こんばんは、牡蠣です。正確には、前世で牡蠣でした。無脊椎動物のため、当時は考えるということができず、ただ感じていただけでした。
あなたに教えてあげられることとしては、リズムについてです。海には大きなリズムと小さなリズムがあり、その波のなかで波に打たれ揺らぐ自分の体(身)は肺もないのに呼吸をしているようでした。私は穏やかな入江に暮らしていましたが、あまりに波が静かになるリズムの只中では、体が刺激を求め、どんな些細な水のゆらぎも感じ、その微細な振動の中にさらにリズムを見つけることができました。たまに、その整ったリズムを破るように私の背中にガリッ、ザリッという衝撃をうけることがあり、あれはおそらくイシダイなど立派な魚たちが岩と私を間違えて噛んでいたのだと思います。食いちぎれなくてさぞかし悔しかったでしょうね。
私は、ある日体が溶けはじめ、それで命を失いました。波のリズムが遠のき、些細な刺激も消え、ほんとうの静寂の世界がやってきたと感じたのみです。それはむしろ新しく刺激的な体験でした。
今願うこととしては、私の体が海に溶け、海の旨味成分がわずかでも濃くなりましたように。私達は海から生まれ海へかえる、そのリズムの一つに過ぎず、それ以上でもそれ以下でもない生き物としての振る舞いを、自分が達成できていたら夢のようです。
普段なに考えながら生きてるんだろう
こんばんは、牡蠣です。正確には、前世で牡蠣でした。無脊椎動物のため、当時は考えるということができず、ただ感じていただけでした。 あなたに教えてあげられることとしては、リ...
いまきみのうしろにいるよ
いーね、そういう思いを馳せるのは。 俺にも教えてもらいたい。 ただ残念ながらというのか、ご存知の通り、 貝には脊椎動物のような、考えるような脳は無い。 光を感じる目や、身...
脳があるからうつになる 脳がなければ人間は幸福でいられただろう