眼鏡枠製造販売の福井めがね工業(本社福井県鯖江市北野町2丁目、田畑周徳社長)が、イタリアの大手眼鏡枠製造販売のルックスオティカグループの傘下に入ったことが7日、分かった。同グループは同日までに、福井めがね工業の株式67%を取得した。高い技術を持つ福井めがね工業を傘下に収めることで、チタンフレームなどの生産に参入する狙い。県内の眼鏡関連企業が海外企業に買収されるのは極めて珍しい。
福井めがね工業は1966年創業。チタンや18金の高級眼鏡フレーム、サングラスの製造販売を手掛けている。2017年7月期の売上高は約20億円。ルックスオティカグループは世界最大規模の眼鏡枠メーカーで、ジョルジオアルマーニやシャネル、プラダなど高級ブランド向けのフレームを製造している。
両社は数年前から取引があり、福井めがね工業はルックスオティカグループからのOEM(相手先ブランドによる生産)を受注していた。同グループは、チタンフレーム生産に乗り出そうと同社の株式取得を決めたとみられる。
福井めがね工業の小川裕之常務は「われわれにとっては資本力の増強につながり、双方にメリットがある」と説明。今後はOEMの拡大を目指すほか、独自ブランドの生産はこれまで通り続けていくとしている。田畑氏が引き続き社長を務める。
ルックスオティカグループは「買収は日本での生産参入の第一歩。鯖江の生産拠点の再構築へ投資を続けていく」とコメント。小川常務は「生産能力向上に向け、設備増強を進める方針。(同グループの傘下に入って)事業を拡大していくことは、県内眼鏡産業の発展にもつながると考えている」と話している。
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