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NTTドコモと流通業に強いシステムベンダーのサイバーリンクスは、2018年3月6日から9日まで開催中の「リテールテックJAPAN 2018」(日本経済新聞社主催)で、共同開発したAI(人工知能)棚割画像認識サービス「棚SCAN-AI」を出展している。それぞれのブースに模擬商品棚を設置し、デモを披露した。サービスは4月2日から提供する。
スマートフォンやタブレットのカメラで商品棚を撮影するだけで、陳列状況をデータ化できる。写真は位置情報と共にクラウド環境に送られ、AIで画像解析される。写真1枚当たり数十秒程度で陳列データを自動生成できる。
NTTドコモはAI画像解析エンジンを提供。サイバーリンクスは新商品を正面・側面・斜めなど多角度から撮影した商品画像データベースを提供し、画像解析エンジンに学習させる。
新サービスは小売業や食品・日用品などのメーカー向けに売り込む。陳列状況の調査は、売り場の生の情報を把握する手段として重視されている。小売業は陳列が計画通り実施され売れた商品が適切に補充されているかどうかを確認できる。メーカーは自社商品が店舗でどの程度陳列されているか、店頭でどの程度のシェアを占めるかなどを把握できる。
従来は小売業やメーカーのスタッフが商品棚の商品のバーコードを1つひとつスキャンする必要があり、調査作業に時間がかかっていた。負担が重いため、いったん決めた棚割りを徹底したり、見直したりするのが難しい。棚SCAN-AIを活用すれば、作業時間を10分の1程度に短縮できるという。
サイバーリンクスは、将来的にドローンを活用して撮影作業を自動化したり、棚札の価格情報も画像認識して価格変更ミスを検知したりできるように開発を進めている。