南ア・リステリア流行の発生元が明らかに

ポロクワネの工場で検出されたリステリア菌は毒性の高いものだった Image copyright Science Photo Library
Image caption ポロクワネの工場で検出されたリステリア菌は毒性の高いものだった

南アフリカ政府は4日、感染が広がっているリステリアの発生元を突き止めたと発表した。同国ではこれまでにリステリアに1000人以上が感染、180人が死亡し、史上最悪の事態となっている。

リステリアの流行元となったのは、北部リンポポ州ポロクワネの食品加工会社エンタープライズ・フーズ。同社工場から採取した環境サンプルのうち16種以上で、最も悪性の強いリステリア菌である「ST6」が検出された。当局は他の施設についても検査を進めている。

アーロン・モツォアレディ保健相は国立伝染病研究所での記者会見で、エンタープライズ・フーズと同業RCLフーズのソーセージをリコールする可能性があると指摘。また、既に対象製品を購入した消費者については、冷蔵庫を消毒する必要があるという。エンタープライズ・フーズの工場は近く閉鎖される見通しだ。

また保健省は、加工肉が小売店内でリステリアに汚染される可能性もあると警告している。モツォアレディ保健相は「食べられる状態で売られている全ての加工肉製品を避けること」とコメント。地元紙によると、特に妊娠中の女性は注意すべきとしている。

リステリアに感染すると高熱や嘔吐(おうと)、下痢などの症状が起きる。高齢者や免疫不全の人、新生児や胎児などに感染が広がっている。南アでは検査薬の不足から流行元の特定が2週間ほど遅れていたほか、リステリア菌は食品を均等に汚染しない特性を持つため、発見がさらに遅れたという。

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リステリアとは?

ペトリ皿の中のリステリア菌 Image copyright Getty Images
Image caption ペトリ皿の中のリステリア菌
  • リステリア菌に汚染された食品や、家畜との接触から感染する
  • 低温殺菌されていない牛乳や、カマンベールチーズなどの乳製品からの感染例が多い
  • サンドイッチやパテといったパック食品も汚染の可能性がある
  • 症状は高熱、インフルエンザに似た症状、嘔吐、下痢など
  • 感染者のほとんどは症状が表れないが、高齢者や未成年は注意が必要

(出典:英国国民保健サービス)

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(英語記事 South Africa listeria: Source of 'world's worst outbreak' found

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