フェンダー、歴代の名作を融合させた新シリーズやエフェクトペダル、アコギなどNAMM発表の新製品をお披露目

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フェンダーミュージックが、THE NAMM SHOW 2018で発表された春夏に向けた新製品の展示会を国内で開催。エレクトリックギターの新シリーズや個性的なアコースティックギター、エリック・ジョンソンのシグネチャーモデル、本格参入となるエフェクトペダルなど、数多くのモデルを披露した。いずれも発売次期は順次アナウンス予定となっている(一部はすでに発売中)。

■50/60/70年代の代表的な仕様を再現したAmerican Originalシリーズ


▲American OriginalのラインナップはStratocasterやTelecaster、Jazz Bass、Precision Bassに加え、JaguarやJazzmasterも用意。StratocasterとTelecasterはレフトハンドモデルもラインナップする。

2018年のブランドアイコンモデルとなるAmerican Originalシリーズは、1950年代、60年代、70年代のヴィンテージモデルのリイシューで、昨年までリリースされていたAmrican Vintageシリーズの後継となる。Amrican Vintageシリーズでは52年モデルや64年モデルと年代を細かく区切り、再現度の高いモデルを製作していたが、その分作業工程が増え、価格も上がっていたという。そこで、今回のAmerican Originalシリーズでは50年代、60年代、70年代、それぞれの代表的なスペックを落とし込んだモデルとし、大幅な低価格化が実現。American Vintageが約35万円だったのに対し、American Originalは約27万円から。すでに発売中だ。

単なるヴィンテージのリイシューにとどまらず、現代のプレイヤーに合わせたブラッシュアップもなされた。たとえば'50s Stratocasterでは3-Wayスイッチを5-Wayに、指板のRを7.25インチからより平たい9.5インチに変更されている。また、従来付属していたケースやストラップは使用していないユーザーが多かったということから省かれている。

■名作のDNAを融合したユニークな仕様のParallel Universe


▲左からParallel UniverseシリーズのThe Strat-Tele Hybrid、American Elite Nashiville Telecaster HSS。右はLimited Edition 60th Anniversary '58 Jazzmaster。


「並行宇宙」という意味を持つParallel Universeシリーズは、「フェンダーが今とは違う別の運命を辿っていたらどんな製品を作っているだろう?」という想像から製品化されたシリーズ。フェンダー歴代の名作ギター、ベースのDNAをかけ合わせたハイブリッドモデルだ。たとえば、テレキャスターのボディにストラトキャスターの回路やネックを付けた合体モデルや、HSSのテレキャスターをはじめ、フェンダー“らしくない”モデルがラインナップされる。今回は国内への入荷が間に合わず見ることはできなかったが、ジャズマスターとテレキャスターを融合したモデルや、ジャガーのルックスをテレキャスターに落とし込んだモデルなど、ユニークなラインナップが揃う。

また、Jazzmasterの60周年記念モデルとして、Limited Edition 60th Anniversary '58 Jazzmasterが登場。58年にレオ・フェンダーが考案し、最初に作ったプロトタイプを当時の写真や設計図をもとに復元。仕様はその後のものとは異なり、たとえばノブはハットではなくテレキャスターと同じタイプとなっている。60周年記念モデルは今後もリリース予定。

■セミホロウのエリック・ジョンソン・シグネチャー・ストラトキャスター


▲セミホロウ構造とトラディショナルなストラトキャスターのアームとコンターを組み合わせたEric Johnson Thinline Stratocaster。

Eric Johnson Thinline Stratocasterは、世界的なギタープレイヤー、エリック・ジョンソンのシグネチャーモデル。Thinlineのセミホロウの構造をストラトキャスターに取り入れたいというエリック・ジョンソンが長らく抱いていた思いを具現化した、軽量でありながらリッチなサウンドが得られるモデルだ。

セミホロウ構造ではコンター部が割れやすいということで実現には時間がかかったが、技術の進歩により今回ついに製品化。ニトロセルロースラッカー仕上げ、2ピースのセイホロウアルダーボディにストラトキャスター仕様のシングルコイル3基を皿ビスでマウント。弾きやすい'57 Soft Vシェイプのメイプルクォーターゾーンネックには305Rのメイプル指板とミディアムジャンボフレットを採用する。カラーは2-Color Sunburst EricとVintage Whiteの2色をラインナップ。3月8日より発売中。

■フェンダーがエフェクトペダルに本格参入


▲右からLevel Set Buffer、The Bends Compressor、Santa Ana Overdrive、Plugilist Distortion、Marine Layer Reverb、Mirror Image Delay。

2018年、フェンダーがエフェクトペダルに本格参入、6モデルが登場する。Level Set Buffer、The Bends Compressor、Santa Ana Overdrive、Plugilist Distortion、Marine Layer Reverb、Mirror Image Delayをラインナップ。いずれもアルミにヘアラインを施した頑丈なボディに、ノブの方向を示すLEDを搭載。暗いステージでも設定をひと目で確認できる仕様となっている。LEDはリアパネルのスイッチ一つでON/OFF可能だ。電池ホルダーは前面のカバー(ネジなし!)を開けるだけでカンタンにアクセスできるのも大きな特徴だ。


▲電池ボックスはネジなしで、ドライバーなどを用いずにカンタンに開けられる(左)。つまみには暗所でも見やすいLEDを搭載、動作状態を示すランプはモデルごとに色が異なり、The Bends Compressorではコンプがかかった時のみピンクに点灯する(右)。

Level Set Bufferはシングルコイルのギターとハムバッカーのギターを持ち替える際に音圧が変わらないよう、レベルを均一化できるペダル。歪み系のSanta Ana Overdrive、Plugilist Distortionは音色を各2種類用意する。Overdriveはウォーミーな歪みとジャキジャキしたシャープな歪みを切り替え可能。4バンドのイコライザーを搭載するほか、BOOSTスイッチはレベル・ブーストとドライブ・ブーストをリアパネルのスイッチで切り替えることができる。Distortionは個別にトーンを設定できる2つのゲインコントロールAとBがあり、両者の接続をシリーズとブレンドから選択可能、ブレンドの割合も設定可能。かなり幅広いサウンドメイクが可能だ。

空間系のMarine Layer ReverbとMirror Image Delayの共通の特徴はリアパネルのKILL DRYスイッチ。原音を消して残響音だけを出力できるものだ。また、スピルオーバー機能により、エフェクト音が持続した状態でペダルをOFFにしてもリバーブ/ディレイ音が切れないのもポイント。DelayはDigitalとウォーミーなAnalog、ヴィンテージテイストのTapeの3種を用意、付点8分音符も設定可能だ。ReverbはHall/Room/Specialの3種類を用意。Specialははやりの“Shimmer”と呼ばれるタイプで、シュワーッという独特の残響が得られる。


これらのペダルの開発は、アンプの開発チームに在籍したメンバーによりプロジェクトが立ち上げられ、多くのアーティストからのヒアリングを重ねて行われた。アーティストの意見が反映されているだけあって、サウンド、仕様ともにかなりこだわったモデルとなっている。

■ストラトヘッド&斬新なカラーのアコースティックギターCaliforniaシリーズ


▲ストラトヘッドのCaliforniaシリーズ。こちらはカラフルなラインナップが揃ったCalifornia Player(カラーのラインナップはシェイプによって異なる)。

アコースティックギターでは、ストラト・ヘッドと、エレキギターに近い形状の握りやすいネックを採用したCaliforniaシリーズが登場。エレキギターのプレイヤーも手に取りやすい仕様で、3段階のグレード(下からPlayer、Special、Classic)、3種のフェンダー・オリジナル・シェイプ(Redondo、Newporter、Malibu)をラインナップ。Playerは8色揃った斬新なカラーも魅力だ(Specialはマット・ブラックのみ、ClassicはCosmic Turquoise、Hot Rod Red Metallicの2色)。


▲Californiaシリーズの上位モデルはトップ、バック&サイドとも単板を採用。マット・ブラックの3機種がSpecial、右の3機種がClassic。それぞれ3つのシェイプをラインナップ。

同じくアコースティックギターののParamountシリーズからはフェンダーでは初となる日本製のアコースティック・ギターが限定生産で登場。さらに5万円以下の低価格が魅力のFA(Fender Alternative)シリーズが登場。初心者やこれから趣味で始めたい人というにぴったりのモデルとなっている。


▲左の3機種が気軽に買えるFAシリーズ。右の3機種がParamountシリーズの日本製モデル。PM-2E Parlor Limited All Mahogany、PM-4CE Auditorium Limited Vintage SunburstとNatural。


■フェンダー初のイヤホンPURESONICはワイヤレスモデルもラインナップ


▲3モデル揃ったPURESONICシリーズ。左からWIRELESS EARBUDS、PREMIUM WIRELESS EARBUDS、WIRED EARBUDS。有線タイプのWIRED EARBUDSは2色をラインナップ。

フェンダー初のイヤホンPURESONICシリーズも登場。プロ用のインイヤーモニターFXシリーズに続いてリリースとなる、ミュージックラヴァー向けのカジュアルなモデルだ。

有線タイプのWIRED EARBUDS、ワイヤレスタイプのWIRELESS EARBUDS、ワイヤレスのプレミアムモデルPREMIUM WIRELESS EARBUDSの3種をラインナップ。ワイヤレスモデルはaptX対応で、「PREMIUM WIRELESS EARBUDS」はAACにも対応する。

■スマホで操作できるデジタル・ベースアンプ Rumble


▲手前右がRumble Studio 40、奥がRumble Stage 800。Rumble Stage 800にはフットスイッチが付属する。手前左はギターアンプMustang GT 40。

昨年発売されたデジタルアンプMustang GTのベース版がRumbleシリーズ。ステージでの使用にも対応する800W出力のRumble Stage 800と、レコーディングや自宅練習にもぴったりな40W出力モデルRumble Studio 40の2機種をラインナップ。こちらはすでに発売が開始されている。100のプリセットから好みのサウンドをカンタンに選択。15のアンプモデルと40のエフェクトを搭載し、スマホアプリFENDER TONEで詳細なエディットやプリセット管理が行える。


▲本体のコントロール部はカラーLCDやロータリーエンコーダーを備え、十分な操作性。Rumble Stage 800ではフットスイッチも使用できる(左)。さらにスマホアプリを使えば、離れたところからでも各種エディット、プリセット管理が可能(右)。


■日本製の最高峰、MADE IN JAPAN LIMITED COLLECTION 2018


▲左からMADE IN JAPAN LIMITED COLLECTION 2018 50s Telecaster、60s Stratocaster、60s Jazzmaster、60s Jazz bass。

MADE IN JAPAN LIMITED COLLECTION 2018は、現在の日本製モデルでできる最高峰の技術をつめこんだモデルで、数量限定での発売。US製パーツの使用、オールラッカーが共通の仕様。パーツはUS製なのはAmerican Originalシリーズと同様だが、組み込みや塗装、最後の仕上げは日本で行われており、そのサウンドも“日本製の音”を感じさせるものになっているという。MADE IN JAPAN LIMITED COLLECTIONは2019年以降も更新され、1年に2回、春と夏に新モデルがリリースされる予定。

■若いプレイヤーをターゲットにしたSquier Contemporaryシリーズ


▲5万円からのリーズナブルな価格でモダンなスペックを実現したComtemporaryシリーズ。

Squierブランドからは、モダンなギターを求める若いプレヤーに向けてContemporaryシリーズが登場。ほとんどのモデルがハムバッカーを採用。ルックス面では全モデルがマッチングヘッドを採用しており、リバースヘッドの個性的なモデルもラインナップ。Stratocaster HH、Telecaster HHはレフトハンドモデルも用意される。

■American Special Vintage Colors


▲241R指板と22ジャンボフレットを採用したメイプルネックとパワフルなCustom Shop Texas Specialピックアップを採用したAmerican Specialの新色モデル。

American Specialには新色のVintage Colorsが登場。WalnutのStratocaster、Fiesta RedのStratocaster HSS、Sherwood Green MetallicのTelecasterの3色がラインナップされる。

■Custom Shopコレクションモデル


▲左から1959 Journeyman Relic Esquire Custom Chocolate 3 Tone Sunburst、2018 Postmodern Stratocaster RW Journeyman Relic Faded 3-Color Sunburst、1964 Lush Closet Classic Jaguar Tahitian Coral。

Custom Shopのコレクションモデル3機種は2018年限定。写真左の2モデル、1959 Journeyman Relic Esquire Custom Chocolate 3 Tone Sunburst、2018 Postmodern Stratocaster RW Journeyman Relic Faded 3-Color Sunburstの“Journeyman Relic”はレリック加工の一種で、何人もの持ち主を渡り歩いたというイメージ。大切にされてきたのでそれほどキズはないものの小さな打痕などがある。Chcolate Sunburstはフェンダーの代名詞ともいえるSunburstの新しいカラーリングで、黒ではなくチョコレート・カラーに仕上げている。ネックの美しい虎目は最も良い木材を使うCustom Shopならでは。一番右は1964 Lush Closet Classic Jaguar Tahitian Coral。“Lush Closet Classic”はクローゼットにずっと入れられ使われていなかったが湿度調整がうまくいっていなかったというイメージ。キズなどはほとんどないが、塗装に細かいヒビが入っているのがCloset Classicとの違い。


▲左は虎目が美しい1959 Journeyman Relic Esquire Custom Chocolate 3 Tone Sunburstのネック。右は1964 Lush Closet Classic Jaguar Tahitian Coralのヒビの入った塗装。


■Bluetoothスピーカー新色やアパレルグッズも登場


▲コンパクトながらフェンダーらしいパワフルなサウンドが楽しめるNEWPORT。音楽再生のほか、ハンズフリーでの通話も可能。右奥は昨年発売のBlackモデル、左奥は上位モデルのMONTEREY。

アクセサリーやライフスタイルグッズも多数登場。歴代のフェンダー・アンプのデザインにインスパイアされたデザインのBluetoothスピーカーNEWPORTには、新たにDakota RedとSonic Blueの2色が仲間入り。昨年リリースされたブラックと合わせて3色から選べるようになった。

ミニアンプの新モデルとしてはMINI '65 TWIN AMPが登場。フル・サイズツインアンプのルックスを踏襲。ミニサイズながらもどんな場所でもフェンダートーンが楽しめる。


▲フェンダーらしいルックスのミニアンプMINI '65 TWIN AMPはヘッドホン出力も搭載(左)。Tシャツやキャップも新デザインがリリース(右)。

▲まな板やブックエンドといったライフスタイルグッズ(左)のほか、昨年登場のテレキャスターヘッドのウクレレも展示(右)。2018年はフェンダー史上最年少となるグレース・ヴァンダーウォールのシグネチャーモデルも登場予定だ。

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