2025年東京のマイホーム事情は様変わりする

アジア人富裕層が経済移民として押し寄せる

東京23区のタワーマンション群、2018年2月(撮影:今井康一)
常勝投資家が予測する日本の未来』を著した玉川陽介氏は世界を観察する切り口は3つと決めているといいます。金融経済・情報技術・社会システム、この3つの切り口から東京五輪後の日本を読み、本記事では2025年のマイホーム事情がどうなるのか予測します。 

東京の高級不動産はアジア人富裕層のものに

ここ数年、東京の街では外国人を目にする機会が圧倒的に増えた。短期滞在の観光客が中心で、その多くはアジア人だ。これは、政府の地ならし策でもあったのだろう。インバウンド観光客2000万人は開国の序章に過ぎなかった。

2025年。日本政府は富裕層外国人に対して居住権発行のハードルを大幅に下げるだろう。経済移民政策のはじまりだ。その結果、富裕な中国人や台湾人が、東京や大阪になだれ込むことになる。かつての香港、シンガポールと同じ状況だ。日本でもアジア人富裕層の受け入れが始まるだろう。2000年頃は、池袋のアジア人といえば、風呂なしアパートに住む飲食店員というイメージが強かった。

2018年現在でも、その粗いイメージは払拭されておらず、外国人の入居不可という前世代的な募集条件のアパートは少なくない。

しかし、2025年のアジア人居住者は大きく異なるだろう。

一般の日本人よりも圧倒的に高収入、流ちょうな英語を話し、大卒相当の学力を持つ。本国では何らかのビジネスや不動産を所有するオーナー経営者とその一族だ。本国の政情不安定と貧弱なインフラに愛想を尽かし、また子息の教育のために日本に移住してきた。アジア各国の上澄みともいえるビジネスパーソンたちだ。

日本の銀行は富裕なアジア人に対して不動産ローンの提供を始めるはずだ。そのため、高額な物件ほど、日本人よりもアジア人が多くなるだろう。

不動産業者向けに中国語レッスンを提供する会社も増えるだろう。もちろん、中華系富裕層を接客するために、中国文化も一緒に学ぶことになり親中派も増える。 外国人の大量流入で連想されるのは治安悪化だろうか。それは心配するに及ばない。新規流入の多くは富裕なアジア人だ。街の治安が悪くなることはない。所得水準の高い市民が凶悪犯罪を引き起こす可能性が低いのは、世界共通だ。むしろ、相対的に所得水準の低い日本人が引き起こす犯罪を、富裕層外国人に心配されることになるだろう。

役所には中国語の案内が増える。一部の中華系住民からは「私たちは日本人よりもたくさん税金を払っている」として、中国語専門の窓口を新設するように要求が出る。しかし、平等を重んじる日本の役所に却下され、支払額での重みづけを常識とする彼らの反感を買うことになる。

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  • NO NAME9be33f7f97d5
    東京の地下鉄に日々乗っている人ならわかる

    とてつもなく外国人が多い
    up105
    down5
    2018/3/6 13:20
  • NO NAME308852360c20
    コメントを書かれている方は、地方にお住まい方が多いのでしょうか?長期旅行者も多いのかもしれませんが、東京に住んでいるような感じの外国の方は目に見えて増えてます。また、外国人に限らず、東京圏は人口流入が続いていますので、地方と違って少子化はあまり関係ありません。

    ただ、記事にもある通り、共稼ぎでないと買えない価格帯になっていますので、保育園、学童保育、交通網などの充実は必要かもしれません。不動産の価格は需給で決まりますので、上がるとも下がるのも神のみぞ知るところですが、東京に関して言えば、この先、需要が急激に落ち込むようにも思えません。
    up100
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    2018/3/6 12:32
  • NO NAMEcc7fba43d62c
    都心5区…海外富裕層居住地区

    他の東京18区…日本人富裕層居住地区

    多摩地区・神奈川・千葉・埼玉…駅近は庶民、駅徒歩5分以上は貧困層の居住地区

    となるだろう
    up118
    down28
    2018/3/6 12:50
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