関連:6666AAPがMMD杯から離れた理由
パブリックな場ではあんまり話題にしたくなくて触れてなかったけど、6666AAPの話に触発されたので、MMD杯の諸問題についていろいろと。
特に、運営の腐敗を声高に叫ぶタイプのまとめサイトやら動画をそんなもんだと鵜呑みにしてしまっている人に。
・MMD杯で問題とされていること、とは
話はだいぶさかのぼりますが、MMD杯はMMD以外で動画を作っている作者からすると目の上のたんこぶみたいなものだった、というのがまずあります。
最盛期には、杯開催直後はニコニコ動画のデイリー総合ランキングTOP100の半分近くが杯動画およびExなどの杯関連動画で埋まったりなんてことが実際にあったし、杯投稿の締め切り近くにはSMILEVIDEOの投稿サーバが激重になるなんてこともありました。ニコ童祭など他の有力イベントと比較してもここまでの影響があったユーザーイベントはおそらく存在しません。
これだけ目立てば、妬みという名のヘイトを買います。
そして、妬んでいる一部の連中が暴走してヘイトを撒き散らし、便乗してマイリスト工作やら、脅迫、個人情報のさらし行為といった、ガチの犯罪行為をしでかす連中までが出てきた、というのがおおまかな経緯です。
それらの嫌がらせ行為が参加者にまで波及して、MMD動画作者のモチベーションを削る事態になった、というのが主な問題になります。
・MMD杯運営の問題とは
結論から言ってしまうと、ヘイトぶつけてる人たちが言うところの運営腐敗はだいたい事実無根です。
運営腐敗を声高に叫ぶ感じのアジ動画やらまとめサイトしか情報源がない人には、運営がさも権力を持っているかのように見えているかもしれないですが、実際には彼らには権力と呼べるようなものはありません。
MMD杯と言うのは基本、お金の動かないイベントです。スポンサーは付いていないので賞金は出ないし、参加費用なども集めません。つまり、腐敗しようにも腐敗の原因となるようなエサが存在しない、ということです。
ここを理解しないと、MMDを良く知る人からは「まとめサイトしか見てない外野のたわごと」としか認識されませんので、スルーされ続けます。
多少ヘイトぶつけられようと「いやがらせ動画? レギュレーション守って杯に参加するんなら別にいいんじゃね。無駄ないやがらせだと思うけどw」みたいな態度であおった側面はあったようですが、デイリー総合ランキングを占拠するほどの人気への嫉妬が根本原因ですので、おそらく殊勝に反応したところでやはり嫌がらせは受けたでしょう。
じゃあ、最善をつくしていたかといわれると、異論があるのは事実です。
6666AAPの苦言でも指摘されていますが、テーマ設定などで投稿者のモチベーションを落とさないようにする工夫の余地はあったのではないか、というのはあるかと思います。
・工作について
MMD杯においての工作とは、基本的にマイリストに関する工作になります。
なぜMMD杯をはじめとしたランキング形式の企画がマイリストを最重要視するのかというと、マイリスト数が一番工作しにくい指標だからです。ただ、工作しにくいというだけで、システムの脆弱性を付く、クラッキングツールを利用するなどのあかん行為に手を染めれば可能、ということです。
工作されたかどうかを外部から知る方法は基本的にはありません。ニコニコ動画のシステム管理者レベルの権限がない限り、工作を正確に判別することはできません。デイリーでマイリスト数の増減をチェックしているとあからさまに工作したと思われる動きが見える、という状況証拠だけからの判断になります。
人づてに聞いた話ですが、MMD杯参加作品に対して工作が入るようになったのは第7回(2011年8月開催)で、当初はランキング上位にいた一部の動画に対してマイリスト数を減らすような工作が行われていた形跡があったらしいです。
その後、東方アイマスなどのジャンル争いに工作で便乗されたと思しき事例が出てきて、工作の存在がわりと知れ渡るようになります。わざわざ投票締切日にマイリスト数がぴったりきり番になるよう調整するといった誇示行為が行われていますので、実際には愉快犯によるいたずらの側面が強かったのではないかと思います。
やがてそれがエスカレートして行き、グロ動画を投稿して工作でマイリスト数を上乗せするといった、投稿から計画的にマイリスト工作を見込んだ荒らし行為が行われるようになります。これはMMD杯を対象したものだけではなく、ニコニコ動画で日常的に行われていました。MMD杯はその巻き添えを食った形になります。
・工作の対策について
マイリスト工作は基本的にニコニコ動画のシステム脆弱性を付いたものですので、対策もニコニコ動画の運営(システム管理者)とクラッカーとのいたちごっこになります。
一般ユーザーの集団に過ぎないMMD杯の運営側に出来ることはありません。
一応年々対策は進んでいて、いつまでも同じ手段で工作は出来ないようになっているらしいのですが、そういう話が表立って出てくることはないのでただのユーザーに知るすべはありません。
また、脆弱性をつかない、複垢人海戦術といったやり方もあるようなので、ある程度の介入は防げないのが現状ではないかと思われます。
今杯に関しては、そこまで悪意ある工作は目だっていないので、ニコニコ動画運営側の対応がある程度の成果を上げているのかも知れません。
・MMD杯運営メンバーを挿げ替えることはできないのか
もともと、MMD杯運営のメンバーは流動的で期ごとに新たにメンバーを募っていました。
それをやめたのは「募集時に運営メンバーに名乗りを上げて入り込み、他のメンバーの個人情報を某掲示板にさらすといった犯罪行為が行われたから」です。
悪意ある攻撃の被害を受けてしまったため、防衛策としてメンバーの交代は現運営と親しい人、交流があって悪意なしと証明できる人に限らざるを得なくなったのが実情です。
このため、仮に、メンバーを解散しても、次に寄ってくる人間には、これまでMMD杯を妨害しようとしていた人たちがかなりの確率で混ざりこみますので、むしろ状況は悪化するでしょう。