。現役の学生。

「事案だな」
「分かってるんで、そんな蔑んだ目で見ないでください、ヘッド。別に狙ってビビらせたわけじゃないんで」

 浩介の呟きに、勘弁してくれと言いたげな表情のウディ店長。

 もう一度、サマンサに「冗談だ」と言うが、

「いいえ、騙されませんよ! 分かるんです。そう、きっと、奴等はもう私を見ているんです。それで、お店から出た私の後ろを……夜道、不自然なくらい人がいなくて、なんとなく嫌な感じがして、私は足を早めるんです。そしたら、どこからともなくヒタヒタと足音が! 振り返っても誰もいない! でも確かに近づく足音! 私は走って逃げ出し、どうにか家に戻るんです。それで、玄関の鍵を堅く閉め、のぞき穴から外を見ます。外には誰もいない。ああ、良かった。逃げ切った! ううん、もしかしたら勘違いだったのかも。うん、きっとそうだわ! 私の馬鹿! 自意識過剰よ! 恥ずかしい! きゃっ。ってなりつつ、部屋の中へ視線を向けて……そこに悪魔がああああああっ。店長ぉ! 助けてくださぁああい!」
「むしろ、俺がヘッドに助けて欲しい」

 サマンサの悪癖――盲信癖。あるいは妄想癖というべきか。とにかく、こう! と信じたら、滅多なことで他を信じない。

 まだ妄想段階にもかかわらず、ギャン泣きしながらウディ店長に縋り付くサマンサ。

 ウディ店長の顔に、若い女の子にしがみつかれたことに対する嬉しさは皆無。普通に引くレベルで、泣いて泊めてくれと訴えるサマンサにどん引きした様子で浩介に助けを求める視線を送る。

 だが、

「あれ!? ヘッド!? ちょっ、こんな時だけ律儀に認識から外れなくていいんですけど!? いるんでしょう!? まだ店内にいるんですよね!?」
「店長! 誰と話してるんですか!? ミスター浩介なら、とっくに出て行ったじゃないですか! ハッ、まさかっ。もう悪魔の手が私に!? 助けてぇ、店長ぉおおおおおっ」
「だから、むしろ助けて欲しいのは俺……」

 ウディ店長の疲れた声は、サマンサのギャン泣きの声に掻き消されて、誰にも届かなかった。

 その後、保安局の局員が小腹を満たしに立ち寄り、泣きながら縋り付こうとするサマンサと、顔面を鷲掴みにして引き離さそうとするウディ店長を見て……

 ウディ店長が、従業員の女の子に暴行を加えていると判断。

 事案になりかけたとか……






「ここか……」

 英国にある、とある大学の立派な建物の前で、浩介は最上階の窓を見上げながら呟いた。

 そこが、ウディ店長から教えられた手がかりとなり得る人物――ライリー・リットマン教授の部屋がある場所だ。

 浩介は一つ頷くと、建物の中に入っていった。

「……」

 薄暗い廊下を歩き、天窓があるにもかかわらずあまり光が差し込まない階段を上る。

 エミリーに付き合って、何度か彼女が所属していた大学に行ったこともある浩介だが、なんとなく、この建物は〝違う〟と思った。

 〝大学に属する学問の建物〟という印象を、どうしても感じないのだ。

 もっと、こう……そう、まるで、ほの暗い洞窟の中にでも迷い込んだかのような……

(そう言えば……さっきから人を見ないな。休校中か? いや、でも、この学舎だけ? 他のところには普通に学生がいたしな……)

 薄気味悪い。そんなことを思いながら、自然、体に力が入る。

 そうして、妙な緊張感を覚えたまま、浩介はリットマン教授の部屋の前に立った。

 アポイントメントは取っていない。もし、彼にレダ達と何かしらの繋がりあるのなら、察して逃げ出すかもしれないからだ。

 なので、ここはいつも通り、隠形で部屋に侵入して――

「鍵はかけていない。そんなところに突っ立っていないで、入りたまえよ」
「っ!?」

 既に隠形は発動している。なのに、

(気が付かれた!?)

 それも、部屋の扉越しに。

「どうしたね? 入らないのか? 私を訪ねて来たのだろう?」

 浩介は一瞬迷ったが、直ぐに覚悟を決めた表情になると扉に手をかけた。

 ギィと、扉の軋む小さな音が鳴る。やけに、響く。

「ようこそ。リットマン教室へ。とはいえ、少々遅すぎやしないかね。なぁ、エクソシスト」

 部屋の中は、膨大な数の書物で埋め尽くされていた。平置きで積み上げた書物がいくつものタワーを作っており、いつ倒壊してもおかしくない緊迫した状況を作り上げている。

 そして、足を踏み入れた途端、感じた違和感。びちゃっと足下から音が響く。

 見れば、床一面、水浸しだった。書物だらけの部屋の床が、天敵の水浸し。あまりに異様だ。

 何より異様なのは、臭い。

 妙な臭いがした。何かが焦げたような、酷く鼻を突く臭い……

 浩介の体が、臨戦態勢を取った。

 嗅いだことがあったからだ。その不快極まりない臭いを。つい最近。

 鏡の向こうの異世界で。

「あんた……なんだ?」

 不快な臭いと、書物の山の狭間に、男がいた。べったりと張り付いた灰色の髪に、生気が抜けたような皺だらけの顔。きつい鷲鼻に、炯々と光るグレーの瞳。

 年齢は、およそ七十代後半。

 ひと目で分かる仕立てのいいスーツを着て、片手にはステッキを、年の割にシャンッと背が伸びている。

 その彼――リットマン教授は、浩介の問いに片眉をつり上げた。

「――〝あんた、なんだ〟。ふむ、妙なことだ。分かっていて、私のもとへ来たのだと思ったのだが……〝あの方〟を邪魔したエクソシスト。いや、バチカンの隠し玉というべきか? レダ達の情報には、お前のことなど欠片もなかった」

(こいつ、俺があの世界でしたことを知ってるのか!?)

 浩介の僅かな動揺から、リットマン教授は更に推測を推し進める。

「動揺したな。私が知っていることが意外か。だが、何故、意外なのだ? 私が知っているのは当然だ。当然であることを、お前は知っているはずだ。私のことを突き止めたが故に、ここに来たのであるから。……ふむ、その前提が崩れるならば、なるほど、お前はバチカンと関わりがない。もしくは、関わりがあっても、エクソシストとは関係がない。では、何故、関係のないお前が、〝母体〟の救出に向かった? 何故、ここに来た? それに本来の力を出していないとはいえ、〝あの方〟から逃げ切った力はなんだ?」

 一つ一つ、与えられた、絡み合う情報を紐解くように話すリットマン教授。

 だが、浩介は、その独り言にも等しい教授の言動に、口を挟むことができない。

(なんだ? 臭いだけじゃない。この感じ……)

 まとわりつく、嫌な気配。

 と、そのとき、どういう思考過程を経たのか、リットマン教授は答えにたどり着いた。

「なるほど。君。君は――帰還者か」

 何度目の動揺か。この部屋の異様な雰囲気と、リットマン教授の語り口に、自分が呑まれかけていることを自覚する浩介。心の中で己を叱咤し、精神をいち早く立て直す。

「なるほど、なるほど。それでは、まだ知らないのも無理はない」
「何をだ?」
「この世ならざる者達について」

 コツコツと、革靴とステッキで床を叩きながら、如何にも教授然として、リットマン教授が言葉を重ねる。

「君、無知はいけない。たとえ全知になれずとも、人は常に無知と戦い続けねばならない。それは、最高の知性を有する種族の、義務ですらある」
「……」
「故に、一つ、〝彼等〟について無知な君に、講義しようではないか。君、〝地獄〟で〝彼等〟と戦い逃げ切った君。〝鏡門〟を封印し、安心しているかね? クラウディア・バレンバーグを奪還し、未来に希望を見たかね?」

 リットマン教授の問いかけは、その実、ただの独り言に近しい。浩介に問うているようで、彼の瞳は常に虚空を彷徨っている。

「君。確かに、だ。〝彼等〟は、〝鏡門〟を開かずして現世には降り立てない。本質的に肉体なき彼等は、〝地獄〟と〝現世〟の隔たりを超えられない。存在を維持するだけの強度を持たないのだ」
「肉体がない?」

 確かに、何度切っても、あの餓鬼モドキ達は再生した。魔法を併用して初めて滅ぼすことができた。とはいえ、肉体はあったように思う。故に、思わず尋ねた浩介だったが、リットマン教授は案の定、浩介には目もくれず話し続けた。

「だが、何事にも例外はある。僅かながら、彼等は現世に影響を及ぼせるのだよ。それは、時に囁き声であったり、時に影であったり、如何にも運命的に見える何かであったり」

 レダ達の、瞳に奥に見えた影。あれは、リットマン教授の言う〝地獄の者達〟ということか。

「強く影響される者。自ら身を捧げる者。彼等を心に宿す人間は多くいる。彼は、ささやかな影響力しか持たない故に、その影響力を最大限に生かす術を持っているのだ」

 だが――と、リットマン教授の目が、再び、浩介を捉えた。

「〝あの方〟の力が増大し、影響力も増大した。向こう側と繋がりを持つ人間が増え、そして、ついに〝嘆きの風〟が現世に放たれた」
「――〝嘆きの風〟ってのは、あの血風のことか?」

 小さく、リットマン教授が頷く。その目は、もう虚空を見ていない。浩介を見ている。

「〝地獄〟と〝現世〟の隔たりが揺らいでいる。先程、彼等は〝鏡門〟なくして世界の隔たりを越えられないと言ったが……今は別だ。この隔たりが揺らいでいる今において、狭間に繋ぎやすい媒体があれば、強い個体は存在を維持したまま、〝現世〟に降り立つことができるだろう」

 例えば、鏡。異なる世界を映す鏡は、特に合わせ鏡とした時、それだけで世界の隔たりを揺るがせる。

 例えば、濃霧。一寸先の視界を閉ざす深い霧もまた、〝現世〟という場所自体を揺るがせる。

 そして、水。

 世界は、水で繋がっている。水は、あらゆる世界に通じる天然の〝門〟だ。

 浩介が、ハッと足下に視線を落とした。

「講義はこれで終わりだ。さぁ、あとは実地で経験したまえ」
「チィッ!!」

 速攻。一瞬で間合いを詰め、リットマン教授の首を掴んで床に叩き付ける。

 白目を剝くリットマン教授。だが……直ぐにぐりんっと動いた眼球が浩介を捉える。グレーの瞳ではない。赤く、炯々と光る目が。

「門が、開いたぞ?」
「っ!? お前っ――」

 浩介の声は掻き消された。

 直後、凄まじい気泡を上げた水浸しの床から、無数の〝何か〟が絶叫と共に飛び出したが故に。
いつもお読み頂ありがとうございます。
感想・意見・誤字脱字報告もありがとうございます。

本日より、またよろしくお願いします。

再開早々で恐縮ですが、
ガルドコミックの方で、漫画版が三本、更新されております。
① ありふれた本編コミック
 ⇒ソーナちゃん、普通に美少女! あれが後に、勇者すら気配を掴めない〝神出鬼没〟の使い手に……
② ありふれた日常で世界最強
 ⇒香織さんのヤバさが加速していく。日常の香織さんはどこへ行こうとしているのか。
  森みさき先生、ありがとうございます! もっとやっちゃってくださいw
③ ありふれた職業で世界最強 零
 ⇒神地あたる先生による、外伝小説〝零〟のコミック版です。ミレディ達解放者のお話ですね。
  きっと多くの人が思うでしょう。ミレディがこんなに可愛いなんて嘘だ、と。
  神地先生! ありがとうございます!

全て無料で見られますので、
お暇潰しの一つに、是非、コミックガルドを覗いてみてください。
(オーバーラップ様のHPからいけます)



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