アインシュタインが若い女性科学者に「記念品」 オークションで落札
物理学者アルベルト・アインシュタインが1921年にイタリア人女性科学者へ向けて書いた短い手紙が6日、エルサレムのオークションに出品され、6100ドル(約64万円)で落札された。
言葉を添えたカードは、42歳のアインシュタインが、当時22歳の化学専攻生だったエリザベッタ・ピッチーニ氏に向けて書いたものだ。
ピッチーニ氏は当時、イタリア・フィレンツェ在住で、アインシュタインの妹マヤが住む部屋の1階上に住んでいた。
「アインシュタインはピッチーニ氏にとても会いたがっていました。しかし彼女は、アインシュタインのような有名人に会うには内気すぎたのです」と、オークション会社「ウィナーズ」の担当者は語った。
アインシュタインは母語ドイツ語で、「科学者様、あなたの足元で丸2日、眠ったり座ったりしました。友情の記念品です」と書いている。「誰かの足元で眠る」は、親愛の情を示すドイツ語の表現だ。
「ウィナーズ」の代表者ガル・ウィーナー氏はAP通信に対して、「最近の『Me Too』運動(性的暴力の被害者に連帯する運動)をご存知でしょう。女性にこのようなメモを残したアインシュタインは、運動に関わったかもしれません」と語った。
アインシュタインが書いた他の書簡も同時に売られた。「相対性理論の第三段階」の着想を書き留めた1928年のメモ書きも含まれる。この1928年の草稿は10万3000ドル(約1080万円)で落札された。
(英語記事 Albert Einstein note to young female scientist sells at auction)