森友決裁文書 財務省“原本ない”、野党「ゼロ回答だ」国会空転
「森友学園」への国有地売却に関する財務省の文書が書き換えられた疑いがあると報じられた問題。6日、財務省は、文書は大阪地検に提出しているため「原本がない」などと国会に説明しました。野党側は猛反発、国会は空転しています。
「何言うてんねん、なめとるんかと」(立憲民主党 辻元清美国対委員長)
「論外です。1ミリたりとも前には進んでいないとの認識」(立憲民主党 蓮舫参院国対委員長)
野党側を激怒させたのは、財務省が配ったこのペーパーです。
「調査の状況の報告。調査にあたっては、多くの文書の確認が必要になるが、告発を受けた捜査の対象となっており、すべての文書を直ちに確認できない状況となっている」
6日朝、財務省は参議院の予算委員会理事会で、野党側が提出を求めている決裁文書の原本は「近畿財務局にない」と説明しました。大阪地検に提出しているということです。一方、焦点の“文書の書き換えがあったのかどうか”については説明しませんでした。
「直接の担当である理財局・近畿財務局以外の職員も関与させたうえで、全省あげて文書の確認、職員への聞き取りなど調査を進めていきたい」(麻生太郎財務相)
Q.“書き換えの有無”だけでも早く伝える必要があるのでは
「いま答えたとおり。いま答えたと思いますが」(麻生太郎財務相)
野党側は、こうした説明を事実上の“ゼロ回答”だと反発。与野党の協議の結果、6日の予算委員会は開催されませんでした。
財務省内も混乱しているようです。野党6党が合同で開いたヒアリング。野党側は、国会議員に開示された文書と、5日、一部の野党議員が近畿財務局でコピーした文書との間に違いがあると指摘しました。
「(近畿財務局に)我々と違う調書がデータとして残っていることは認めますね」(共産党 辰巳孝太郎参院議員)
「開示請求等の関係で、いろんなバージョンが存在してしまった可能性があると思いますが」(財務省の担当者)
「バージョン?」
「すみません。ちょっと言葉遣い、撤回させていただきます」(財務省の担当者)
こうした状況を受け、民進党など野党側は国対委員長が会談。疑惑解明のため、国政調査権を発動し、資料請求すべきだという認識で一致しました。
「議院証言法・国会法104条で、“書類の提出に応じなければならない”となっていますので、予算委員会・参議院でこの法律を使うことを与党に申し入れることを合意しました」(立憲民主党 蓮舫参院国対委員長)
野党側は、「財務省の対応は国会の信頼を損なうものであり、国政調査権という強い権限をもってでも改ざん前の文書を出させる」としています。
一方、今回の財務省の対応については、与党側からも批判の声が上がりました。
「(文書を)出せないということは、我々もちょっと理解できない」(自民党 二階俊博幹事長)
自民党の二階幹事長は「国会審議が進まない」として、財務省側に対し、「速やかに対応されるように改めて重ねて要望したい」と強調しました。
参議院では、自民党と民進党の国対委員長が会談。7日の本会議開催も見送ることになりました。国会の混乱は収束の見通しが立たない状況になっています。