金利が上がるとなぜ株、債券は下がるのか?

金利と株、債券の関係

アメリカの金利が上昇傾向


2月2日のNY株式市場は金利が急上昇した影響で暴落。
ダウ平均が665.75ドル安(-2.54%)、S&P500も2.12%安と大幅安となりました。

そこで気になるのが金利が上がるとなぜ株が下がるのか?ということです。

また、同じく債券も金利と逆相関にあると言われています。

今回はなぜ金利があがると株や債券が下がるのかを見ていきましょう。

金利と株価の関係

まずは、金利が上がるとなぜ株価が下がるのかを考えていきます。

大きな理由としては企業要因と投資家要因がありますので分けてみていきましょう。

企業要因

まず企業側の話です。

これは簡単です。

会社は新規事業に必要な資金のために借入などを行いますが、その際に金利が上昇すればそれだけ利息を支払う必要がありますからその影響で業績が悪化します。

また、業績の悪化や利息が高いとなれば会社はそもそもの設備投資を抑制するようになったり、消費者も金利が上がればローンを組んだりすることを抑制するようになりますから家や車などが売れにくくなるのです。

そうなれば社会全体としての経済活動が停滞する懸念があるのです。

つまり、金利が高くなると将来の企業業績が悪化する可能性があるから株が下がるのです。

逆に金利が下がれば将来的に企業の業績が良くなる可能性があるため株価が上がるのです。(今の日本ですね)


投資家要因

次に投資側の話です。

投資家はより有利なところに投資をしたいと考えます。

金利が上がれば相対的に預金や債券の魅力があがりますので株への投資を控えてそちらにお金が流れるようになるのです。

つまり、金利があがることで資金が株から他へ流れるために株が下がるのです。

逆に金利が下がれば預金や債券の魅力が下がりますので相対的に株へ資金が流れて来ます。(今の日本ですね)

金利と債券の関係

それでは債券は金利があがるとさがるのでしょうか?

金利があがると債券の金利もあがるからプラスに働きそうな気がするかたもいるでしょう。

簡単な流れを紹介しましょう。

例えば元本が100円の債券年利率2%を買っていたとしましょう。

償還は5年後です。

つまり、5年後には100円返ってきますし、利率は年2%もらえるということです。

しかし、お金が急に入用になってこの債券を売却することを検討したとしましょう。

しかし、その時には金利が急上昇して債券の年利率3%になったとします。

その場合、新しい債券を買えば年利率3%もらえるのに、わざわざ年利率2%の債券を買う人はいないでしょう。

せめて同じ条件にしないとだれも買いません。

利率は上げれないとすると価格を下げるしかないですよね。

新しい3%の債券は5年間でもらえる金額は115円です。

2%の債券の場合は5年間でもらえる金額は110円です。

差が5円ありますのでその分を値引きをした95円にしないとだれも買いません。

つまり、金利が上がったことで債券の価格は下がるのです。

例外もある

これは例外もあります。

例えば変動金利の個人向け国債です。

これの場合には金利が上昇すればもらえる金額も大きいため価値が下がりません。

ですのでアセットアロケーションを考えるときに債券部分を変動金利の個人向け国債にする方が多いのです。

詳しくは下記記事をご覧ください

毎月分配型には気をつけよう

債券を買う方の中には毎月分配型の債券へ投資をする投資信託を購入される方が多いです。

しかし、毎月分配型はかなり地雷が多いですからお気をつけくださいね。

簡単に言えば自分の足を食べているタコみたいなものです。

詳しくは下記の記事をご覧ください。

債券の投資信託

今まで見てきたように金利と債券は逆相関の関係にあります。

そのため債券の投資信託などは金利が上がると下がる傾向にありますのでお気をつけください。

特にイデコなどで債券を組み込まれている方も多いでしょうが、アメリカを中心に金利が上がる方向になりそうですから注意が必要です。

おすすめはイデコなどでは債券を買わず、アセットアロケーションで入れたい債券分は前述の金利が上がっても問題のない変動金利の個人向け国債を買うことです。

また、加入できる条件をみたす方は債券部分を小規模企業共済で考えるのもおすすめです。

他にも特定口座などで格付けの高い海外債券を直接買うという方法もあります。

仮に金利が上がったとしても決まった金額はもらえるわけですからね。

その際、もちろん為替リスクはありますが、長期でみればそこまで気にすることはないのかなって思います。

まとめ

今回は金利の上昇すると株価、債券がなぜ下がるのかを見てきました。

金利と株価、債券は本当に大きな関係がありますので、金利の動きは常にチェックしておきたいところですね。

そのためある程度の分野を分散することも必要ってこともいえると思います。

読んでいただきありがとうございました。

私の記事が参考になった方はポチッとな

にほんブログ村 株ブログ 投資信託へ
にほんブログ村
idecoブログランキング
人気ブログランキングへ

ピックアップ記事

  1. ビットコインなどの仮想通貨で裁定取引
    仮想通貨取引には裏技がある ビットコインやモナコインなどの仮想通貨にはかなり通用しやす…
  2. 信託報酬は実質コストをみよう
    信託報酬はほんとうのコストではない?? 個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)やつみ…
  3. 車庫証明を自分で取る
    先日車を購入したのですが、その際に自動車保管場所証明書(以下、車庫証明)を自分で取得することになりま…
  4. スマートフォン年度末
    スマートフォン買うなら年度末がお得 年度末に入り携帯電話各社の顧客獲得合戦が激しくなっ…
  5. イデコの運用管理機関を乗り換え
    運用管理機関によって手数料も運用商品もぜんぜん違う 個人型確定拠出年金(iDeCO/イ…
  6. イデコ運営管理機関変更
    個人型確定拠出年金(iDeCO)の加入対象範囲から1年 個人型確定拠出年金(iDeCO…
  7. 仮想通貨の確定申告
    確定申告の時期が始まってます。 今年の確定申告で1番大きなトピックスが仮想通貨でしょう。 …
  8. 新入社員投資を始める
    3月に入り、来年の新卒の採用が始まりました。 また、今年から就職の人もすでにお仕事が始まった企…