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大井川鉄道無人駅にアート出現 島田で芸術祭、25日まで

(2018/3/10 07:59)
実際に乗って楽しめる夏池篤さんの作品=9日午後、大井川鉄道川根温泉笹間渡駅
実際に乗って楽しめる夏池篤さんの作品=9日午後、大井川鉄道川根温泉笹間渡駅
セレモニー参加者の力を借りて公開設置した島田慎太郎さん、小柳津直二さんの作品=同、大井川鉄道抜里駅
セレモニー参加者の力を借りて公開設置した島田慎太郎さん、小柳津直二さんの作品=同、大井川鉄道抜里駅

 大井川鉄道(本社・島田市)の無人駅を舞台にした芸術祭「UNMANNED(アンマンド)」が9日、始まった。静岡県内外の作家8組が、さまざまなアート作品で駅舎や駅周辺を彩った。25日まで、市内の大鉄無人駅8駅で楽しめる。
 NPO法人クロスメディアしまだと、県文化プログラム推進委員会の主催。昨年初開催した「アートコネクトシマダ 無人駅ルネッサンス」から名称を変えて実施した。
 抜里駅で行われたオープニングセレモニーでは、建築家の島田慎太郎さんと造園家小柳津直二さんによる造形作品「やどる」の公開設置が行われた。竹を編んで巨大なクモの巣のような形を表現した作品で、セレモニー参加者の協力で2本の木の間につり上げた。
 他の作家も出席し、作品に込めた思いなどを述べた。川根温泉笹間渡駅に、木造の線路と実際に乗って楽しめるトロッコを作った造形作家の夏池篤さんは「大鉄は夢を持った鉄道。それにからめて、森の奥へ連れて行ってくれるような線路を作った」と説明した。
 作品はこのほか代官町、日切、五和、神尾、福用、大和田の各駅に設置されている。クロスメディアしまだの大石歩真理事長は「無人駅周辺には、多くの人が生活している。アートを通じてそうした姿を見てもらい、無人ではないと伝えていきたい」と話した。

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