「働き方改革」法案は、裁量労働制は先送りになりました。
しかし、安倍総理は、まだ高度プロフェッショナル制度は法案に入れて成立を目指しているといいます。
高プロは「成果で評価」という誤報が多かった
高度プロフェッショナル制度、略称「高プロ」といえば、マスコミが「成果に応じた新たな賃金制度」「成果で評価する」などと誤報を垂れ流すことで(私的には)有名な法制度でした。
過去記事でも触れています。
・【法案版】「定額働かせ放題」制度・全文チェック!~「成果に応じた新たな賃金制度」との誤報も列挙!
今回の報道ではどうなっているでしょうか?
さっそく見ていきましょう!
最近の各報道機関の報道は?
まず、朝日新聞はどうでしょうか。
高収入の専門職を労働時間規制から外す「高度プロフェッショナル制度」(高プロ)の導入など関連法案は月内に提出するが
朝日新聞は前から正確に報道しているので、今回も安定の正確さです。
次は、読売新聞です。
読売新聞は脱時間給という独特の表現を続けていますが・・・。
野党は高収入の一部専門職を労働時間の規制対象から外す脱時間給(高度プロフェッショナル)制度も削除するよう求めたが、首相は否定した。
なんと!
脱時間給という単語を使い続けているものの、かつて使っていた「成果に応じて賃金を決める」という枕詞が変わっています!
読売も変わったなぁ、と思いきや、次の記事がありました。
一方、脱時間給制度は為替ディーラーなど高度な専門業務に就く人が対象で、働いた時間ではなく、仕事の成果で評価される仕組み。
おぉ・・・。
残念すぎる大誤報ですね。
法案には、「仕事の成果で評価される仕組み」なんて書いていません。
絶対、この記事を書いた方は法案の原文を読んでいないと思います。
あまりに恥ずかしい説明なので、削除か訂正することをお勧めします。
次は毎日新聞です。
前々回は正確だったところ、前回劣化してしまった報道内容はどうなっているでしょうか?
高プロは年収が1075万円以上の一部専門職を労働時間規制の対象から外す制度で、残業代が支払われなくなる。
正しく戻っていました。
ちなみに、こちらの記事も正しい解説になっています。
東京新聞、時事通信、共同通信はまとめていきます。
高収入の一部専門職を労働時間規制から外す「高度プロフェッショナル制度(高プロ)」創設も1年遅らせ、いずれも2020年4月施行とする。
一方、高収入の専門職を労働時間規制から外す高度プロフェッショナル制度(高プロ)については「予定通り今国会に提出する法案に盛り込む」と強調した。
働き方改革関連法案で、一部専門職を労働時間規制の対象から外す「高度プロフェッショナル制度」の創設についても、政府が1年程度遅らせる方向で検討していることが分かった。
3つの報道機関とも正しく報道していますね。
さて、日本経済新聞はどうでしょうか。
日本経済新聞は高プロ賛成のため故意に誤報を繰り返す非常に悪意を感じるわけです。
私もこんな記事を書くほどでした。
・「残業代ゼロ」法案に関する日経新聞のトンチンカンな記事について
さて、今回は・・。
そのうえで労働時間ではなく成果に対して賃金を支払う「脱時間給制度」の創設は「今国会に提出する法案に盛り込む」と強調した。
やっぱりやっちゃってます!(>_<)
もう、ここまで来ると意地なんでしょうね。
日経にとって、報道って、何なんですかね?
次に産経新聞はどうでしょうか?
前回は「成果型賃金にする」という余計な説明をつけてしまっていたのですが・・。
年収1075万円以上の一部専門職などを労働時間規制の対象より外す「高度プロフェッショナル制度」(高プロ)が柱となる。
正しくなっています!
産経新聞は政治的な立場は周知の通りですが、意外(?)と労働問題ではいい記事が多いので、もしかしたら法案をちゃんと読んだのかもしれません。
一方、NHKはどうでしょうか?
NHKもしつこく「働いた時間ではなく成果で評価する」とし続けていたのですが、さて・・。
参議院予算委員会で安倍総理大臣は、働き方改革関連法案に盛り込まれる、高収入の一部専門職を労働時間の規制から外す制度について、より効率的な働き方の選択を可能にするものだと意義を強調し、法案の成立に重ねて意欲を示しました。
!!!
意外にも正しくなっています。
いつから正しくなったのか・・油断していました。
他のテレビ局はまとめて見てみましょう。
働き方改革関連法案から裁量労働制の拡大を切り離すことを受けて、野党側は、高収入の一部の専門職を労働時間の規制から外す「高度プロフェッショナル制度」についても追及を強めている。
過労で家族を亡くした遺族らは、働き方改革関連法案に関して、裁量労働制の対象拡大だけではなく、高収入の一部専門職を労働時間の規制から外す「高度プロフェッショナル制度」についても撤回すべきと訴えました。
裁量労働制の対象拡大だけでなく、所得の高い一部専門職を労働時間規制の対象から外す「高度プロフェッショナル制度」についても、法案から削除すべきだとして、政府を追及していく姿勢を示した。
政府は、研究者などの専門職を残業代の支払いや労働時間の規制から外す「高度プロフェッショナル制度」を盛り込んだ労働基準法の改正案を秋の臨時国会で成立させたい考えです。
高プロの説明について、見事に「成果」という言葉がなくなりました。
誤報を続けているのは日経だけ
あとは日経だけです。
読売はあの間違った記事を訂正すれば足りるでしょう。
今後は、日経がいつまで「労働時間ではなく成果に対して」という言葉を使い続けるかが注目点となりました。