メルカリの組織は達成型?ティール型?これからの社会における組織開発とは

ブロックチェーンが生み出すのは、中央集権から分散型への主体の変化だった。その影響は、テクノロジーや金融業界だけにとどまらず、組織開発にも波及しようとしている。それによって、求められる組織や人、マネージメントの役割はどう変わるのか。今回は、そのような組織の未来に関して、メルカリ社長室の唐澤俊輔さんに話を聞いた。

目次

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唐澤 俊輔(Shunsuke Karasawa)

慶應義塾大学法学部卒業。グロービス経営大学院経営学修士(MBA)修了。

大学卒業後、日本マクドナルド株式会社に入社。28歳にして史上最年少で部長に抜擢される。経営再建中には社長室長やマーケティング部長の立場から、チェンジ・エージェントとして組織内部からの変革を推進。全社のV字回復を果たす。

2017年9月より株式会社メルカリへ。急成長するスタートアップ企業にて、国内事業の成長、新規事業の拡大、海外事業の確立といった成長戦略を社長室の立場から推進。経営陣のサポートをする傍ら、人事制度設計や組織開発を通じた会社の成長促進や、社長直轄の特命案件の推進等を担う。

メルカリの組織開発を推進する男

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ーいま、唐澤さんはどのような役割を担われているのでしょうか

メルカリでは社長室に所属しています。社長室の役割は大きく分けると2つあります。

1つは組織のハブ的な機能です。経営陣の描くビジョンや戦略、重要な意思決定が全社に確実に届くように、同時に、全社の課題が経営陣に適切に届くようにコミュニケーションを支援します。

そして、もう1つは、このダイナミックに成長し続けていくメルカリのビジネスの成長をより加速するための組織開発をしています。メルカリの良さを生かしながら、どこまで組織拡大をしていけるかというチャレンジですね。

組織とは何か

ー組織開発の対象である組織とはどのようなものでしょうか

色々な捉え方はできますが、たとえば、ハードとソフトで分けて考えるとわかりやすいと思います。ハードとは組織構造や制度といった可視化された仕組みのことです。ソフトは、組織風土や文化、価値観といった可視化はされていないものの組織の根幹にあるものです。

このハードとソフトの両方を合わせたものを組織と捉えていて、それをより良い形に変えていくのが組織開発だと考えています。

ー組織開発に携わるようになったきっかけをおしえてください

前職のマクドナルドでの経験が大きな原体験になっていると思います。マクドナルドは全国に3,000店舗、アルバイトを含めると10万人もの人が働いており、そうした環境において、成果を最大化するために組織をどのように作るかは常に考えないとならない重要な命題でした。

社長室長としてマクドナルドの経営改革に取り組む中で、組織構造というハード面だけでなく、組織風土といったソフト面の双方を、適切に連動させて変革してゆくことが求められるということを学びました。

ー組織を考えるにあたり重要な要素はなんですか

戦略に合致していることが重要と考えています。戦略は事業のフェーズによって変わりますが、それによって組織も変わる必要があります。

例えば、数多くのイノベーションを起こしたい時には、小さな組織をたくさん作ってそれぞれに裁量権や予算も委譲した組織設計を行います。逆に、全社的な大きな変化を起こしたい時は階層構造をしっかり作って、トップが力をもって、一気に物事を動かせるような組織の方が向いていると思います。 

今の社会課題である「人口減」の時代に求められる組織

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ー最近、日本において組織づくりが注目を与えている要因についてはどうお考えですか

さきほど「組織は戦略に準ずる」といいましたが、戦略は社会の変化に合わせて変わるものなので、社会が変化している今は組織も変化を求められることになります。

たとえば、ちょうど今、日本は「人口減少」という大きな問題に直面しています。マーケットが小さくなり、労働力も減ってきています。そのため、その社会変化に対応できるような組織が求められています。

ー人口減少が起こる社会では、どのような組織が求められるのでしょうか

このような社会では、前年と同じことしてもマイナス成長になり、過去の延長では生き延びれません。そのため、変化をし続けることが求められます。だからこそ、今、日本でティール組織(後述)やダイバーシティのような変化を起こす組織が注目を浴びているのかもしれません。

なお、ダイバーシティに関して、誤解された理解がしばしば見受けられます。

ダイバーシティは女性活用や外国人登用といった文脈で使われる事が多いですが、それにより「労働力不足を補うために、女性や外国人を活用する」と理解されているように感じます。しかし、ダイバーシティの本質とは「価値観や考え方が違う多様な人が交わって起こる化学反応を促進する」ことだと私は考えています。ゆえにダイバーシティは、組織が変化を求めるからこそ、重要になってくるものだと捉えています。

私自身は、この「人口減少」の問題にとても可能性を感じています。それは、この問題を日本はチャンスに転換できるのではないかと考えるからです。

理由は2つあります。1つは、日本が世界で誰も向き合ったことのない人口減に最初に向き合えるためです。近年でこの状態に急速に陥っている国は日本しかなく、これは人口減少に世界で一番早く向き合えるとも言えます。そのため、解決策を見つければ、この後、日本人は世界というフィールドで新しい働き方や組織のあり方をリードできる可能性が高いです。

もう1つは、人口減少の社会で求められるダイバーシティの考え方が日本人に合っていると思えるからです。

日本人は人の話をよく聞くじゃないですか。いろいろな人を巻き込んで一つのチームを作ってリーダーを担うと、良い成果が出せる人たちだと思います。海外の方がいうダイバーシティは、「様々なスキルを持っている人で組織を構成する」という意味合いが強いのが現状です。

対して、日本人はスキルを活用するだけでなく、多様な価値観や考え、意見を認めることに長けていると思います。そういう観点で日本流のリーダーシップは、ダイバーシティの価値を最大化するファシリテーション型のリーダーシップスタイルとして世界をリードしていけると考えています。

このダイバーシティを活用できれば、人口減の社会にも日本は立ち向かえると考えています。

ティール組織がなぜ注目を浴びるのか

ー変化の時代はトップダウン型のマネジメントスタイルが求められると言われることもありますが、ダイバーシティが重要なんですね 

組織を大きく変化させる時には、トップの権限を強くして社内を動かす方が効果的ですから、トップダウンが求められるのでしょう。でもこれは1度の大きな転換でしかないので、変化し続けることを求められる現代には向いていないと思っています。そのため、トップに頼らずに自ら変化を起こし続けられる組織のほうが今後は求められると考えています。

そして、変化を起こし続けられる組織として、トップに依存しないティール組織が着目されているのだと思います。 

フレデリック・ラルー氏が提唱するティール組織を、私なりにあえて平易に説明すると、以下の3つに集約されると考えています。 

1:目的だけ定めよう

2:自分で考えて働けるようにしよう

3:個人の力を最大化しよう

このような特徴によって、ティール組織では、メンバー一人ひとりが自発的に物事を考え、積極的に行動をすることにより、変化を起こしやすくなります。

ティール組織と対象的な組織といえるのが、達成型組織(マイクロマネジメント型組織)で、このタイプの組織が現在は多いと言われています。これは、ルールと目標を明確に定め、ルールの中で目標達成を目指すことで結果を生み出すというものです。これはある意味、「人は管理しないと悪いことをする」という、いわば性悪説の立場に立っていると言えます。

対して、ティール組織は、「目的だけ定めて、あとは自由に本人がやりたいことをしてもらえば、最大限に成果を出してくれるものだよね」とメンバーの自主性を信じる考え方であり、これは性善説と言えます。メルカリは、「性善説で組織カルチャーを作る」と決めているので、メルカリの風土には合致した考え方だと思っています。

ただ、これはどちらか一方を選ぶという単純な二択というものではないので、多くの組織は、達成型組織とティール組織の間にあると思っています。そのうち、メルカリは比較的ティール組織寄りといえそうです。

ーティール組織に変われる会社とそうでない会社がありそうです

そもそも、各社の戦略によって求められる組織は異なります。そのため、あらゆる会社にティール組織が合っているということではありません。

また、ティール組織ではメンバーが「自発的に仕事ができる」ことを前提にしているので、そのようなメンバーで構成された組織でない場合は、まずメンバーにそうなってもらうようにトレーニングする必要があるでしょう。そういう点でも、ティール組織は、どのような組織にでもすぐに当てはめられるわけではありません。

  

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メルカリの組織とティール組織の相違

ー先程も少しお話にでましたが、メルカリの目指す姿とティール組織の重なる部分に関しておしえてください

先程ティール組織には3つの特徴があると言いました。

1:目的だけ定めよう

2:自分で考えて働けるようにしよう

3:個人の力を最大化しよう

これをメルカリに当てはめると、メルカリではミッションとバリューがあり、ミッションのために全員が行動していますので、1つ目の特徴に合っています。

また、組織を性善説で設計しており、「メルカリのメンバーで悪いことをする人はいない。みな自分で物事の良し悪しを考えて働くことができる人だ」と考え、権限委譲を積極的に行っています。これが2つ目の特徴に合致します。そして3点目として、メルカリは、チームビルディングの促進やmerci box(メルシーボックス)など、個人の活躍を最大化できる仕組みを積極的に導入しています。このような点で、メルカリの組織はティール組織に重なるところが多いと考えています。

※merci box(メルシーボックス)とは

メルカリのメンバーが「Go Boldにおもいっきり働ける環境」を充実させるための人事制度。妊活支援や病児保育費支援、介護休業支援などがある

一方で、メルカリは、OKRによって四半期ごとに短期間の目標を追いかける仕組みを用いており、それがメンバーのモチベーションになっている側面もあります。その点において、達成型の組織の良い点も取り入れており、達成型組織とティール型組織の両方のいいところを内包できていると思います。もちろん、まだまだ課題はたくさんあり、もっともっと成長してゆかなければならないとも思っていますが。

※OKRとは

「Objective and Key Result(目標と主な成果)」の略。メンバーへの期待される目的と結果を明確にする業績管理手法 

ーOKRを追いすぎると、長期的な目標と両立しにくいという懸念があります。メルカリはその課題とどう向き合っていますか

確かに、短期を重視すると長期の目標の向き合い方が弱くなることはあり、これはメルカリでも難しいと認識している点ではあります。ただ、だからこそ、ティール型組織の側面が重要になってくると考えています。「ここの部門は短期を追いかけているけれど、ここの部門は長期を考えている」という風に全体でバランスを取れた組織にすることで、全社としては短期も長期も追えるようにしています。たとえばR4Dは長期的観点での組織ですね。

※R4Dとは

メルカリによる研究開発組織であるmercari R4Dのこと。シャープや東京大学など6つの機関とIoTやブロックチェーンなどをテーマに共同研究を進めている 

メルカリの組織の特徴である「ファジー」と「善い人」

ー他にメルカリの組織の特徴はありますか

組織構造をあえてファジーにしているのが特徴であり、良さだと思っています。

戦略や目標も3ヶ月ごとに変わるので、それに応じて組織も変えることができるようにしています。同時に、そのような組織変更をスピーディに行えるような人事制度をとっています。具体的には、3ヶ月ごとに成果を評価できるように人事評価のサイクルを回しています。そうしておけば、3ヶ月毎に組織が変わっても対応できます。

また、OKRの達成だけでなく、バリューに沿った行動も重視して評価しており、「メルカリらしい行動している人はちゃんと評価しますよ」という評価制度をとっています。こうすると短期的に組織が変わっても、組織文化は変わらないので、変化に伴う摩擦を減らすことができます。

もちろん、3ヶ月ごとに体制を変えたり、評価サイクルを回すことの現場の負担もありますし、良いことばかりではないのですが、今のメルカリには合致してるかなと思います。

いずれにしても、人事制度や組織構造といったハードの面と、組織風土や文化といったソフトが連動しているところだとメルカリの強みだとは感じています。

ー副業推奨も特徴の1つです。この制度の意図はどのようなものでしょうか

メルカリは、かなり初期の頃から副業は推奨していました。そのため、昨今の働き方改革などとは別の思想のもとに推進しています。

まず、そもそも副業をすることは組織にとって良い影響があると考えています。具体的には、自分自身の専門性を高めることやキャリアについて考えるきっかけになるという点で良い効果があると捉えています。

たとえば、外部のセミナーでの登壇や書籍の執筆など、積極的に外へ出てインプットしたり発信したりすることが、自身の専門性をさらに磨いていくことになります。また、それがその人自身のマーケットでの価値向上、仕事のモチベーションにつながります。そして、そのような取り組みはメルカリの仕事にも還元されると期待しています。

一般的に言われる副業に対する懸念としては、「副業ばっかりして本業がおろそかになったらどうするのですか?」というよくある質問に集約されるでしょう。この質問に対してメルカリは「それはない」と考えています。

なぜなら、メルカリは性善説を前提に組織を設計しているからです。一人ひとりの社員を信頼し、本業をおろそかにする人はいないだろうと信じています。

そのように組織運営をしていて、今のところ副業の弊害を感じたことはありません。これも採用で性善説を成り立たせるための「善い人」だけを採用するように力をいれているからかもしれません。

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ー採用段階で「善い人」とは分かるのでしょうか

複数の者で面接をしたり、インターン生の採用でも役職者が面接したりと「善い人」をフィルタリングする仕組みはいくつかあります。また「善い人」は善い人を呼んでくれることも多いので、リファラル採用(社員による紹介)を重視しています。

加えて、実績がある人でも違和感を感じたら無理に採用しないという方針も、善い人の採用には寄与しているでしょうね。

ーさきほどダイバーシティの話がありましたが、多様な価値観を重視するというのは、実際に行うのは難しいのではないでしょうか。たとえば、上司にとってメンバーはできれば同じ価値観の方が働きやすいはずです

トップの力量次第だと思います。自分の器が大きい人だと多様な価値観を受け入れることができます。

もし自分の価値観にあった人だけを採用していたら、その人の器以上には組織は広がらないので、その人の考え方が社会や会社の規模と合わなくなった時に、その組織は死んでしまいます。たとえば、順調だった会社が規模拡大する中で成長が鈍化しているようなケースはそういうことが起きているのだと考えられます。

それをわかっている人は、自分より優秀な人を採用したいと考えています。そういう経営者だとメンバーに対して「言うこと聞かせる」というよりも「自分もわからないから好きにやって」と相手を信じることができるので、価値観の違いが気にならないのだと思います。

メルカリも、経営陣は個性がバラバラです。しかも、全員、異論があればはっきり意見を言い合う経営陣である上に、進太郎さん(山田進太郎CEO)は違う意見があれば積極的に聞きます。たとえば、会議の途中で「◯◯さんはこれに関して反対意見があるでしょ。言いなよ」といって、論点を浮き彫りにし、意見の違いも明確にした上で、全員で最適な結論を導き出します。だから、議論に深みがでます。その分、経営会議は長いですが(笑)。 

分散型の波から考える組織の未来

ーこれからの組織はどうなると思いますか

先程の話にあったティール組織は重要な考えになってくると思います。変化をし続けないといけない社会においては、このような変化を起こす組織が求められます。

それと同じような考え方をしているのが、ブロックチェーンの考え方です。ブロックチェーンは、ものごとの管理主体を中央集権型から分散型に変えると言われています。ティール組織も個人に仕事の進め方を委ねるという点では非常に近いものがあると思います。

この分散化の考え方は、インターネットと同等のインパクトを社会に起こすかもしれないといわれていますよね。たとえば、インターネットができたとき、私たちは働き方の自由度が変わりました。電話と紙を使っていた業務から逃れ、家でもメールをできるようになり、チャットでも承認を取れるようになりました。その結果、事業を回すスピードも早くなりました。

IT企業は意思決定が早いと言われていますが、その理由の一つに、このようなITを活用することを前提にした組織づくりができたからという点があると思ってます。対して、ネット出現以前から存在していた会社は、伝統と風習があるので形式上のハンコと紙の文化を続けている会社が多いんですよね。しかし、IT企業はそうした前例をもっていない新しい会社が多いので、時代にあったITを軸にした組織構築を行うことができているんだと思います。

今後、ブロックチェーンが広まると、分散型という意識が生まれ、その意識が組織でも活用されるようになってくるのだと思います。ブロックチェーンを発端に、人々が「中央集権はいらないよね」と気づいた時に、その考えは組織にも波及してくるでしょう。人々が「中央はいらないのでは(=社長はいらないのでは)」と考え出しても不思議ではありません。

こう考えると、ブロックチェーンが広まった後は、分散化を前提として組織を考えるようになるのではないかと思います。その時の組織は今の組織と異なるものでしょう。たとえば、「ミッションだけは合わせるがどうそれを成し遂げるかの手法は任せる」といったような今とは異なる組織が生まれてくるかもしれません。

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ー労働人口が減ると、経済が停滞し、労働の対価も減る恐れがあります。いわば「給与が下がっていく」という社会です。そのような社会になった時の働き方はどのように変わるでしょうか

私は、労働人口が減っても、生産性は下がらないと考えています。それはAIなどのテクノロジーによって生産性を上げられると考えているからです。

極論を言えば、働かなくてもお金が入ってくる社会が実現できるかもしれません。AIによる生産を再配分すれば良いので、ベーシックインカムのようなことができる可能性があります。 

ただ、その社会においては、今とはまた違った二極化が起こる可能性があると思っています。AIを「使う人」と、AIに「使われる人」です。 この「AIに使われる」という変化はすでに起きていています。たとえば、回転寿司で、職人さんがお寿司を握っているとします。ただ、その指示は、AIが予測して「この時間はマグロ3貫とイカを2貫握って」と、職人さんにオーダーを出しているかもしれません。それは、AIの指示の下で仕事をしているとも言えるでしょう。

この「AIに使う人」と「AIに使われる人」を分けるのは、「善い人」か「悪い人」の違いにも似てくるのではないかという仮説を私は持っています。「善い人」「悪い人」という言葉の表現が正しいかという議論はありますが、一般的に「善い人」は自主的にミッションに沿って自分で物事を考えてくれるので、仕事を任せられます。「悪い人」は、何をするかわからないので、任せられない。その結果、ルールに縛る必要があり、AIの下で働いてもらうことになります。

そう考えると、これからは「善い人」が活躍する社会になるかもしれませんね。善い人は善いことをしたスコアをブロックチェーンで蓄積できますし(笑)。

ー働かなくても良い、という世界になると、また求められる組織や働き方は変わりそうです

生産性が劇的に上がって労働する必要がなくなると、お金の価値が下がります。誰もが生活するに必要な最低限のお金を持つようになると、生きる上でお金を稼ぐことの重要度が下がるからです。

そうすると、今まで働いていた時間を減らすことができます。その時に、「人は空いた時間を何に使うのか?」という問いは興味深い命題になってくるかなと考えています。

会社としても、これまでは「目標達成したら給与もっともらえるよ」という動機づけでビジネスを推進していました。しかし、今後お金の価値が下がってくると、お金で人をモチベートできなくなっていくかもしれません。そうするとお金で人を採用することもできなくなります。

その時に人が求めるものは、目的ややりがいかもしれません。そうすると、組織に求められることは、皆が共感する目的を掲げることや、個人の活躍が最大化されるような環境を提供するといったことになってくるでしょう。

実際、今すでに若い人たちは「お金!」というような価値観は減っている印象があります。上の世代がお金のために働きながらも経済的に苦しんでいる姿をみて、そのような生き方を避けようとしているのかもしれません。また、生まれてからモノに困っていないので、欲がないというのもあるでしょう。そのような時代では、なおさらティール型だったり、分散化された組織が求められていくかもしれません。

お知らせ

今後、今回の記事でも扱った「ブロックチェーン/分散化」に関するイベントを開催予定です。 ご興味を持っておられる方は是非、以下に連絡先をご記載いただければと思います。イベントの詳細が決まった折にいたします。

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