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日本人旅行客は「ケチ」とフランス人が感じる理由

ライター情報:加藤亨延

じつはフランス人も十分にケチ


日本のケチさを責めるフランス人も、じつは他国と比較するとケチな国民だ。

イギリスの旅行保険会社が、ヨーロッパの主要観光地のレストランおよびバーに対し調べた結果によれば、もっともチップを払わない国民として挙げられたのが、フランス人観光客だった。次いで払わないのがイギリス人、イタリア人という順だった。

フランス人がどれだけケチかというと、チップとして渡す額の全体平均は総額の11%だったが、イギリス人は7%、フランス人においては5%分しかチップを置かないという。一方で、もっとも気前がいい国民として挙げられたのが、アメリカとアルゼンチン。両国民の場合は、平均して総額の13%をチップとして置いていく。続いてドイツ人、ロシア人も気前がいい。

またコンサルティング会社KPMGがホテル・外食産業従事者、約6000人を対象に調べたアンケートによると、フランスでは10人中4人しかホテルにチップを置いていかないという。これらの結果からも、フランスでは、つねにチップを十分に置いているわけではない。

チップの習慣があるのに、なぜフランス人はチップを置かないのだろうか。「フランスは店員のサービス態度が悪く、チップを置きたいと思わない」「サービス料はすでに金額に含まれているから」というよくある理由の他に、仏フィガロ紙は、生活環境調査観察研究所(CREDOC)研究者のコメントを用いて、こう説明している。

フランス人は、そもそも外食で掲げられている価格が、高すぎると感じている。そしてフランス人にとってチップは、アメリカのようにつねに渡すべきものではなく、特別なことに対して払うもの、という位置づけにある。

加えてフランスの場合、社会保障が手厚いため、チップを含めなくてもサービス係が生活に必要な収入は確保されている。またフランスはカード払いがとても普及している社会であり、そのためカード決済した後(チップのために請求時に金額を上乗せしてカードを切ることもできるが)そこからチップのために、いくらかのコインなどを置くことは、手間になってしまう。

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ライター情報: 加藤亨延

ジャーナリスト。日本メディアに海外事情を寄稿。主な取材テーマは比較文化、および社会、政治。取材等での渡航国数は約60カ国。ロンドンでの生活を経て現在パリ在住。『地球の歩き方』フランス/パリ特派員

URL:http://tokuhain.arukikata.co.jp/paris/

2017年5月19日 08時00分

コメント 61

  • 匿名さん 通報

    めんどくさ…。チップなんかあるから、清掃や接客の人の地位が下がるんじゃないの? 「ほらよ、くれてやるよ」みたいな気持ちにさせてるんじゃ? そもそも日本人を差別しておいてチップはくれなんてずうずうしい。

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  • 匿名さん 通報

    チップ制度は面倒なので廃止してほしい。

    119
  • 匿名さん 通報

    チップ不要のサービスを提供するお店の紹介を充実させてください。悪習としか思えないので、迎合する必要はない。

    98
  • 匿名さん 通報

    単純に文化の問題だろ? 別に今に始まった話じゃなく、高度成長期で日本人が大量に海外旅行行きだした頃から散々言われてる定番ネタ。中国人は富裕層が~ ってのも記事作る為に適当に書いてるだろ。文化同じだし。

    85
  • 匿名さん 通報

    あちらはチップが自分の給料の一部だから、もらって当然・もらわれて当然の意識。

    50
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