知らないとヤバイ!年金の「基本中の基本」

若い人ほど「年金の重要性」をわかっていない

若い人ほど、年金の仕組みを知らない人が多い。知らないと、まさかのときに損をすることになる(kikuo/PIXTA)

桜が待たれる季節になりました。2月決算の会社などでは一足早く3月から新しい年度を迎えている人も多いと思います。転職を考えている人も少なくないでしょう。春は人生を考える季節です。今回は多くのサラリーマンにとって大事な「公的年金の基礎の基礎」の話をしたいと思います。

年金というと、「少子高齢化で世代間格差が広がっている」とか、「負担が重い若い人にとっては、払うだけ損だ」といった、ネガティブな反応がどうしても多くなります。しかし、私が企業向けのセミナーや講演などで「年金には、老齢年金のほか、障害年金、遺族年金の役割があるのですよ」という話を丁寧にお伝えすると、表情がガラリと変わる人も多いのです。もし「実は年金の仕組みをイマイチ知らない」なら、難しい表もありませんので、ぜひ読み進めていただければと思います。

国民年金は20歳以上が全員加入、1986年から「新制度」

日本に住むすべての20歳以上60歳未満の人は国民年金に加入します。国籍には関係ありません。すべての人が加入するので「基礎年金」と呼ばれています。この基礎年金制度の始まりは1986(昭和61)年4月です。私は1966(昭和41)年生まれですが、ちょうど、1966年生まれの人から「20歳から、みんなが年金加入」となったのです。

では「年金ってなんか複雑だよね」という漠然としたイメージはどこからくるのでしょうか。1986年に20歳になった人からは「新しい年金制度」になったわけですが、それより前の人は「古い年金制度」に加入していました。そのため、調整が入り、「いまひとつわかりにくい制度」になっているのです。今回は「新しい年金制度」についてお話をしますので、1986年時点ですでに成人していた方は、「自分にはちょっとした調整がある」と思って読み進めていただければと思います。

さて20歳以上なら皆が納めるべき国民年金ですが、いったいいくらでしょうか。2018(平成30)年度の国民年金保険料は月額で1万6340円と発表されました。この保険料は、法律に沿ったスケジュールで決まった保険料が、物価や賃金の変動などで調整され、正式に決定されます。この保険料を、60歳まで40年間払い続ければ、65歳から「満額」の「老齢基礎年金」がもらえます。こちらも毎年経済状況等によって調整されますが、2018年度の場合、満額は77万9300円となっています。

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  • NO NAME041f4f31ec46
    企業負担分を無視して損益分岐点を考えてもねえ・・・

    85歳が損益分岐点じゃないんですか?
    up0
    down0
    2018/3/9 08:15
  • NO NAME6727b98ed7d2
    早晩、今の年金制度は崩壊します。というより、日本国家がデフォルトします。
    これは、おそらくそんなに遠くない未来でしょう。
    up1
    down2
    2018/3/9 08:05
  • NO NAME6251757ffa44
    年2%にも満たないが、インフレターゲットを考慮していない年金制度になど過度な期待はしていませんよ
    up1
    down5
    2018/3/9 06:47
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