コーン米NEC委員長が辞任-輸入関税論議の中

更新日時
  • コーン委員長の辞任で米政権の経済政策の先行き不透明に
  • トランプ政権では高官らが相次いで辞任している

トランプ米大統領の経済顧問トップであるコーン米国家経済会議(NEC)委員長は6日、辞任を表明した。コーン委員長はトランプ政権が導入しようとしている鉄鋼・アルミニウム輸入関税に反対していた。

辞任を表明したコーン氏

Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg

  ホワイトハウスが記者団に配布した発表資料でコーン氏(57)は、「国に奉仕し、米国民に利益をもたらす成長促進の経済政策を法制化できたことを光栄に思う。特に歴史的な税制改革法の成立が印象深い」とした上で、「私にこのような機会を与えてくれた大統領に感謝しており、今後、大統領と政権が素晴らしい成功を収めることを望む」と述べた。

  トランプ大統領が1日、鉄鋼とアルミにそれぞれ25%と10%の関税を課すと発表すると、市場は混乱。輸入関税を阻止しようと懸命に動いていたコーン氏は公然と非難される形となった。

  政策決定プロセスに詳しい関係者によれば、大統領に輸入関税導入を勧めていたロス商務長官とコーン氏は、輸入関税が発表される数時間前にこの問題を巡って非公式に議論を戦わせていた。

  しかし、投資家から不安定な政権内で唯一の安定した存在とみられていたコーン氏の政権離脱は金融市場にさらなる混乱を引き起こす恐れがある。またトランプ大統領の経済政策の先行きも不透明になった。バノン元首席戦略官とコーン氏が去った後、経済政策はムニューシン財務長官とロス商務長官の意向がより反映される可能性がある。

  トランプ大統領はホワイトハウスが公表した声明でコーン氏について、「私の首席経済顧問として、われわれの政策課題の推進で卓越した仕事をし、歴史的な減税と改革の実現に貢献して米経済を再び解き放った」と指摘。「彼は類いまれな才能の持ち主で、米国民のための彼の献身的な働きに感謝する」と述べた。

原題:Gary Cohn to Resign as Trump Economic Adviser Amid Trade Dispute(抜粋)

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