仮想通貨取引所「Coincheck」を運営するコインチェックは3月8日、同日の金融庁からの業務改善命令を受けて会見を開き、1月26日に約580億円相当(当時レート)の流出が判明した仮想通貨「NEM」について、「来週中をめどに補償を実施する」と発表した。「深く反省するとともに、内部や経営の管理態勢などを抜本的に見直し、顧客保護を徹底した経営戦略の見直しを進めていく」(大塚雄介取締役)という。
同社の和田晃一良社長は、NEMの補償について「詳細は来週に発表する。来週中にコインチェックの顧客アカウントに日本円で残額を反映することを予定している」と述べた。
サービス再開についても、「来週から順次再開していく。これまで提供していたサービスを全て再開できるように努力していく」(大塚氏)という。「Monero」や「Zcash」「DASH」といった匿名性の高い仮想通貨を取り扱っていることについて、「マネーロンダリングのリスクがあるのでは」という質問が挙がった。これに対し、「全ての仮想通貨のリスクを洗い出して判断する」(大塚氏)とし、現状では取り扱いを続ける姿勢を見せた。
資金決済法に基づく仮想通貨交換業者への登録についても「登録できるよう、引き続き努力していく」(大塚氏)という。
金融庁は8日、仮想通貨交換事業者7社に対して「顧客の資金管理やセキュリティ体制などが不十分」として行政処分を発表している。コインチェックに対しては「扱う仮想通貨が内包するリスクを適切に評価しておらず、マネー・ローンダリング・テロ資金供与リスクなどに応じた適切な内部管理態勢を整備していなかった」などと指摘。「経営陣の顧客保護の認識が不十分なまま、業容拡大を優先させた」などとし、経営戦略の見直しや顧客保護の徹底、取り扱う仮想通貨についてのリスクの洗い出し、サービス再開に先立つ体制の見直しなどを求めている。
コインチェックは1月26日に、約5億2300万XEM(NEMの単位)のNEMを流出したと発表。29日に金融庁から資金決済法に基づく業務改善命令を受けていた。
【3月8日午後7時 追記終了】
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