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unsplash-logoShaun Coward

大橋悦夫越前屋俵太(えちぜんや・ひょうた)さんという人をご存じでしょうか?

「探偵!ナイトスクープ」や「世界ふしぎ発見」といったテレビ番組でレポーターを務めていた人物、なのですが、ちょっと、というかかなり変わった方で、ご存じの方であれば、思い出すと同時にニヤニヤしてしまうのではないかと思います。

今でいえば「芸人」というカテゴリーに入る方だとは思うのですが、特徴的なのは芸能事務所に所属せずにフリーで活動している、ということです。

しがらみから逃れ、たとえ損をすることがあったとしても自分流を貫き通したい、という意志を感じさせます。

そんなオウン・スタイルにこだわる越前屋さんに対して、芸能界の先輩たちは事務所に所属したほうがいいと諭します。

例えば、島田紳助さんは以下のような巧みな喩えを使っていたそうです(越前屋さんの著書『想定外を楽しむ方法』より)。

俵太なあ、芸能界はバイクのレースみたいなもんや、みんな大会にエントリーしてゼッケン貰って走るわけや!

それでな、みんな乗ってるマシーンも違うねん。俺はまあ400ccや、村上ショージは自転車かな、Mr.オクレさんは三輪車や。

どう考えたって俺のほうが速いに決まってる! 乗ってるバイクも違うしな!

俵太! お前は確かに速いねんけど、コースの外、走ってんねん!

せやから、なんぼ速ても、お前の記録は絶対に公認されへん、非公認やで!

これに対して、越前屋さんは次のように答えます。

紳助さん、僕はただ単に速く走りたかっただけなんで、別に非公認でもいいです。

もしスタジアムでそのレースを見てて、コースの外を走ってるのに、メッチャ速い奴がいたら、僕やったら絶対そいつのファンになると思うんで、やっぱり
エントリーしなくていいです!

このように、あえて「コースの外」を走り続けた先に、いったいどんな結果が待っているのか?

「自分にできること」さえやっていればいい?

ご本人も書かれていますが、島田紳助さんに対してつっぱった答えをしつつも、明確な答えがあったわけではなかったようです。

単に人を笑かしたいのであれば、普通にただ面白ければいいわけですし、そんなに世間と闘いたかったのなら、お笑いなんかせずにロックミュージシャンになって、ストレートに歌で表現するという道もあったと思います。

でも、結局歌も歌えないし、楽器も出来ないから、まずミュージシャンは無理だろうと勝手に思い込んでました。

そういえば、あるとき、ギタリストのCharさんといろいろ話をしている中で、思い出したように急に僕が「ロックやりたいんですけど、楽器とか弾けないんで、たぶん無理ですよね?」って聞いたら、Charさんが「お前そんなに喋れたら、それだけで十分ロックだ!」って言ってくれました。

たぶん、自分のやりたいことと、自分の置かれた状況とか立場との間にギャップがあったんでしょうね。そのことも、ある程度わかってたとは思うんですけど、なんていうか、難しいかもしれないけど、誰もやってないやり方というか表現の仕方ってあるはずだと勝手に思っていて、ずっとそれを探してました。

早い話、出来ることだけをやってればよかったのに、出来ないことばかりやろうとしてたんですね。

自分で勝手にハードル上げて、飛べない自分を勝手に悔しがってた感じです。

最後の「出来ることだけをやってればよかったのに、出来ないことばかりやろうとする」というくだりにはハッとさせられます。

「自分にできること」とは何か?

人と同じことはしたくない、というこだわりは持ち続けたいものですが、あくまでも「自分のできる範囲で」という前提です。

こう書くと、実に消極的なスタンスのように思えますが、むしろ「自分にできること」だからこそ、できる限りの努力ができるとも言えます。

「自分にできないこと」はどれぐらい努力をすればいいのか見当がつきませんし、そもそも何をすればいいのかも判然としないでしょう。

「自分にできること」とは端的に言えば、記録に残せることです。

記録に残せるということは、自分が何をしているのかを把握できているということ。

記録が詳しく書ければ書けるほど、それについての造詣が深いということになります。

つまり得意になれるのです。

記録で自分を塗り替える

一方、まだ「自分にできること」と言えないことであっても、どうにかして記録に残そうと努力を続けることで少しずつ「自分にできること」に変えることができます。

つまり、何にしてもとにかく記録に残していきさえすれば「自分にできること」が明らかになっていきますし、「自分にできないこと」であっても、少しずつ
「自分にできること」に変えていくことができる、ということです。

記録が自分を塗り替えてくれるわけです。




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03月24日(土)残業ゼロ化ワークショップ

残業ゼロ化ワークショップ
「残業ゼロ」を実現する(=残業ゼロ化)ためのワークショップを開催します。

●残業ゼロを実現し、継続している講師陣によるレクチャー
●同講師陣による一対一の個別相談タイム

という構成で、あなたの現状分析から問題点の発見、そして克服の道筋をつけるところまでを行います。

ツールとしてはタスクシュート(TaskChute2、TaskChute Cloud、たすくま)を前提としますが、相談内容によってはタスクシュートを使わない解決策をご提案させていただく場合もあります。

タスクシュートが使えるようになることではなく、
残業をゼロにし、そしてこれを継続する体質に変えること。

これが、残業ゼロ化ワークショップが目指しているゴールです。

もちろん、タスクシュートが「残業ゼロ」のための手段に過ぎないのと同様に、「残業ゼロ化」もまた何かの手段です。

その「何か」とは人それぞれに異なるかと思いますが、その実現のためにも最初の一歩である「残業ゼロ化」に取り組んでいきましょう。


» 残業ゼロ化ワークショップ@渋谷


「タスク管理トレーニングセンター」のご案内


タスクカフェは東京(渋谷)でのみ開催しているため、地理的にご参加が難しいという方、あるいは日程的に厳しいという方もいらっしゃるかと思います。

そこで、オンラインコミュニティ「タスク管理トレーニングセンター」を開設しました。


▼タスク管理トレーニングセンターとは?

「タスク管理トレーニングセンター」は、タスク管理にまつわる以下のような課題に取り組みます。
  • いろいろな本を読んだりセミナーを受けたが自分なりの方法が確立できていない
  • こちらの業務環境や状況に合わせて客観的なアドバイスをして欲しい
  • 誰に質問していいのか分からない
  • どのツールが自分に合うのかが分からない
  • TaskChute2で「こういうこと」をしたいが方法が分からない
  • たすくまで「こういうこと」をしたいが方法が分からない
  • TaskChute Cloudで「こういうこと」をしたいが方法が分からない
  • この使い方で合っているか不安
  • もっといいやり方があれば教えて欲しい
  • 他の方とタスク管理に関する課題を共有したい
これらの課題の解決のために以下のようなメニューをご用意しています。
  • タスク管理アプリの開発者とタスク管理のエキスパートがあなたのご質問にお答えします
  • 一般非公開のコミュニティで他の参加者の方と課題を共有できます
  • タスク管理の考え方・やり方の理解を深めるためのレクチャー動画をご覧いただけます

ご質問にお答えするのは、TaskChute開発者の大橋悦夫、たすくま開発者の富さやか、TaskChute Cloud開発者の松崎純一、そして、タスクシュート歴10年の佐々木正悟の4名です。

また、毎月のタスクカフェのレクチャー内容を動画で公開しています。

これまでにお答えしているご質問や現在公開中のレクチャー動画については、以下のページにて詳しくご紹介していますので、ぜひご覧ください。

» タスク管理トレーニングセンター
タスク管理トレーニングセンター

タスクシュート® とは?

» TaskChute2(Windows・Excel)

タスク管理ツール・TaskChute2


» TaskChute Cloud(クラウド)

TaskChute Cloud

» たすくま(iPhone)


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たすくま「超」入門

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仕事に必要なことはすべて映画で学べる
星5つ 著者は「うる星やつら」、「パトレイバー」、「攻殻機動隊」の押井守さん。

全編、映画作品の解説 → 分析 → 現実へのフィードバック、という三段構成で「あぁ、あの映画はそういう風に解釈するのか!」とか「あのシーンはそういうことだったのか!」あるいは「そこに落とし込むのか!」といった「!」の連続。

人生の時間は限られているので、あらゆることを経験することは不可能。となれば、誰かの経験を疑似体験することで糧にしていくしかない。

映画はそんな疑似体験のためのかっこうの手段といえる。

映画は2時間前後という尺...
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