人工角膜で視力回復 他人からの提供代替も オタワ大など

2010/8/26付
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 【ワシントン=共同】人工的に合成した角膜を使って患者の視力を回復させることにカナダのオタワ大などの研究グループが成功し、25日付の米医学誌サイエンス・トランスレーショナル・メディシンに発表した。

 この技術によって、死んだ人から移植用の角膜提供を受けられない多くの患者を救える可能性があるという。

 研究グループは、遺伝子組み換え技術を用いて、酵母から人の角膜の成分であるコラーゲンを合成。2007年にスウェーデンの病院で、病気や外傷によって角膜移植を必要とする10人の患者を対象に、角膜を除去し、コラーゲンを成型した人工角膜を移植した。

 この結果、2年後に6人の視力が移植前に比べて改善され、残りもコンタクトレンズの補助があれば、他人の角膜を移植したのと同程度に回復。人工角膜への拒絶反応は、どの患者にも起きなかった。

 角膜は目の前面を覆う透明な組織。外傷や病気によって濁ると視力を失うことがあり、世界には角膜を移植すれば視力を取り戻せる人が1千万人以上いるとされる。

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