原発事故に備え国民にヨウ素剤を配布 ベルギー

2018.03.10 Sat posted at 17:53 JST

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(CNN) ベルギー政府は10日までに、原発事故発生の際に市民が安全確保を図る新たな緊急対策として甲状腺被ばくなどを防ぐヨウ素剤の備蓄を全国の薬局に指示したと発表した。希望者などに無償配布する。

同国の国立危機センターが公表した緊急対応策の改訂版に盛り込まれた。特に5カ所にある原発施設の20キロ圏内を緊急事態計画の適用区域とし、居住者を対象に多数の安全確保策を策定。居住者は緊急時にヨウ素剤を受け取る。

他地域でも薬局にヨウ素剤を備えさせる。中でも18歳以下と妊娠中の女性に入手を勧めている。1カ所の原子炉については緊急事態計画の範囲を10キロ内としている。

また、これら原発施設の10キロ圏内の居住者を迅速に退避させる準備作業も開始。住民には事故発生時の速やかな情報入手を図るため警報システムへの登録も助言した。

ただ、ベルギー連邦原子力管理庁はこれら一連の対応策についてあくまで事前予防策であり、差し迫った脅威を反映したものではないとした。

ベルギー政府が原発災害などに関連し防御措置を公表するのは今回が初めてではない。2016年には03年策定の緊急対応計画を改正し、ヨウ素剤を受け取る住民数を拡大させるなどした。

ベルギー内にある原子炉はドールやティアンジュなどに計7基。複数の原発ではこれまで小規模の亀裂や圧力系統の欠陥が見付かり、国民らの懸念を強めていた。ドールの原発では14年にタービン系の不具合が起き、4カ月以上閉鎖されてもいた。

近隣諸国はベルギーの原子炉の老朽化を不安視し、ドイツ当局は昨年、ティアンジュ原発から約70キロ離れた西部アーヘン市の住民全員がヨウ素剤を確保出来る措置を講じていた。

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