FacebookやInstagram……現在多くの人に使われるアプリも、はじめは学生の間から広まっていった。そう考えると、学生の使うサービスに今後のインターネットの未来が詰まっているかもしれない。そこで今回は、インターネットの最新トレンドに強い女子大生(と、女子大生を卒業したばかりの社会人)に、最近のインターネット事情を伺った。
目次
今回のインタビュイーたち
八代 嘉菜(Kana Yashiro・写真右)
大学1年次よりスタートアップやベンチャーキャピタルでのインターンを経験。大学3年次の2015年7月にメルカリ アッテの立ち上げメンバーとして当時社員数4名の株式会社ソウゾウにジョインする。その後、2017年春に新卒として改めてソウゾウに入社。現在はメルカリ アッテでプロデューサーを務める。
里見 香麟 (Karin Satomi・写真中)
早稲田大学2年生。高校3年次に女性誌Sweetのオフィシャルインスタガールに選抜され、SNSマーケティングやガールズカルチャーに強い興味を持つ。大学入学後、1年次からスタートアップ数社にてtoBメディアの立ち上げや女子向けサービスのPMを経験。2017年冬からメルカリチャンネルにてプロデューサーとしてジョイン。
岡田 貴琳(Kirin Okada・写真左)
早稲田大学5年生。在学中にフラッシュモブの団体立ち上げを経験。プロポーズのお手伝いや、映画のPRなどで100人規模のフラッシュモブを30企画ほど行う。その後、起業やサービス運営に興味を持ち、1年サンフランシスコのVCで修行を積む。サプライズの動画を見ることと、世界のインターネットサービスが大好き。
ストーリーを大活用する女子大生
ー普段、皆さんはどのようなネットサービスを使っていますか?
里見:Instagramを一番使いますね。見るのが習慣づいていて、意識せずに見ています。アカウントは趣味用と学校用の2つがあって、趣味用は趣味に関するものを1日1回はあげるようにしています。学校用は、ストーリーに公開することが多いです。学校用は友達とのコミュニケーションなので、写真に残すよりストーリーの方が向いています。
八代:今年、社会人になってからInstagramを見る回数は減りました。アカウントは非公開で友達とのやりとりに使っています。写真の投稿はあまりしませんが、ストーリーにはほぼ毎日投稿しています。ストーリーは消えるから気にせず投稿できて楽ですよね。それにリアルタイム感があります。あと、ストーリーの使い方として、全体に公開した上で、特定の友達だけに送ることがあります。ストーリーは見逃すこともありますが、DMとして送れば見てくれるので。たとえば「飲み会」のストーリーをDMで送ります。
岡田:「飲み会においでよ」という意味合いで送るんですか。
八代:そうですね。
岡田:でも、文字には打たないんですか。
八代:打たないです。テキストを打つのはめんどくさいので。空気を読んでもらいます(笑)。
岡田:たしかにストーリーでは時々、空気を読むことがありますよね。「つかれた」と投稿があったら、LINEを送らなきゃって思ったり(笑)。
ーInstagramのストーリーは大活用ですね。ストーリーを使う前は何を使っていたのですか
里見:もともとはTwitterとSnapchatを使っていました。いま、Twitterは、ビジネスのSNSになってきた印象があります。IT系のニュースや仕事関連の話題は、Twitterに投稿すると誰かがリアクションをくれたりします。
友達はTwitterをストレスの解消先として使っていますね。アカウントを2つ持っている子が多く、裏の方では非公開で愚痴を投稿しています。
ただ、Twitterは投稿が残るのが少し抵抗があり、ハードルを感じます。それよりは、ちょっとした独り言などはストーリーに投稿する方がすぐ消えるので楽です。
↑Twitterのように使われるInstagram
岡田:私は、まだSnapchatを使っています。サングラスを通じて、映像を録画できるSpectaclesを使っています。クールですよ(笑)。
ただ周りの大学生がしているかというと、海外の人や帰国子女しか使っていないですね。
八代:日本ではSnapchatは流行っていない印象です。UIはよくできていると思いますが、友達が使っていないと使えません。
里見:Snapchatは、動画にレイヤーをかぶせる機能だけたまに使います。たとえば、犬になったり。盛れるのも良いです!
八代:だったらSnowの方がいいな。
里見:周りは、Snow敬遠派が多いですね。みんながSnow使いすぎているので。もし使うとしても、Snowの加工を薄めにしてSnowを使ってない感じを出すようにします。
↑snowの活用例
ーInstagramのDMは使いますか
岡田:ストーリーからのコメントで使うことが多いですね。InstagramのDMのやりとりで面白いのは「♡」を投稿すれば終わりといった風習があります。
FacebookのLikeみたいですね。私の周りだけかもしれませんが(笑)
ーInstagramのコミュニケーションで気をつけている点はありますか
八代:周りでは「Instagramであげる写真は、日をずらしてあげる」という人もいますね。その日に何をしていたかバレてしまうのが嫌らしいです。
岡田:私は見られたくないものは投稿しないようにしています。
ーあまり仲良くない人からInstagramのフォローリクエストがあった場合はどうしていますか
岡田:Instagramをしていると周囲にいっていないので、友人以外と繋がることは少ないですね。
里見:周りはアカウントを分けていたりします。サークルにあまり行っていない友達はサークルの友達に投稿は見られたくないので、別アカウントを作っています。
Instagramは万能。レストランを決める時も大活躍
ー他によく使うサービスはありますか
岡田:Tastimeはよく使いますね。InstagramのAPIを使って、レストランや食事の写真を集めたアプリです。女子会の幹事になった時など、味に限らず雰囲気も重視して選ぶときもあるので、Tastimeでレストランの雰囲気を知るために使っています。新宿や渋谷といった特定の場所のレストランは、InstagramよりTastimeの方が探しやすいです。たとえば、原宿にいったら、Tastimeで原宿の写真を探して、お店を探します。そして気になるお店があれば、さらにInstagramで、そのお店を探して、詳しく雰囲気を調べます。
↑インスタ映えするお店がわかるTastime
里見:私はTastimeは使わずに、Instagramでお店を探しています。「どこでこんな素敵なお店をみつけたの!?」と驚くような、素敵なお店の写真ばかり投稿する友達がいて、その子をフォローしています。
あとは「#〇〇(地名)カフェ巡り」といったタグがあるので、それを追いかけて、気になるお店を探したりします。
八代:私も、Instagramでレストランを探しますが、結局、そのお店の味は気になるので、食べログも使います。
岡田:私は食べログの点数は気にしたことがないです。そもそも何点だと良いかのかもわかりません。ビジュアルを確認できる写真が少ないなとも思います。また、食べログは年配の方が使うサービスのイメージです。
八代:私は美味しいものを食べたいので、雰囲気がよいだけでは不安なので食べログもチェックします。3.3が最低限で、3.5があると嬉しいですね(笑)
あと、気になるお店はInstagramでチェックしておきますね。ただ、フォローするとタイムラインにメニューなどが流れて見た目がよくないので、お気に入りのお店は保存機能でリストに入れておきます。そして、お店を探す時にそこから行きたい店を探します。あ、でも、よく行くお店の場合はフォローします。そうすると、そのお店がストーリーで「この時間空いてます〜〜!」とかを公開してくれるから便利です。最近は、最新のメニューとか空席情報をアップしてるお店が増えていますよ。
あと、食べログで「この店、どんな感じかな」と思った時はInstagramを見るようにしています。そして、Instagramで「投稿数があるか」「雰囲気がよさそうか」「客層は(カップル?女子会)」「年齢層」「どの席がおしゃれ」といったことを調べたりします。
里見:友達とご飯に行く時に、候補のお店の位置情報をInstagramのDMで共有することもありますね。そのお店の写真が最新順に一気に見れて便利です。
↑InstagramのDM内での店舗共有の活用例。
minneを使う人が増えている?
ーものを買う時には何を使いますか
岡田:服は、WEARで見てそのままZOZOTOWNで買うことがありますね。
八代:私はInstagramで気になるアイテムを見つけて、そこから公式サイトに見に行くことが多いです。ただ、やっぱりリアルでみたいので、店舗にいきます。ただし、買うのは、店舗ではなくネットで買うことが多いですね。店舗だと、「欲しい」という衝動で買ってしまうことが多く、あとで後悔しちゃうので。家で落ち着いた気持ちで買いたいのです(笑)。あと、運ばないで良いので楽ですよね
里見:私は、Instagramで見た気になる服はコレクション機能を使って保存しておきます。そして、服を買う時にそのコレクションを見返します。私は店舗で物を買うことが多いですね。送料がない分だけ安いので。
あと周りでは、minneをよく使う人たちもいます。イヤリングやiPhoneケースを買っているみたいですが、配送料がかかるから、友だちとまとめて買うほどヘビーユースしている人たちがいます。あと、カーディガンのボタンを付け替える用のおしゃれなボタンもminneで買ってたり。安いカーディガンもおしゃれなボタンをつけると安く見えないとか。minneを使う理由としては「自分の世界観に合うものが見つかる」「人とかぶらない(誕生日プレゼントでアクセサリーあげるときも、市販だと他の子とかぶるからminneで頼む)」と言っていました。
それから自社のサービスですが、メルカリも使っていますね。メルカリマスターみたいな子がいて、いつもブランドものを持っていてオシャレだけど、ほとんどメルカリでうまく買ったもので、お金をかけずにおしゃれをしています。
八代:コスメだと、How twoというアプリも最近注目しています。
1週間好きなコスメを無料使い放題で買いたければ買える(2つで10%とかお得になるみたい)し、気に入らなければ返却できて無料みたいです。
ー服以外で、ネットで買うものはありますか
八代:ティッシュなどの大きなものはネットで買いますね。あと、グラノーラを定期便で買っています。ほぼ毎日、何かしらが家に届きます。
岡田:私も水のようなものはネットが多いですね
ーここ数年、マッチングアプリが流行りですが、学生の間でも使われているのでしょうか
里見:マップングアプリは最近、周りでも使ってる人が増えました。「マッチングアプリで彼氏ができた」という友人もちらほらでてきていて、そのような話を聞いて使う人も増えてきました。昔は、「出会い系」として、世間の印象が悪かったのですが、最近は変わってきた印象がありますね。TinderやPairs、タップルを使っている人が多いようです。あと、もうちょっとビジネス寄りだとYentaを使う人もIT界隈の学生には多いですね。
岡田:私の周りでも、マッチングアプリはポシティブに捉える人が増えてきた印象があります。
ー決済アプリは使われていますか?
八代:私の周りでは使われていないです。
里見:全く使われてないです。私は現金が嫌なのでオンラインで割り勘したい派ですが、先日、IT企業のインターン生たちと交流会したときも誰も使ってなくてちょっと悲しかったです(笑)。
岡田:ITに強い学生の間で少し流行っていましたが、今は使っていないです。
ー現金は使いますか?それともクレジットカード?
八代:私は基本クレカです。飲み会で仲の良い友人たちとは、みんなカード払いが楽でポイントが貯まって良いので、公平に順番にカード係してます。
里見:クレカ:現金=7:3 くらいです。
個人経営のネイルサロンとかまだまだ現金しか使えないところが多いですし、友達と遊ぶ時も現金で割り勘するので。クレカだけにしたいけどなんだかんだ現金が多くなります。
岡田:基本クレカです。でも友達とのご飯は現金が多いですね!
LINEの使い方が変わってきてる?
ーコミュニケーションサービスはどのようなものを使っていますか
里見 :LINEは昔より使わなくなったかもしれません。やりとりに疲れることもあります。いつも数百の未読が溜まっていて。
それに比べるとInstagramのDMを使うことは増えました。あとLINEだと食べログのURLなどが送られて、遷移してWebビューを見るのも嫌です。それならInstagramのDMで、Instagramの店舗のIDを送って欲しいです。
八代:私はLINEで見るのは、特定の友達のやりとりだけです。それらの友人はお気に入りにして上位表示をしています。お気に入りに入れていると、iPhoneのウィジェットに表示しているので、そこからLINEのやりとりに直接飛びます。LINEのトーク一覧はあまり見ません。
里見:グループが多いので、未読が溜まっています。
いま数えると151個のグループに入っているようです。
岡田:私もグループは360個に入っています。私も仲が良い友人とはInstagramのDMを使います。LINEは家族とのやりとりで使いますね。
里見:LINEのアルバムなどの機能は便利ですね。そういう時はLINEは使います。
八代:あと、LINEの位置情報共有は便利なので待ち合わせなどで使いますね。
岡田:位置情報の共有だと、LINEだと送った時点の位置情報になってしまいますがFacebookだと動的に相手の位置情報が更新されるので便利ですよ。
里見:Facebookメッセンジャーは仕事で使います。あまりカジュアルなやりとりでは使わないですね。
ーLINEの企業アカウントはどのような企業をフォローしていますか
八代:私がよく使うのは、「ヤマト運輸」さん(再配達依頼など)やファッションブランド系(新作の販売日確認やSALEを知るため)とか。わりとチェックしてます。
岡田:私も、ヤマトは使います!
里見:アパレル系はセール情報知るため、マツキヨは10%オフクーポンががあるのでみています。あとLINEのWebマガジンの「Steal me!」が可愛くて好きです。
LINEのWebマガジン「Steal me!」
蒙古タンメン中本と赤からはよく使います(笑)。定期的にお得なクーポンを配信してくれるところは、普通に見ますね。
ー知らない人とのやりとりをすることはありますか
里見:Twitterやfacebookで知らない人とやりとりをすることはあります。Twitterはカジュアルな感じで、facebookはビジネスライクな感じで。
あとはInstagramでも趣味のアカウントでは知らない人との交流があります。昨日も、わたしが海外旅行でairbnbを使ったことを投稿していたら、フォロワーの方から、それについて質問がDMできました
岡田:Twitterは、いままで会ったことがない人に会ったりします。月に1回程度ですね。私の場合は、「インターネットサービス好き」といった共通点で合うことが多いです。
八代:Twitterは私も活用してます。会うことはほとんどありませんが、過去にオフ会のようなものは参加したことがあります。プライベートと仕事の間という感覚で使いやすいですね。facebookとInstagramの間にあるようなイメージです。
ーTwitterで知らない人と会うことがあるんですね。どういう流れでお会いされるんですか
岡田:最近だと、「よく使うアプリのことをツイートしていたら、そのアプリを運営している会社の人から連絡がきて」といった流れですね。あと、ファボをして、それがきっかけにコミュニケーションが始まることもあります。
里見:私は、フォローしている方から「ツイートみています。今度お茶でも」と頂いたり。
八代:フォローし合ってる人だと親近感あるので、知らない人と会うよりは会うのに抵抗は少ないのかもしれないですね。
ー最近、多くの人が利用している動画配信サービスでは、どのようなサービスを使っていますか
里見:フジテレビの動画配信サービスのFODでドラマを見ています。
岡田:AbemaTVはよく見ます。私はニュースを見たい時があるのですが、テレビを付けてもやっていない時があります。その分、AmebaTVはニュースだけの番組があるので。
ーお話を聞いていると、Instagramなど特定のアプリをヘビーに利用し、それ以外のアプリはあまり使われていない印象を受けました。
八代:使うアプリは限られていますね。新しいアプリで気になるものはほとんどでてきません。Instagramでかなりのことができてしまいます。
里見:私は最近、睡眠アプリを使ってますね。渡辺直美さんがテレビで紹介していて知った「Sleep Maister」というアプリです。睡眠サイクルから起きるのに適した時間で起こしてくれます。
岡田:渡辺直美さんは影響力がありますよね。
里見:渡辺直美さん、ゆうこす(菅本裕子)さん、こじはる(小嶋陽菜)さんは、学生の3大カリスマですね。
岡田:以前、早稲田大学生がどのようなアプリを使っているか調査をしたことがあるのですが、Pinterestは人気でした。
里見:ネイルとかファッションの保存には、Pinterestを使うこともありますが、Pinterestは古い写真もあがるので、その点ではInstagramの方がいいですね。
広告でもInstagramの存在感が目立つ
ー広告はクリックしますか
里見:漫画の広告はクリックすることがありますね。でも、アプリのダウンロードに遷移しちゃうとめんどくさいので、ダウンロードはしません。
八代:Instagramのファッションの広告は趣味に合うものは、クリックします。
岡田:私もInstagramの広告はクリックします。
ー仮想通貨は購入していますか
里見:購入していないです。買おうかと思っていた矢先に通貨流出などの事件があって、今は買うのをやめました。
八代:私も、仮想通貨を持ってしまうと日々のニュースとかで一喜一憂してストレスが多そうなのでやめてます(笑)。
岡田:持っていますが、2014年からもっているものを今でも持ち続けている形です。
周りはで海外の取引所を使った運用やICOの情報交換などが流行っています。
千円単位から投資している大学生もたくさんいて、Rippleに1万円投資してから30万になった学生もいますね。スマホで簡単に投資できるようになっているので、投資に関するハードルは格段に下がっていると思います。
ーPCは使いますか
岡田:レポートはスマホで作成することも多いです。
あと、原稿の文字数を図るのに、Twitterの投稿を使っていたこともあります。twitterでは入力文字数を「何文字」と表示してくれるので、複数投稿し、その文字量を参考にレポートの文字量を考えていました。
八代:私も大学生の頃は、スマホでレポート提出するときもありましたね。
通学中の電車でGoogleドキュメントにレポートを書いて、PDFにして、それをセブンイレブンのプリンタで印刷して提出していました。
岡田:最近は授業のレポートやノートなども、One driveやGoogle Driveでやりとりするので、共有が楽ですね。
八代:プライベートではPCはほとんど使いません。
ただ申込書などでたくさんの入力がある時や、サイトがスマホビューに対応していない時は仕方なくPCを使いますね。
里見:画像編集はPCですね。
編集部所感
気楽さを愛す学生たち
今回、もっとも印象に残った点は、Instagramの圧倒的な強さだった。
メッセンジャーとして使い、ブログや写真投稿サイトの代わりとして使う。また、モノを買う時や食事を決める時にも使われる。もはやInstagramは写真投稿サービスではなく、アクションの旗艦サービスとして使われていることが色濃くでたインタビューとなった。
またInstagramのストーリーの力強さも印象深い。この揮発性の高さが「気を使わなくて良い」という心地よさをうんでいるのだろう。その結果、昔は「気楽」と言われていたTwitterの投稿さえも、ストーリーに比べれば「重たい」という印象を持たれている。また、LINEのやりとりにも疲れている様子が見受けられる。
そう考えると、学生たちは、ソーシャルサービスにおいて、友人同士のコミュニケーションは重視にしながらも、同時に、気軽さを求めるというソーシャルによる疲弊が改めて浮き彫りになった。
その点では、実名のコミュニケーションから逃れやすい匿名性のTwitterが引き続き愛用されているのは、そのあたりに理由があるのかもしれない。
アプリに満腹な学生たち
もう1点の気づきとしては、女子大生はあまり多くのアプリを使っていないということだった。これは他のユーザインタビューでに同じ所感を得ることがある。
普段使っているアプリは「InstagramとLINE、買い物アプリくらい」という回答。今までは学生たちは新しいものを積極的に利用してきた。たとえばSNSであり、ダンスアプリであり、ゲームである。しかし、女子大生たちにおいては、「もう興味をひくものはない」と新アプリに対して食傷気味になっている。そのような世界では、アプリ訴求よりも、PWAのような気楽に使ってもらえるサービスのアプローチが求められるのかもしれない。
独自の価値観を持つ学生たち
また、上の世代とは違った趣向性も見えてきた。一つは出会い系アプリへの許容である。30代以上の世代にとっては出会い系アプリはネガティブな印象を持っている人は少なくないが、若い世代では、その印象はかなり減っているようだ。「Twitterで知らない人と会うことがある」という話を聞くと、物心がついた時からソーシャルが身近にあった若者たちにとって、インターネットから出会いに繋がること自体に違和感はなくなってきているのだろう。
また、現金よりもクレカへの利用意向が高いのも印象的だった。このトレンドを鑑みると、数十年後には、日本でもクレカの利用率は欧米なみになるのかもしれない。ただ、それに対して決済アプリが使われていないというのは、まだまだ障壁があり、それらを解決するための革新は求められているということだろう。
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