「心理的苦痛感じる」増加傾向

東北大学の研究グループが、震災で被災した七ヶ浜町の住民を対象に続けている調査で、心理的な苦痛を感じている人が、去年35%を占め、このところ増加傾向が続いていることが分かりました。
研究グループは、「公的なサポートなどが減り、ふたたび苦痛を感じる被災者が増えているのではないか」と分析しています。

この調査は、東北大学の研究グループが、七ヶ浜町で自宅が被害を受けたおよそ2800人を対象に、毎年行っているもので、複数の質問への回答から被災者の心の状態を判断しています。
それによりますと、去年秋の調査では、回答結果から「心理的苦痛を感じている」と判断された人の割合は全体の35%で、前の年より2ポイント増えました。
心理的苦痛を感じていると判断された人は、震災が発生した平成23年には半分近くを占め、その後はいったん減少したものの、この3年間は増加傾向が続いてます。
さらに回答から、「不眠症の疑いがある」あるいは「少し不眠症の疑いがある」と判断された人の合計も、去年の調査で51%を占め、4年連続で増加しました。
研究グループの東北大学災害科学国際研究所の富田博秋教授は、「震災から時間がたち、公的機関やボランティアなどのサポートが減ったことで、ふたたび苦痛を感じる被災者が増えているのではないか」と話していました。