トランプ政権、中国の対米投資・輸出に広範囲な制限を検討
Andrew Mayeda、Jennifer Jacobs-
USTRは中国の知的財産権を巡る慣行を調査中
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トランプ政権は衣料品や家電など消費者製品への関税を検討
Security personnel stand in front of red flags flying outside the Great Hall of the People following the first session of the 13th National People's Congress (NPC) in Beijing, China.
Photographer: Qilai Shen/Bloombergトランプ政権は中国が知的財産権(IP)を侵害しているとして、同国による対米投資の制限や、同国からの広範囲な輸入製品に関税を課すことを検討している。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。
米通商代表部(USTR)は昨年、1974年通商法301条に基づくトランプ大統領の指示を受け、中国の知的財産政策について調査を開始していた。大統領は同法の下、外国勢による不公正な貿易慣行から米国の商業を保護するため貿易制限を導入できる権限が与えられる。調査結果は向こう数週間に発表されると見込まれている。
知財権問題は、鉄鋼やアルミニウムに輸入関税を賦課するトランプ大統領の計画を巡って既に高まっていた緊張をさらにエスカレートさせそうだ。関税計画は同盟国や中国などの主要貿易相手国の報復措置を招くリスクを伴い、共和党議員も経済的コストについて苦言を呈したが、トランプ大統領は今週、挑発的な姿勢で貿易戦争も歓迎するとツイートした。
こうした中、コーン米国家経済会議(NEC)委員長が6日、辞任を表明し、トランプ政権の自由貿易擁護派に打撃を与えた。ドルは下落し、米国株に連動する上場投資信託(ETF)は時間外取引で急落した。
相互主義
関係者2人が匿名を条件に語ったところによると、検討中の最も厳しいシナリオは、中国から輸入する靴や衣料品、家電など幅広い製品に対して関税を賦課する内容。トランプ政権は関税と中国からの対米投資の制限を組み合わせる可能性もある。
一方で米当局者は中国からの投資を抑制するため、より的を絞ったアプローチも検討している。関係者は政権が中国との関係で相互主義を強める方法を探していると述べ、米企業が中国にアクセス可能な分野での企業買収に限って容認することを意味すると話した。
関係者によると、米当局者はさまざまな選択肢をなお検討中で、USTRは何も決めない可能性もある。ホワイトハウスの報道官は進行中のプロセスだとしてコメントを控え、最終決定はまだ行われていないと付け加えた。
これに対し、中国の当局者は関税実施なら世界の貿易システムが悪影響を受けると指摘し、中国政府が大豆など米国からの輸入品への規制を検討していると警告した。
また、中国製品への広範な関税賦課はウォルマートやターゲットなど米小売企業からの反発も招きかねない。小売業界は昨年、議会共和党指導部が提案した輸入品に対する国境税導入の阻止で成功を収めた。
原題:U.S. Said to Weigh Broad Curbs on Chinese Imports, Takeovers (1)(抜粋)