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スピン経済の歩き方:サウナブームは絶滅寸前の「銭湯」を救えるか (1/5)

» 2018年03月06日 08時00分 公開
[窪田順生ITmedia]

 突然だが、明日3月7日はなんの日かご存じだろうか。

 「サウナの日」である。

 公益社団法人日本サウナ・スパ協会(以下、サウナ協会)が「サウ(3)ナ(7)」の語呂合わせから制定した記念日で、37歳の人と連れのもう1人が無料になるなどのイベントが全国のサウナ施設で行われているのだ。

 「ふーん」くらいの冷めたリアクションも多いかもしれないが、実は近年、「サウナの日」に限らず、年間を通してサウナに熱狂している「サウナー」(サウナ愛好家)が増えているのだ。

 背景には、トーク番組『アメトーーク!』(テレビ朝日)で「サウナ芸人」がオンエアされたり、オリエンタルラジオの藤森慎吾さん、「ゆず」の北川悠仁さん、など著名人が次から次へとサウナ愛を語るようになったりしたことに加え、サウナ内の石に水をかけて蒸気を発生させる「ロウリュ」の人気が高まったことや、若い女性に抵抗感のないおしゃれな施設が増えたことで、これまでサウナと縁遠い層が流入してきたことが大きい。

 専門誌や「日本サウナ祭り」などのイベントによるPR活動も盛んで、かつて松本人志さんが芸人仲間と結成した「サウナ部」を模して、職場でサウナ愛好サークルなどを結成する動きもでてきているという。

 事実、一般社団法人日本サウナ・温冷浴総合研究所(日本サウナ総研)が昨年の「サウナの日」に発表した全国1万人の男女を対象とした『日本のサウナ実態調査』によると、週1回以上サウナに入る「ヘビーサウナー」は推計358万人、月1回以上サウナに入る「ミドルサウナー」にいたっては1042万人もいるらしい。

 これは最近「ブーム」といわれるオートキャンプ(キャンプ人口約830万人)よりも大きなマーケットだ。

絶滅寸前の「銭湯」をどうすればいいのか
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