このページではBTU (ビットユニオン)およびWOW-e-Coin (華コイン)という2つの仮想通貨に関係する以下の5つのサイトを検証しています。 ●Bit-tube [BTU ビットユニオン] (ビットチューブ bit-tube.com) ●Yumegen Co., Ltd. (夢現 yumegen.com/web/) ●Wow Digital Development HK [WOW-e-Coin (華コイン)] (WOW デジタル・デベロップメント香港 www.wowdigit.com) ●Mirai1有限責任事業組合 ●Tokyo Cryptocurrency eXchange (株式会社 TCX www.tcexchange.jp) それでは検証を始めます。 ●Bit-tube [BTU ビットユニオン] (ビットチューブ bit-tube.com) ●Yumegen Co., Ltd. (夢現 yumegen.com/web/) まずビットチューブは動画投稿サイトであり、動画を視聴した人が気に入った動画を配信した人に仮想通貨の形で報酬を払うことが出来るシステムということになっているようです。この動画投稿サイト独自の仮想通貨がBTU (ビットユニオン)と名づけられており、この仮想通貨の価値は将来的に上昇するのが確実だから投資しておけば儲かりますというのがこのサイトで呼びかけられている概要ということになります。 まず例によって連絡先情報ですが以下の様になっています。 >株式会社ビットチューブ >〒662-0834 兵庫県西宮市南昭和町9-14-1F >メールアドレス:btu@bit-tube.com >受付日時:午前10時~午後5時 会社の住所は兵庫県西宮市ですが、まず電話番号がありませんし、経営者情報も見当たりません。この時点で既に不審を感じます。そしてサーバーのWho Is情報を見ると全く異なる連絡先情報が書かれています。 登録者はKenta Tagomori、住所は兵庫県西宮市高畑町1-62-502となっていてビットチューブのサイトに書かれていた連絡先とは西宮市以降の部分が全く異なります。そしてこちらには0798という西宮市の市外局番から始まる電話番号や経営者らしき人物名も書かれており、会社名は「yumegen co., Ltd.」となっています。そこでこの住所や会社名で検索すると確かに夢現 (ユメゲン Yumegen Co., Ltd. yumegen.com/web/)という会社が該当の住所に存在するようです。また夢現の代表取締役の名前とWho Is情報にあったTagomoriという登録者名も一致します。これが項目の2つ目に掲げた会社でおそらくビットチューブの運営元と考えられます。 >会社概要 >Yumegen Co.,Ltd. >会社名 株式会社 夢現 >設立 平成23年12月 >代表取締役 田子森 建太 >本社 〒663−8202 兵庫県西宮市高畑町1−62 5F2号 >代表電話 0798−78−3434 >Mail yumegen@yumegen.info >主要取引先銀行 播州信用金庫、三井住友銀行 >広島支社 〒730-0012 広島県広島市中区上八丁堀7-1 3F8号 >主要取引先 りそな銀行 >その他営業所 西宮営業所、尼崎支店、高槻営業所、四国営業所 >営業時間 平日10:00〜17:00 ちなみにこの西宮市高畑町の住所には第一チェリーマンションというマンションがあるようです。不動産屋の情報サイトによれば1部屋が50平米前後のマンションであり、それほど大きな会社とは思えません。あるいは「電話帳ナビ」というサイトには夢現の所在地としてまた別の住所が出てきます。 >兵庫県西宮市池田町12-33-2102 しかしこの住所には「安心できる葬儀社」という葬儀会社もあるようです。何が何だかよく分かりませんが、このビットチューブと夢現という2つの会社の所在地にはすっきりしない部分があります。ちなみに法人登録を調べてみると となっていて法人登録以降に住所変更があったという記録はないようです。 そして夢現の業務内容としてチラシの作成やポスティング代行、ホームページの作成、さらにはClub Sea Dreamという子会社を介してのマリンスポーツ体験事業など50平米ほどのマンションの一室が住所になっている会社とは思えないほどの多角経営です。さらにこれらの事業に加えて「ブロックチェーンの開発・販売・コンサルティング」などといった項目が挙げられており、仮想通貨やトレードシステム、ウォレットなどを開発する事業なども請け負っているようです。 自らの為に立ち上げた仮想通貨がBTU (ビットユニオン)ということになるのだと思われます。またこのサイトには以下のキャプに示すように「Baysia Coin」という仮想通貨に関する短い記述があります。 これは「検証4」で検証を行った詐欺の疑いが濃い仮想通貨と同一思われ、株式会社 夢現はこの仮想通貨の開発などにも関係している可能性が高いものと思われます。但しこのベイジアコインの短い記述の部分に用意されているリンクは「SEO完全マニュアル TOPアフィリエイターが参考にする検索上位表示対策」というタイトルのアフィリエイターの為の手引き書の様なものにリンクされています。正直に言えばこの夢現という会社には怪しげな臭いが濃厚に漂っているとしか思えません。 そしてビットユニオンは本項を書いている2017年3月の時点で事前予約販売第4期となっていて1BTU=0.5円という価格で販売されていてこれがSNS公開時には1BTU=1円の固定相場で取引されるようになると書いてあります。 つまり今からでもビットユニオンを買っておけば確実に倍になりますという話しであり、さらには仮想通貨の取引市場に上場されて変動相場制に移行するのでさらなる値上がりが期待出来るみたいなことが書いてあります。 しかしこのビットユニオンという仮想通貨が果たして本当に仮想通貨として利用され、価値が少なくとも倍に上昇するという話しがどれほど信用出来る話しなのかが問題となります。そもそもビットチューブという動画投稿サイトがYoutubeを始めとする数多の動画共有サイトに対抗出来るのかどうか、ビットユニオンが利用される場になるはずのビットチューブが利用者を集められなければビットユニオンが滞りなく取引されるようになるか、売りたい時に買い手を見つけられるかどうかさえ疑問になってくるはずです。正直言って現時点で全く動画投稿サイトとしての運営が始まっていないビットチューブにそんな将来性が約束されているようには全く思えません。実際にアクセス数を解析出来るサイトでビットチューブのサイトを調べてみると以下のキャプに示すようにアクセス数は非常にわずか、解析出来ないほどしかないようです。 またサーバー情報を改めて見ると以下のキャプに示すように「コモンネーム sakura.ne.jp」からさくらインターネットという業者のレンタルサーバーを使っており、同一サーバーを全部で96のサイトが共有していることが分かります。 動画共有サイトを運営するとなれば高速大容量通信に対応する専用サーバーが必須でしょうから少なくとも現時点では動画共有サイトなど運用出来る体制になっていないことは確かです。 結論としてこのサイトが動画共有サイトとして成功し、ビットユニオンが仮想通貨として広く使われるようになり、やがては価値も大幅に上昇するなんていう話しは現時点で殆ど夢物語としか思えません。このビジネスが大成功するという確信のある人以外には投資を推奨出来ません。 ●Wow Digital Development HK [WOW-e-Coin (華コイン)] (WOW デジタル・デベロップメント香港 www.wowdigit.com) ●Mirai1有限責任事業組合 ●Tokyo Cryptocurrency eXchange (株式会社 TCX www.tcexchange.jp) 香港に本拠のあるWOW デジタル・デベロップメント香港が発行したという仮想通貨へのセミナーなどを介した投資勧誘や販売が日本でも行われているようです。「Mirai1有限責任事業組合」および「株式会社 TCX」が日本での販売を担当しており、販売拡大の為にネズミ講方式が採用されている可能性が高く、違法性も疑われます。 まず発行元であるWOWデジタル・デベロップメントのサイトにある連絡先情報は英語版と日本語版サイトでそれぞれ以下の様になっています。住所は香港です。 >Wow Digital Development Limited >Unit 701, 7/F, South Seas Centre, 75, Mody Road, Tsim Sha Tsui, Kowloon, Hong Kong >(852) 2386 8936 | info@wowdigit.com >住所: 香港尖沙咀東麼地道75号南洋中心2座7階701号室 >電話: (852)2386 8936 | メールでのお問い合わせ:support@wowdigit.com しかしWOWデジタル・デベロップメントのサイトには経営者情報などがありませんし、WOW-e-Coin (華コイン)の仮想通貨としての流通、つまり何処で仮想通貨として支払いに使えるのかといった情報が全く見つかりません。コインの「優位性」という項目の中に「流通性」が挙げられていますがその説明は以下の様になっています。 >流通性 >Wow-E-coinの流通性と評価を高めるため、各地に学校を建て通貨の授業を行うなどして積極的にプロモーション活動を実施することにより、世界中の事業者とリンクできるようにしていきます。 要するに現時点での仮想通貨としての流通について何も具体的な説明はなく、これからプロモーションを進める予定ということのようです。他に銀行を買収して流通を促進するといった記述もあります。どれだけ巨大な銀行を買収するつもりでしょうか?最大限好意的に解釈しても本当に仮想通貨として流通することがあるのか疑問としか思えません。 ◆World Mobile International Holding (アメリカ) ハイスピードで効率的なOS、様々な映像関連の送信システムやカスタマイズされたシステムインテグレーション等を提供 ◆アジアパシフィック・スマートコア(北京) 海外向けのICチップモジュール及びモバイルペイメント商品の研究開発及び販売事業 ◆Linne Green Holding Inc. トウゴマという植物を栽培し潤滑油やバイオディーゼル、セバシン酸等の製品を製造 仮想通貨の事業とどんな繋がりがあるのかよく分かりませんが、最初の「World Mobile International Holding」についてはアメリカのOTC市場(店頭市場)に株式が上場されているというのでOTC市場のサイトで企業情報を調べてみました。確かにOTC市場のサイトを見るとこの子会社が上場されていることが分かりますが、その決算内容などを見るとこの子会社は休眠会社としか思われません。以下のキャプは過去の四半期決算の一部ですが直近の4四半期=1年間に渡ってRevenue=売り上げがゼロになっているのです。 とてもではありませんが >当社の製品は主に金融、通信、公共交通機関、Eコマース等の業界で使用されています。 という説明が胸を張って出来るような会社ではありません。当然のことですが現時点(2017年3月)での株価も3セント未満、過去1年(52週)の株価水準も1セント~9セントとアメリカで言うペニーストック、日本で言うボロ株です。 そもそもこの子会社が上場しているOTC市場は「検証12」のWhite Fox Ventures Inc. [AWAコイン] (ホワイトフォックスベンチャーズ)の項目でも説明しましたが経営破綻した企業などの株式が取り引きされるケースが多いような市場であり、だからこそ過去1年間の売り上げがゼロの休眠会社の株式でさえ上場が許されているのです。これに対してニューヨーク証券取引所とか東京証券取引所のような主要な株式市場では上場廃止基準というものがあって売り上げゼロの休眠会社では上場維持出来ません。 こんな休眠会社が3つの子会社の筆頭で紹介されているWOW デジタル・デベロップメントという親会社についても事業実態、つまり本当に華コインを流通させるつもりで会社が努力しているのか疑問を感じずにはおられません。 次に日本での販売窓口と思われる業者(?)についてですが、例えば以下のキャプは日本での販売を開始するという2016年8月8日付の(会社発表をそのまま記事にする)プレスリリース記事です。 この記事に書かれている日本での販売元になっているのが表題の2番目にあるMirai 有限責任事業組合であり記事の最後に連絡先情報が記されています。 >【Mirai1有限責任事業組合 概要】 >代表 :有本 和子 >所在地 :〒533-0031 大阪府大阪市東淀川区西淡路1-1-36 新大阪ビル6F >名古屋支所:〒450-0002 愛知県名古屋市中村区名駅4-24-16 広小路ガーデンアベニュー3F >東京支所 :〒100-6208 東京都千代田区丸の内1-11-1 パシフィックセンチュリー プレイス丸の内8F 何故か電話番号もメールアドレスもありませんし、名古屋支所と東京支所の住所は両方ともバーチャルオフィス業者のRegusの拠点の住所に一致します。 名古屋支所→Regus 名古屋広小路ガーデンアベニュー つまり少なくとも名古屋と東京の住所は会社の実体がない架空住所の可能性が濃厚です。しかもこのMirai 有限責任事業組合という組織名を検索しても公式サイトらしきものが見つかりません。さらにこの件に関する続報として香港の発行元の幹部が日本を訪れて講演を行うというMirai 有限責任事業組合からのプレスリリース記事がプレスリリース専門のサイトに出ています。 この記事には講演会への参加申し込み先として2つの連絡先が記されています。 >Mirai1有限責任事業組合 >担当 : 有本 >FAX : 06-6537-1987 >Mail : 87coin@gmail.com >電話 : 06-7222-3744 >電話直通: 090-8600-0123 >株式会社TCX >担当 : 山下 >FAX : 03-6700-8007 >Mail : tcxjunko@gmail.com >電話 : 03-6860-8222 >電話直通: 090-9701-1234 こちらには固定電話、携帯電話に加えてFAXの番号まで書かれていますがメールアドレスはフリーのgmailです。情報流出が怖い投資関係のサイトなのにフリーのgmailアドレスを使っている状況には強い違和感を感じます。ともあれ新しく登場した株式会社TCXについても検索してみるとこちらについては公式サイト(www.tcexchange.jp)らしきものが見つかります。 このTCX社のサイトによれば2017年2月1日からアカウント登録受付開始になっているようです。そして株式会社TCXのサイトにある連絡先情報は以下の様になっています。 >特商法に基づく表示 >事業者の名称: 株式会社TCX >運営責任者: 井手 陽一 >所在地: 〒108-0075 東京都港区港南1丁目9番36号 NTT DATA品川ビル13F >電話番号: 03-4405-6730 >Eメールアドレス: info@tcexchange.jp >ウェブサイトURL: http://www.tcexchange.jp/ ようやくフリーではないメールアドレスが出てきましたがこの港区港南の住所は「エキスパートオフィス品川」というバーチャルオフィス業者の住所である可能性が高いようです。これだけで信用出来る会社とは思えません。 またこのサイトにはWOW デジタル・デベロップメントのサイトと同じで華コインが実際に仮想通貨として流通する時期などに関する説明は一切見当たりませんが一方で「世界初!ADAコイン日本上場」とか「ADAコイン立役者の泉忠司先生が講演!」といった記述が見られます。この泉某は「検証1」のエイダコインの項目や「検証13」のノアコインとビットクラブの項目などで触れていますが複数の詐欺の疑いが極めて濃厚な投資案件の広告塔的な役割を果たしていると思われる人物です。この人物の名前が登場しているということはこの華コインについてもエイダコインやノアコインと同じグループが関係しているのかもしれません。 さらに以下はネット上で見つけた華コインの購入申し込み書(PDFファイル)の一部ですが、問合せ先としてMirai1有限責任事業組合の名前と連絡先情報さらにはゆうちょ銀行の口座番号が書かれています。そして購入額の選択肢として13万円~650万円まで6段階の選択肢が用意されていてDiamond1~6というレベルが書かれています。 またキャプの範囲外ですが紹介者を記入する欄もあります。このネット上にアップされた購入申し込み書の紹介者欄には鈴木某という個人名が書かれています。この購入額で変化する「レベル」や紹介者という記述からして華コインの勧誘はネズミ講方式で行われている可能性が濃厚です。申込書をネットにアップした鈴木某という人物は自分の子ネズミを探す為に申込書をアップした可能性が高いです。 総合的に考えてこの華コインが実際に仮想通貨として流通し、価値が上昇する可能性は極めて乏しいと判断せざるを得ず、ネズミ講方式で勧誘を行う投資詐欺の可能性が濃厚と判断せざるを得ません。投資は推奨出来ません。 |
2. 検証対象目次・索引 >