SEOにおけるUX(ユーザーエクスペリエンス)の重要性
SEOにおいて「UX(ユーザーエクスペリエンス)= ユーザーの利便性」が重要な要因になってると感じます。
理由は、UXの改善により検索順位が上昇したり、UXと検索順位の相関を示すデータやGoogleの公式言及などによる裏付けがあるからです。
上位表示させるには、UXをどう考えていく必要があるのか?SEOにおけるUXの重要性やGoogleの言及など中心に解説したいと思います。
SEOにおけるUXの重要性(※分析データあり)
SEOにおいてUXの重要性を裏付ける、サイバーエージェント独自の検索ランキング要因分析データが以下のように公開されてます。(※2016年7月26日時点)
検索ランキングシグナル(全170項目程度の上位項目)
※出典:SEO、楽しいですか? 実データに見るSEOとUXの関係性と対策 | 【レポート】Web担当者Forumミーティング 2016 Autumn | Web担当者Forum
上記データから、「1訪問あたりのPV」「Conversion Rate(コンバージョンレート)」「新規訪問割合」「滞在時間」「直帰率」といったUX系の項目が検索ランキングシグナルの上位であることがわかります。
つまり、UX系の項目が検索順位と強い相関があるため、SEOにおけるUXの重要性が高いと言えます。
さらに、UX系のみの検索ランキングシグナルが以下のように公開されてます。
UX系の検索ランキングシグナル(全127項目の上位項目)
※出典:SEO、楽しいですか? 実データに見るSEOとUXの関係性と対策 | 【レポート】Web担当者Forumミーティング 2016 Autumn | Web担当者Forum
上記から、「滞在時間」が最も検索順位と強い相関があることがわかります。
また、サイバーエージェントの木村氏は、これらのデータに付け加えて、『滞在時間』が延びるとランクが上がる」という傾向も見て取れたと言及してます。
つまり、「滞在時間」を伸ばすようにUXを改善することがSEOにおいて重要と言えます。
UXについてGoogleが言及
Googleは、「UX = ユーザーの利便性」を第一に考慮することを、以下のように公式に掲げてます。
- ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる。
Google は、当初からユーザーの利便性を第一に考えています。※引用元:Google が掲げる 10 の事実
また、Googleのスポークスパーソン、ゲイリーは、2015年5月に開催されたビジネスイベント「SMX」で「サイトの使いやすさは順位に影響しない」と断言しました。
下記はSMXのゲイリーの講演を聞いたユーザーによるツイートです。
翻訳すると、
UX(ユーザーエクスペリエンス=サイトの使いやすさ)は検索ランキングを決める要素ではない。
これからもUXがコンテンツよりも重視されることは、決してないだろう。
このことから、2015年5月にすでに、UXがGoogleで話題に上っており、最も重要なSEO要因である「コンテンツ」と比較してることがわかります。
その直後、2015年秋頃に、AI(人工知能)検索アルゴリズム「ランクブレイン」をGoogleが発表し、その後のSEOに大きな変化をもたらしました。
つまり、この変化によりSEOにおいてUXの重要性が増してきたと言えます。
実際にランクブレイン導入後にUX系の検索ランキングシグナルが上位となってることが、裏付けとなります。
UXとは何か?
UXとは、ユーザーエクスペリエンス(User Experience)の略語で、「ユーザー体験(つまりユーザーが得る経験)」を意味します。
ちなみに、エクスペリエンスは「体験、経験」を意味します。
Wikipediaでは以下のように定義されてます。
ユーザーエクスペリエンス(英: user experience)とは、人工物(製品、システム、サービスなど)の利用を通じてユーザーが得る経験である。しばしば「UX」と略される[1]。「ユーザー経験」「ユーザー体験」などと訳される。
例えば、UXは、「ユーザー体験(つまりユーザーが得る経験) = Webサイトを利用した感想」に置き換えることができます。
Webサイトを利用すると以下のような感想を持つことがあります。
- 使いやすいサイトだった
- サイトのデザインが良かった
- サイトが見やすかった
- 欲しい情報をすぐに見つけやすいサイトだった
- サイトの導線が分かりやすかった
これらの感想は、Webサイトを利用した体験・経験です。
つまり、ユーザーが得る経験(ユーザー体験)であり、「UX」を意味します。
上記はすべて良い感想なので、「UXが優れてる」という言い方になります。
UXとUIの違いとは?
UXに関連して、UIという言葉が良く使われ、それぞれ意味が違います。合わせて覚えておくと便利です。
UIとは、ユーザーインターフェイス(User Interface)の略語で、「ユーザーが触れる情報・部分」を意味します。
ちなみに、インターフェイスは「接点」を意味します。
例えば、UIは、「ユーザーが触れる情報・部分 = Webサイトのコンテンツ」に置き換えることができます。
Webサイトには以下のようなコンテンツが存在します。
- サイトのデザイン(色や形、文字など)
- PC,スマホページの切り替え
- サイト内の導線
これらのコンテンツは、Webサイトで触れる情報・部分です。
つまり、ユーザーが触れる情報・部分であり、「UI」を意味します。
UIは、UXの一部になります。
「UIを改善したので、UXが向上した」という言い方ができます。
つまり、「Webコンテンツを改善したので、サイトが使いやすくなった」と同じ意味になります。
このように、UXとUIの関係性を理解し、違いをしっかり把握しながら用語を活用しましょう。
UXを考慮したWebデザインにする
UXを考慮したWebデザインにすることで、上位化した事例があります。
弊社の顧客で、5000文字以上の文章があり、○○については素人でもそのページを読むだけでわかるといったページを運営されていたお客様がいました。
少し順位が低下してきたので、「ユーザーが見やすい」ように、以下のように対策したことで、ページが上位化しました。
- 導線を整える
- 見出しを追加
- 要約を追加
- 要点を絞る
- コンテンツの配置を再考
- ターゲットユーザーのレベルに合わせた記事の書き方
上記の内容を実施したところ、他の多数のドメインでも順位が上昇しています。
また、他のお客様では、「コンテンツの配置を再考」しただけで順位が大きく上昇したケースもあります。
上位化の理由の1つとして、「Webコンテンツの改善による、利便性の向上」が挙げられます。
つまり、サイトが使いやすくなったことで、ユーザーのパフォーマンスが向上し、サイトの価値が高まって上位化したということです。
このように、UI(Webコンテンツ)を改善し、UX(ユーザーの利便性)を考慮したWebデザインにすることが重要です。
UXを考慮したWebデザインの必要性が高まった背景として、以下のような歴史があります。
2016年頃、以下のような情報を元に記事を外注してまで、コンテンツ作成を取り組む人が増加しました。
- コンテンツSEOが重要
- 順位が付くコンテンツは、3000~5000文字以上
このような対策で情報量に特化しても、見やすさも考慮したページの方が高い評価を受けるようになったことで、UXを考慮したWebデザインの必要性が高まりました。
まとめ
UXを向上させるように、サイトを最適化しましょう。
ページ、サイト単位でコンテンツを改善し、ユーザーの利便性を高めながら、上位化を目指すことが重要です。