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Q.出張先で仕事を終えてから、新幹線で東京駅に戻りました。到着時刻は22時。ところが勤務終了を「22時」として残業申告したところ、会社側に却下されました。仕事で遅くなったのに納得できません。

 筆者は同様の質問を何度も受けてきました。社員研修でも時々聞かれます。結論から言えば、移動時間は労働時間にはなりません。確かに出張先で定時まで働いて新幹線で帰ってくるのは疲れます。普段よりも早く自宅を出る場合や遅くに帰宅する場合もあり「損をした」と考えても不思議ではありません。しかし、残念ながら出張時の移動時間は労働時間とはみなされません。

 ある会社では、遅くなった時間分を残業時間として処理している社員が、問題になったことがありました。例えばこんな場合は残業時間にはなりません。「福岡支社での10時からの会議に出席するため、早朝の新幹線や飛行機で移動した」「大阪本社で会議を終え、終電で帰ってきた」。

移動時間は通勤時間と同じ

 移動時間は通勤時間と考えると理解しやすいでしょう。通勤時間も同様に、残業時間とはみなされません。通勤時間は本や雑誌、漫画を読むことや、居眠りもできます。今は断然、スマホを見ている人が多いですね。新幹線では缶ビールなどアルコールを飲む人も多いと思います。このように移動時間は自由時間であり、会社側の指揮命令監督下ではなく「労働」にはならないのです。