「次回の連載ネタは、インターネットにおける“情報”の残り方について書いてみませんか」と編集担当に言われたとき、「ああ、確かにいろいろ消失してますね」と返答したら「いや、半永久的に残るじゃないですか」と返されてしまいました。
ネットにはどちらの側面もあり、1度発信した情報は半永久的に残りますし、あっという間にきれいさっぱり消失することもあります。今回はそんなネットの特性について、もう一度おさらいしてみましょう。
「身近な話題を例にITリテラシーを高めていこう」がコンセプト。さらっと読めて人に話せる、すぐに身につく。分かりやすさ重視で解説。小ネタも扱います。
ネット上の情報ほど、はかないものはないと思っています。ネットが普及し始めた1990年代のホームページが、今どれだけ残っているでしょうか。ジオシティーズや@niftyなど00年代に全盛期を迎えたWebログサービスも、残念ながらそのコンテンツは見られなくなっています。あの頃の生の情報は、既にほぼ消失しているのではないかと思います。
ブログサービスだけではありません。身近に起こりうる問題では、例えば「短縮URLサービス」が消失してしまうこともあり得ます。Twitterのサービス開始当初はURLを含めて140文字という制限があったため、URLを短くするサービスが多数登場しました。
しかし現在では140文字以上のツイートも実質可能になったので、短縮URLサービスが終了する場合もあります。すると、Twitterの投稿は残っているにもかかわらず、クリックしても目的のページに飛ばないという「情報消失」が起きえます。
これはTwitter関連サービスであり得そうなリスクの1つです。個人的になくなってほしくないのはTwitterで人気の「ふせったー」ですね。ネタバレ防止向けに伏せ字を使える便利なサービスで、映画や舞台、コンサートの感想などに利用している方が多く、万が一これがなくなると多くの生の感想が消失してしまうのではないかと危惧しています。
ネット上にある情報ははかないという側に立つと、もはや自分でブログサービスを立ち上げ、独自のドメインを取得するという、ある程度スキルがある人でないと情報を保全できません。
反面、ネット上の情報は「1度公開されたら消せない」とも捉えられます。デジタルデータの特徴の1つは「複製が容易にできる」こと。物理的な情報はコピーするのも動かすのも大変ですが、電子的なデータは寸分たがわぬコピーを取れますし、各種情報漏えい事件を見ても分かるように盗まれたことに気が付けません。
SNSで投稿した情報、特に写真や動画はさまざまな方法でコピーされていきます。一度投稿すると永久に残る――これを入れ墨になぞらえてデジタルタトゥーと呼んだりもしますね。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
「2020年までにクラウドでナンバーワンになる」は本当ですか? Oracle Cloudの「強み」「違い」をユーザー視点で聞いてみた。【Shift, Cloud】
100%EVの新型「日産リーフ」には、最新の自動運転技術やスマホ連携機能が満載。デーブ・スペクターさんのEV初体験・試乗レポートをお届け! 彼はどんな評価を下す……?