SE残酷物語…裁量労働&高プロより先にすべきは制度改正
日刊ゲンダイDIGITAL / 2018年3月10日 9時26分
SEの実態を知っているのか(加藤厚労相)/(C)日刊ゲンダイ
データ捏造発覚で、裁量労働制拡大が削られた安倍政権の「働き方改革」だが、拡大阻止で済ませてはいけない。現在、専門型裁量労働制が適用されているSE(システムエンジニア)では“定額働かせ放題”が横行し、実情に合わなくなっている。既存制度自体が破綻しているのである。
ハローワークの求人情報のネットサービスで、東京の「一般・フルタイム」の「裁量労働制」を検索すると、29件ヒットするが、そのうち21件がSEだ。
「激しいコスト競争をしているシステム会社にとって、SEが定額の給料でソフトを開発してくれる裁量労働制は重宝されています。SEに時間給で払っていたら、大幅な人件費アップですよ」(IT業界関係者)
1988年に裁量労働制が導入された際、記者、デザイナー、プロデューサーとともに、「情報処理システムの分析、設計」つまり、SE職も指定された。労働問題に詳しい塩見卓也弁護士が言う。
「80年代のSEは技術者も少なく、専門性の高い仕事だったと言ってもよいでしょう。内容も進め方も、システム開発を受けた技術者に委ねられていたようです。ところが、現在のシステム開発は分業化され、下請けが受けるケースが多い。開発全体の統括者は裁量はあるでしょうが、個々のSEは与えられた仕事を納期通りにこなしていくわけです。命じられた仕事の締め切りが2、3日後なんて事例がざらにあり、そんな状況では裁量などありませんよ」
IT未開の80年代の制度がそのまま温存され、その結果、裁量がないSEの裁量労働制は今や企業の人件費削減のツールとなっている。
「SEのように、かつては裁量労働にふさわしかったといえたとしても、今はそうでなくなっている業務は対象から削除すべきです。政治がやるべきは、まずは時代の変化に合わせて、問題のある現状にメスを入れること。その上で、仮に新たに対象に加えるに本当にふさわしい業務があるのであれば、乱用防止の対策を十分に講じた上で、加えるのが順序でしょう。先に行うべきなのは、規制緩和でなく規制強化です」(塩見卓也弁護士)
安倍政権が執着している「高度プロフェッショナル制度」も「専門性」を強調するが、SEの実態をみれば、報酬を搾り取られる残酷な職種をただ増やすだけだ。
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