新卒も始まり、人事中心として採用に力を入れつつある今日このごろだと思います。
僕は花粉で目がやられています。
先日、立教大学(私の母校ではありません)にお邪魔して就活生をお話する機会がありましたが、当時の僕よりも真面目に自身と向き合い、就活に望んでいる姿をみて心震える時間でした。
そして会社のことをあらゆるツールを使って調べて、
本当にいい会社なのか、自分の軸と照らし合わせながら悩んでいました。
話を聞くことが出来た学生が口をそろえて言っていたことそれは
本当の情報かわからない 学生さんより
HPをみてもいいことしか書いてないし、学生向け求人情報は情報が少なすぎる。
かといって正しくないとは思わない。企業の人事の人はいい人だけど。。。
本当の情報はどれ?と悩む学生ばかりでした。
SNSやネット・本・先輩の声など10~20年前より多くの情報が世の中には溢れています。
確かに社会人となった今でも、これ本当の情報?と疑いたくなることがありませんか?
例えば僕のケースですが、
ある週末、友達4人で横浜でタッカルビを食べに行こうととあるネットでオススメされていたお店があり、みんなで食べに行こうとしていた時【騙された!】【思っていたのと違った!】というようなそのお店の悪いクチコミをみつけてしまい、その日は違うお店にしましたというケースがありました。
いろんな情報があって、何が本当なのかわからないってことが就活中の学生にも
言えるのではないでしょうか。もちろんそれは第二新卒や中途でも同じことが言えると思います。
新卒での入社後のギャップ1位は仕事内容と配属先についてだそうです。ヴォーカーズさんがまとめています。
https://www.vorkers.com/hatarakigai/vol_36
中途でも同じことが起こっています。中途入社した方の8割が思っていた仕事と違ったという経験があるそうです。
8割の転職経験者が入社後にギャップを感じたと回答。こんなはずではなかったと後悔しないためには・・ー「エン転職コンサルタント」ユーザーアンケート集計結果ー|エン・ジャパン株式会社のプレスリリース
多くは企業に何かしらの期待をして入社をしてきます。そこに何かしらのギャップがあり、退職した場合、最低でも1人当たり200万~300万(企業によります)の損害が出ます。
今回は【RJP理論】という、入社後のギャップを減らすやり方を紹介します。
とりいれていれている企業は少ない為、是非ご参考ください。また転職者の方は、
相談して行動をしてみてください。新卒・中途両面で使える情報です。
RJP理論について
RJP」とは、Realistic Job Preview(現実的な仕事情報の事前開示)の略で、企業が採用活動に際し、求職者に仕事や組織の実態について良い面だけでなく悪い面も含めた、ありのままの情報を提供することです。これによる採用はRealistic Recruitment(本音採用)とも呼ばれ、採用時点での企業と求職者とのミスマッチを軽減し、定着率を高める効果が確認されています。
机上論に終わらせない!「RJP理論」の活用事例 ~HR EXPO2016 特別講演から~ | エン・ジャパン(en-japan)
RJP理論の歴史
アメリカではこの問題について、30年以上前から研究が重ねられてきました。「RJP」は産業心理学者のジョン・ワナウスによって提唱された採用理論で、アメリカではすでに一定の効果が実証され、定着しています。
日本はなんで取り入れないの?
大きな理由として終身雇用という日本独自の雇用方法が関係をしています。
採用をすれば、定年まで働くのが基本とされた時代がありました。それは嫌なタイプや考えを持った人とも定年まで一緒に働くということにもなり、人事は自分と好きな人を個人的な感情で採用を行っていた一昔前のやり方や考え方が未だに根付いています。
最近は昔の考えではない科学的なやり方の採用を行う企業も増えてきた実感がありますが、今でも昔の考えを持った人も多いというのが実感としてあります。
もちろん終身雇用制度を否定しているつもりはありません。
それってどんな効果があるの?
①ワクチン効果
職場や仕事に対する過剰な期待を事前に緩和し、入社後の失望・幻滅感を軽減する
②スクリーニング効果
十分な情報を得て、自ら企業との適合性を判断し決定するという自己選択力の強化
③コミットメント効果
悪い情報もありのまま開示することで、オープンな雰囲気や誠実さを感じさせ、企業への愛着や帰属意識を高める。
④役割明確化効果
企業が人材に何を期待しているかを明確に伝えることで、入社後、自分は企業の必要とする業務をしているのだと実感しやすい。仕事への満足度や意欲の維持・向上につながる
どんなやり方があるの?
RJPの導入方法として、5つのガイドラインが示されています。
第一に、RJPの目的を求職者に説明し、誠実な情報提供を行います。
第二に、提供する情報にみあったメディアを使用し、信用できる情報のみを提供します。
第三に、上層部や外部が提供する情報だけではなく、現役の社員もリアルな情報を提供しましょう。
第四に、組織の実態にあわせて開示する良い情報と悪い情報とのバランスを考慮すること。
そして、第五に、これら情報開示を採用活動の早期段階で行うことです。
また、求職者と企業間のリアルな情報交換の場の拡充の方法として、会社訪問や説明会で実際の職務環境を見る機会を提供し、ジョブマッチング会を開催して求職者と社員間で面談や質疑応答しやすい環境を作りましょう。
そして更に一歩進めて、トライアル雇用やインターンシップといった体験的就業を通じて企業側は求職者の適性を判断する機会を、求職者は実際の職務内容を確認する機会を得る場も作りましょう。
このように企業と求職者が「選びあう関係」こそが、RJPを実践するにあたって最も重要とされる理論です。
RJPとはなんなのか|用語集 HRGlossary|人事のプロを支援するポータルサイト|HRプロ
最後に
就職・採用は人生・企業の将来を左右する大きな決断です。
今後採用は今までと同じように行くとは限りません。柔軟な考えをもって
採用を行ってほしいと思います。また転職者にも安易に転職をしないで
欲しいと思います。
RJP理論は「採用学」服部泰宏(著)にも詳しく載っています。
http://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2007/10/pdf/060-075.pdf
以上、人材業界で働いているまっしろでした。
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