「寄生獣」この星には人間が多すぎる

さて今回、紹介するのは寄生獣であります。昔、「週刊spa!」に漫画評論のコーナーがあって、確かそのコーナーがあと二回で終了という事になって、その時「最終回に紹介する漫画をドラゴンボールか寄生獣にするか迷った」みたいな事が書かれてて、その漫画評論家(名前忘れた)がドラゴンボールと並ぶ伝説的漫画だとか言ってたのを覚えています。
結局、最終回はドラゴンボールの評論でしたけどね。

寄生獣とはタイトルからして、いかにもグロそうな内容ですが、内容をざっくり言えば、脳に寄生した寄生生物と腕に寄生生物が寄生された青年との戦いだといっていいでしょう。

主人公の泉新一の右手に寄生したミギー。
ミギーは人間並みの知性があり、人の命を何とも思わない冷血な性格であるが信一が死ぬと自分も死んでしまうため、二人?はある意味運命共同体となり、ほかの寄生生物と戦うことになります。

寄生生物は人間の頭を乗っ取り人間を食料としますが、顔は変幻自在に変形し、武器となります。
また顔を簡単に変えられるため、普通の人間と見分けるのが困難です。
寄生生物の本能は「この種を食い殺せ!」
つまり人間を食い殺せってことです。
なんとも物騒な話です。
最初は寄生生物たちは単体で一匹狼的に行動し、人間を食料としていましたが、やがて集団を形成するようになり組織化され、選挙に打って出ます。

自治体を乗っ取った寄生生物たち。
しかし人間側も手をこまねいているわけではありません。寄生生物の見分け方を発見し、市役所を包囲し、攻撃を開始。


市長の広川は人間相手に叫びます。
ここで初めて、この漫画で寄生獣という言葉が出てきます。
つまり寄生獣とは寄生生物ではなくて人間の事だったんですねー。
作者の岩明均氏にすればまさに「してやったり!」でこのセリフを言わせたのでしょう。


寄生獣というタイトルの漫画なのに作中に「寄生獣」の言葉が出てくるのは、この一回のみです。
寄生生物とかパラサイトとかの言葉は出てきますが、結局、寄生獣を指していたのは人間だったのだという皮肉ここに極まれり!という感じですかね。
でもこの寄生生物のボスかと思われていた広川は実は人間だったんですね。
変わった人がいるものだ。
あまり人の事は言えませんが…。
人間が地球にとって有害であるという極端な思想を持つ寄生生物寄りの人物であったため、担ぎ上げられて利用されたということかもしれません。
でも「寄生獣」という言葉はそれなりにインパクトがありますよね。
ちょっと関係ないですけど、インパクトがありすぎて、実は一回だけだったり、全くのでっち上げだったりって結構、漫画にはあると思います。
たとえば巨人の星の星一徹がちゃぶ台をひっくり返したのは一度だけとか。
ドラゴンボールで悟空が漫画で「オッスオラ悟空!」と言ったことは一度もないとか。
ケンシロウが漫画で「お前はもう死んでいる」と言ったのは1回だけとか。
北斗百列拳を使ったのは2回だけとか。
美味しんぼ原作で「美味しんぼ」という言葉が出たのは「今年もよろしく美味しんぼ」の一度だけとか。
漫画じゃないけど13日の金曜日のジェイソンがチェーンソーを使って人を殺したことは一度もないとか。(たぶん「悪魔のいけにえ」とごっちゃになってる…)ジャイアンは「お前のものは俺のもの俺のものは俺のもの」と言ったことはないとか。
ガンダムで「アムロ、行きまーす」と言ったことはないとか。
いろいろありますね。(ってネットに載ってました^o^)
ジャイアンの名セリフは嘘だったのか〜なんて……(ーー;)
それはともかく結局、これって環境問題がテーマなんですね。
人口が増えすぎると最後には人間が困るというか滅んでしまう。
だから寄生生物が生態系、食物連鎖の頂点に立つことでバランスが回復する。
増えすぎた人間は間引きしなければならないなんて、なんだかベンジャミン・フルフォードのインチキ陰謀論みたいな話ですが、ちょっと怖いですね〜。

第一話で新一の変化に気付いた村野が新一かどうか問いかけます。

そして最終回の最後でまた新一に同じ事を確かめます。
新一自身も人間と寄生生物の狭間でアイデンティティが揺れ動きますが、最後に自分は自分なのだと、このセリフで安心したのでしょう。

連載開始から20年以上たってついに寄生獣が映画化される事になりました。
映画は2部作。今年と来年に公開。
今年中にはアニメ化もされるそうです。
でもグロ描写が結構あるから実写にしろアニメにしろどんな感じになるんだろうね。

ところで岩明均氏は寄生獣の連載前には「風子のいる店」という漫画を描いてました。
これは吃りのある少女が喫茶店で働いて人間として成長していく、という寄生獣とは全く似ても似つかない作品です。
自分は持ってたんだけど、引越しした時、処分しちゃったからなあ。
まあそれはともかく寄生獣がそこそこ人気が出てきた時、岩明氏は宮崎駿氏のサイン会(イベント?)に参加した時、駿氏と話した時、彼がすでに寄生獣を読んで知っていて驚いたそうです。
「寄生獣読んでるよ。面白いねえ。」と言ったとかなんとか。
当時、寄生獣を連載していた月刊アフタヌーンにそのエピソードが載っていたのを覚えています。
駿氏もチェックしてたんですね〜。
橋本愛さんも出るんだねー。
これは見るしかありません。
あまちゃん見てたしなー。
可愛いさと綺麗さを合わせ持った女性ですからねー。
そういえば「貞子3D」にも貞子役で出てました。

映画自体はイマイチだったけど貞子役は可愛いかったな〜。
こんな貞子なら呪われてもいいと思ったよ。
まあ殺されたくはないけどね。