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第5回 山崎愛さん

April 24

最初はすっごいつま先立ちですよ、背伸びもいいところ。

──山崎さんのブログのURLはお名前を中国語読みにしたものだと聞いてとてもびっくりしました。中国語を勉強されていたんですか?

大学の専攻は中国文学だったので、そこで中国語を勉強しました。中国の古代史などに興味がある人が多かったのですが、私はあまりハマらず、結局、近現代史に興味がありました。ただ、昔から外国語には興味があったので、夏休みを利用してアメリカやイギリスに遊学したりしていたのですが、やっぱり中国文学を学んでいるのだから中国にも一度はいってみないと、と思い、北京大学に短期留学したこともありました。留学といってもやはり “遊学” の域はでませんけど。中国にいって天安門広場を見た時はちょっと感動しましたね。「ほ~これが天安門かぁ」と。中国は本当にパワーをもらいますね。でも、ホスピタリティなんて言葉はまだない時代で、小姐(シャオジエ、レストランなどで料理を運ぶ女性)に「すいませ~ん」って声をかけると「あ~?」って喧嘩風(?)に返事が返ってきて、「あ~ごめんなさい…ちょっとお水がほしかっただけなんです。」となってました。

──大学在学中に英語、中国語といろんなことを勉強されていたんですね。

そうですね。大学時代に雑多に講義を受けなければ、気軽に学べる機会はないだろうと思っていました。でも、いろいろ聞きかじってやっていく中で、様々なものの見方が身についたように思います。例えば日本語の「て」「に」「お」「は」について考える講義があって、そういうものは外国語を勉強するときに文の構造を考え始めるきっかけになりました。そういったいろんな考え方は目の前のものを新しく見ることに繋がって楽しかったですね。それこそ映画論、哲学とかいろいろ受講しましたよ。でも結局大学のころは、好きなものが見つからなかったですね。

──大学を卒業されたあと、就職はどうされたんですか?

ちょうど就職氷河期のころで、そんな時代だったからこそ手に職がつくものがいいなと思っていました。マスコミをはじめ、パソコンに興味があったのでIT系と、ファイナンシャルプランナーの資格が取れそうだという理由で証券会社など受けていました。証券会社では、最終面接まではいくんだけど「君、文系でしょ?」って言われてしまってダメだったこともあります。圧迫面接がわりと流行りだったのもあって、それこそ一言しか話してもらえないなんて普通でした。本当に風当たりが強かったですね。たまたま友人が「あそこの会社よかったよ!」と教えてくれたのが、最初に入社したIT系の会社でした。

──入社してからはどんなことをされていたんですか?

教える仕事が好きだったのでラーニングの部署を希望し、運よく配属してもらえました。そこでは外部の方へのIT教育を担当していて、初めはWindows NT 4.0 のシステム管理などを担当していました。ただし、配属されたはいいものの、コンピューターの知識なんて、大学の講義で少しかじった程度でほとんどゼロなわけですよ。「DOS-V機」って言われても「は?」って感じで…。それでも一か月ぐらいで研修を受けて、その一か月後には客先に教えに行かなくちゃいけない。まぁ大変は大変でしたけど勉強になりました。教えることは勉強になるんですね。昔は小学校の先生にあこがれていたくらい教えることに興味はあったので、必死になって勉強してました。それは今もですけれど。

──山崎さんにもそんな時代があったなんて!

最初はすっごいつま先立ちですよ、背伸びもいいところ。私だって新人なのに新人研修を担当したり。それこそ現場で使える技術を教えなくてはならないので必死でした。そうやって勉強しているうちに一年半ぐらいが経って、もっとちゃんと勉強したいと思ったのをきっかけに、IT教育を専門にやっている会社に転職しました。

──そこではどんなことを目標に勉強されていたのですか?

昔から社会人になったら地に足をつけてやっていきたいと考えていて、それには基礎的な知識が必要だと思っていました。だからOS、プログラミング、データベースと順々に勉強していて、ちょうどその時にSharePoint も勉強し始めました。結局、基礎知識が確立しないまま他人の真似ごとでいくと、ずっと真似ごとのままなので、自分で仕事を組み立てていくことができないんですね。私は自分の仕事は自分の思った形で工夫しながら仕事を進めていきたいと思っていましたし、最終的には自由にやりたいというのがあったと思います。やっぱりそれをやるには自分で立ち上がってやっていって、人に文句を言わせないぞという感じじゃないといけないと思います。

──山崎さんがSharePoint を専門にやっていくようになったのはなぜですか?

いつかは自分の専門性を持たないといけないと思っていたのでSharePoint はちょうどよかったんです。メジャーどころの分野は既にプロフェッショナルな人が確立されちゃっているので二番煎じになってしまうんですね。超えるとか超えないとかじゃなくて、ちゃんと独り立ちするなら自分の専門性がほしい。だからみんながやらないものをやらないといけないと思っていました。私ってちょっとひねくれているんですね。だから、マイナーなもので芽が出そうなものに目をつけていって、それで芽が出たのがSharePoint でした。SharePoint も最初は機能的に使いにくいところがありましたが、2世代、3世代となるうちにどんどん良くなっていきましたね。

──今、山崎さんがされていることはどんなことですか。

SharePointに関して教育とコンサルティングをしています。教育という部分ではみなさんに原理原則を理解してもらってわかるようになってほしいと思っています。考え方としては井戸の掘り方を教えたいんです。だから、小手先のツールの使い方をマスターするのではなくて、こういう仕組みだからこういう結果になる、という発見をしてもらって、そうやって物事を体系立てて考えることで現場で発生するイレギュラーな問題にも対応できるようになってほしいんです。

──山崎さんが原理原則にこだわる理由は何ですか?

原理原則を理解すると物事って前向きにとらえられるんですよ。○○製品だからダメなんだよねっていうのは好きではないんです。物事は構造的に見ないと”芯” にあるところが見えてこない。たとえば、ユーザー視点だけにとらわれず、運用管理者の視点、業界としてのビジネス的戦略などを踏まえて、多角的にとらえていくと、ある機能はこういう風に使ったり、こう補うのがよいだろうと考えれば思考が止まらないんですね。そういう一連の流れを踏まえて、私は説明しています。つながりがわかれば楽しいじゃないですか?やっぱり現場で圧倒的に足りないのは教育だと思います。SharePointに関してというより、IT全般に対しての知識が結構足りてないところがあると思います。以前に比べても、どの組織も体系立ててIT技術を学ぶことへの投資自体の絶対量が減っていて、そこをなんとなく、うやむやにしてきちゃっているのが今の、IT業界ですね。

──山崎さんはとても現場目線ですね。だからブログは技術者向けに書かれたものが多いのですか。

そうですね。私のブログは基本的にトラブルシューティング情報が多いです。だってそんなところでつまずいていたって、生産性は上がらないですから、それは広く共有したいと思っています。それ以外の現場で困っていることに関しては、ITコンサルタントとしてアドバイスをしています。私のコンサルティングは、何もかもお膳立てしてあげようというものではなく、その人たちが自分たちでできるようになっていくようなお手伝いを心掛けています。今のIT業界は “おもてなし” をしすぎていると思いますね。ユーザー視点はもちろん大事なんですが、ユーザーはITのプロではないですから、必ずしも正解とは限らないので。たとえば、既存システムからの移行案件ではIBM社のNotes に似せた機能を SharePointに無理に盛り込もうとすることも多いのですが、土台が Notes ではないので、そろそろ、その呪縛をなんとか取り払わないとと思ったりします。車を電車風にするとか、電車を船風にするとか、土台が違うのに、いつまでもそういう発想でいては、製品の特性を生かしきれないと思います。そこをなんとか変えたいという思いもあり、少なくとも導入支援している方々には、きちんとした知識と共に適切な判断ができるよう情報提供し、「教育を現場に還元し、現場から教育に還す」というエコシステムを作ることを目標に今までやってきています。今のところ手軽な情報共有ツールとしてSharePointは秀でているなって思うところが沢山ありますよ。だからうまくSharePoint を使って、業務効率を上げるなど、何かハッピーになってくれたらいいですね。業務課題は多種多様なので、なかなか難しいんですけど、ハッピーが一番ですね。

──編集後記

かわいい娘の巴菜(はな)ちゃんの笑顔に迎えられて、「巴菜は早起きなんだけど私は朝苦手なのよ~」という山崎さんの極秘情報を早々にゲット!「小さい頃から見よう見まねでものを作るのが割と好きなんですよね」と教えてもらったので「どんなことをしていたのですか?」と聞いたら、ザクのプラモデルや折り紙でエリマキトカゲを折ったりという返答。けっこう渋いです。今回の対談も書道の話、中国の話、趣味の話で大盛り上がり。山崎愛さん、ご主人、巴菜ちゃん、ハヤト君(柴犬)、本当にありがとうございました。

山崎 愛 オフィスアイ株式会社

前々職ではIT教育業会大手のグローバルナレッジネットワーク株式会社にて、Active Directory を中心とするシステム管理者向けの教育や .NET Framework によるシステム開発者向けの技術教育カリキュラムの企画、開発、実施等を担当。2006年に株式会社クリエ・イルミネート社へ移籍し、SharePoint製品に関する教育ビジネスの立ち上げを行う。

2008年に同社を退職後、2008年4月24日オフィスアイ株式会社を設立し独立。現在は、SharePoint に関して技術的なコンサルティングやエンジニア向け研修などを実施している。2004年に Microsoft Corporation より SharePoint の分野にて日本初の Microsoft MVP(Most Valuable Professional)として表彰され、以後現在まで連続受賞。主な書籍に、「ひと目でわかる Microsoft SharePoint Server 2013」、「ひと目でわかる Micorosft SharePoint Server 2010」、「ひと目でわかる Microsoft Office SharePoint Server 2007」(日経BP社、いずれも共著)がある。
オフィスアイ株式会社:http://www.office-i-corp.jp/

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ソノリテの雰囲気ITマーケッター。食べることが世界で一番の幸せ。合言葉は「美味しいものは世界を救う!」
SharePoint への情熱(?)をうちに秘め、身の程も知らずに業界の著名な方々を直撃インタビュー。
将来の夢は地球を呑むこと。

雰囲気ITマーケッターそらいけ!るび・るび・るびー
http://ruby-sonorite.hatenablog.com/about
美人マーケター図鑑
http://nipponmkt.net/2014/11/04/bijin-21fv/

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