私は普段、よく料理をしている。
自分で言うのもなんだが、
これでも料理の腕は結構なものだ。
この前も友人に手料理を作ったら、
「わぁ!まるで何かの餌みたい!」
と大好評だった。
今日はそんな料理のプロである私が、
初心者の犯しがちなミスの
対処法をお教えしよう。
さて、料理を始めた人が
一番はまりやすいのが、
やはり砂糖と塩を間違えるというものだ。
これは定番中の定番であり、
その道は魔界へと通じている。
このミスの恐ろしいところは、
外見はまるで変わらないのに、
中身が破滅的ということだ。
食べてみて初めて、
自分がもう後戻りできないところまで
来てしまったことに気づく。
正直、ここまで来たら
もうどうしようもない。
一度できてしまった料理を救うすべはない。
だが、途中で過ちに気づいたとしたら?
それならまだ蘇生のチャンスはある。
私の理論によれば、
砂糖と塩はお互いの効果を打ち消し合う。
(料理の第一法則)
ということは、もし間違えて
塩を入れてしまったなら、
同量の砂糖を投下すれば良い。
そうすれば砂糖と塩は対消滅を起こし、
虚空へと消え失せる。
つまり、砂糖も塩も入れる前の、
ゼロの状態に戻るということだ。
あとは正しい調味料を入れれば良い。
だが、また砂糖と塩を
間違えてしまったら?
安心して欲しい。
もし間違えても同じことを
繰り返せば良い。
そうすれば料理は、不死鳥のように
何度だって蘇る。
あとは相手に料理を食べさせるだけだ。
そうすれば不死鳥は猛然と襲いかかる。
相手は死ぬ。
おわり。