転職活動において最初の壁となるのが書類選考です。
「この会社で仕事をしたい」と考え応募する場合、まずは企業へ応募書類を提出するのですが、その書類選考を通過しなければ、次の段階である採用試験を受けたり、面接の場に臨んだりすることができないのです。
そこで今回は転職活動の最初の関門である書類選考で落とされがちな人に向けて、どうすれば突破できるのかについてお話しいたします。
目次[表示]
- 企業の採用プロセスはこうなっている
- 実際の書類選考通過率はどのくらい?
- こんな応募書類は見向きもされない
- 書類選考に通過するポイント
- 書類選考通過率を高めるためには?
- 転職エージェントを活用し書類選考を乗り切ろう!
企業の採用プロセスはこうなっている
企業の中途採用プロセスですが、一般的には次のような過程を経て内定を出すことが多いと言えます。
書類選考→筆記試験(適性試験)→1次面接→2次面接→最終面接→内定
つまり、書類選考を通過しなければ試験を受けることも面接を受けることもできません。
どれだけ人柄が良くても、どれだけコミュニケーション能力があっても、書類選考を通過しなければ強みをアピールするための面接対策を頑張ったとしても意味がないのです。
ただし、企業側としてはより多くの人と面接の場で出会い、適性を見極め、自社にふさわしい人材を選びたいと考えています。
したがって、選ぶ候補者の母数は多ければ多いほど良いといえます。
つまり、書類選考で候補者を落とすのは企業にとって機会損失につながる可能性があるのです。
にもかかわらず、なぜ企業は書類選考をし、応募者をあらかじめ絞り込むのでしょうか?
多くの企業担当者に話を聞くと、企業が書類選考を行う理由は以下の3つに絞られます。
①応募者が多すぎて面接に時間がかかりすぎる
上場企業や人気企業、高年収が期待できる職種の場合、非常に多くの応募数があるため、選考に時間がかかります。
応募者全員を面接するとなるといくら時間があっても足りませんし、その分面接官も用意しなければなりません。このような場合、時間的な理由を背景に書類選考で応募者をある程度、絞り込む必要があります。
②社会人としてのマナーを書類から判断する
提出される応募書類の書き方や提出方法などを確認し、社会人としてのマナーをわきまえているかを判断する材料にします。
誤字や脱字、書類の汚れなどがないなど、必要最低限のマナーを満たしていれば大丈夫です。
③採用基準を満たしているか
採用においては資格やこれまでの転職回数など、その会社なりの選考基準を設定しています。
業務上必要となる資格を保持しているかを見たり、転職回数が多くないか確認したりします。企業によっては「転職3回以上は一律NG」といった内部だけの規定を設けているところもあります。
このように、企業が書類選考を行うのは必然的な理由があるということです。
実際の書類選考通過率はどのくらい?
では、転職の最初の関門である書類選考では、一体どのくらいの人がふるいにかけられているのでしょうか?
ある転職エージェントの調査によると、
書類選考通過率は応募者全体の30%程度
1次面接通過率は書類選考通過者の30~40%程度
最終面接通過率は最終面接対象者の30~50%程度
といわれています。
つまり、ある募集に対し100人の応募者がいると、そのうち70人は書類選考で落ちるということです。通過した30人のうち、9~12人程度が最終面接に臨み、最終的には採用人数が2~3人になるという計算になります。
意外と通過率は低いですよね。応募者から見ると、3社に書類を出して1社通るかどうかといった状況です。
もちろん、応募者のこれまでの経歴や学歴、資格などによって通りやすい人や通りにくい人がいますが、それでもそれほど甘くないというのはおわかりいただけるでしょう。
こんな応募書類は見向きもされない
では、書類選考において求人企業の人事担当者は応募者のどのような部分を見ているのでしょうか。
企業によって採用業務に携わっている人数や応募者の数、採用数が異なるため一概に平均値は出せませんが、一人の応募者にかける書類選考の時間は5分程度であると思ってください。
採用担当者も多忙であるため、それほど多くの時間をかけることができません。したがって、以下のような応募書類は問答無用でNGを出されます。
・履歴書に写真が貼られていない
・写真が証明写真ではない
・提出書類が揃っていない
・明らかに他社と使い回しの書類である
このような応募書類は、その人物像を一見することなく機械的に落とします。社会人経験が浅い若い世代は要注意です。
これらの基準をクリアしてはじめて書類選考の土俵に乗ることができます。実はこの時点で応募者の2割程度は落とされています。つまり、100人中20人がこういった最低限のマナーすら守れていないということです。
書類選考に通過するポイント
さて、実際に送られてきた応募書類について、書類選考は以下のような基準で行われることが多いようです。
①体裁は整っているか
書類として完成しているかどうかをチェックします。1枚の書類に複数のフォントが使われていたり、作成した日付がなかったり、文章のレイアウトが崩れていたりといった書類の体裁をチェックします。
②読みやすい文章か
誤字脱字はないか、職務内容や自己PRなどをわかりやすく簡潔に表現できているかをチェックします。
③志望動機はしっかりしているか
熱意が伝わってくるか、職種にマッチした志望動機が書かれているかを判断します。
④内容に魅力があるか
自己PRやこれまでの職歴を見て、「会ってみたい」と思えるかどうかを判断します。
⑤スキル・資格
業務を行ううえで必須となるスキルや資格を保有しているかをチェックします。
企業は書類選考の際にこのようなポイントを重視しているのです。
書類選考通過率を高めるためには?
書類選考の通過率を高めるには、上記のポイントをしっかり押さえた書類に仕上げることはいうまでもありません。
しかし、それだけではないのが転職の難しいところです。
実は、そもそも自分が対象となっていない求人に応募していたり、履歴書・職務経歴書の書き方そのものを勘違いしていたりするケースが多いのです。
これは、転職者の多くが「自分を客観的に見る」というクセがついていないことを始め、自分の世界の中だけで転職を完結しようと考えているからにほかなりません。
転職活動には自分を客観的に見る目が必要です。自分にマッチした仕事を選び、効率的に応募することで書類選考通過率は上がりますし、転職活動に費やす時間も減ってきます。
転職エージェントを活用し書類選考を乗り切ろう!
書類選考をなかなか通過できないと悩んでいるならば、次の転職活動の際には転職エージェントを活用することを検討してみてください。
転職エージェントでは、あなたの印象を引き上げて書類選考通過率を高める応募書類の作成方法を親切丁寧にアドバイスしてくれます。
併せて、応募する企業の特徴や書類選考通過のポイントなども事前に通知してくれるため、自己PRや志望動機をその企業や職種にあわせて作成することが可能であり、書類選考通過率も高まります。
また、提出書類の書き方に疑問がある場合、気軽に相談できる点もメリットの一つです。担当のキャリアコンサルタントが親身になって相談に乗り、その企業にふさわしい応募書類の書き方を指導してくれます。
また、求人案件についても、企業規模にかかわらずベンチャー企業や中小企業から大手企業まで幅広く取り扱っており、非公開求人数まで合わせると相当な数になります。
その中から、あなたの希望の条件に合った仕事を紹介してくれますので、有益な情報収集になるのは言うまでもありません。