【3月5日 AFP】インドネシア・北スマトラ(North Sumatra)州の村で、住民を襲った希少動物のスマトラトラが殺され、内臓を取り出されて建物の天井からつるされる出来事があった。野生動物保護当局が5日、明らかにした。

 殺されたスマトラトラは先月から、北スマトラ州のへき地にある村周辺で目撃されていた。当局によると住民たちは当初、スマトラトラを超自然的な生き物と考え、好奇心からジャングル内の巣まで後をついていったという。

 だが、スマトラトラは4日、住民たちに襲い掛かり、2人が重傷を負った。その後、スマトラトラを傷つけてはいけないという当局の警告にもかかわらず、住民たちはトラを殺そうと計画した。

 地元野生動物保護当局のトップはAFPに対し、「残念ながら住民は聞く耳を持とうとせず、トラを殺すと言い張った」と説明。スマトラトラが殺されないようにとの当局職員らの試みは住民たちによって阻まれた。

 またこの当局者は「スマトラトラを殺した後、住民たちは死骸を披露するためにつるした」と述べ、「大変残念だ」と語った。

 インドネシアではパーム油農園の開発を目的とした熱帯雨林の伐採などによって動物の生息地が脅かされており、人間との接触が身近になった故に衝突が頻発しているという。(c)AFP