レジデントたちのモノローグ

鹿児島民医連の研修医ブログ。
鹿児島・霧島・奄美など県内各地の地域医療を支える初期・後期研修医たちの奮闘記!

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こんにちは。後期研修医の◯◯です。

 

ということで今回のテーマ「子宮頸がんワクチンって結局どうなっているの」シリーズのまとめを独断と偏見?で行いたいと思います。

 

まずインフルワクチンと同様に各種の罹患・死亡のデータを分析します。

 

①日本の総人口は約12700万人

子宮頸がん発症 年間推計1万人 10年間推計10万人

   年間発症リスク 0.0078%(10万人あたり7.8人)

  10年間発症リスク 0.078%(10万人あたり78人)

子宮頸がん死亡 年間推計2700人 10年間推計2万7000人

  年間死亡リスク 0.0021%(10万人あたり2.1人)

  10年間死亡リスク 0.021%(10万人あたり21人)

④ 参考までに

 交通事故 年間死亡数 3694人 10年間死亡数 3万6940人

   年間死亡リスク 0.0029%(10万人あたり2.9人)

     10年間死亡リスク 0.029%(10万人あたり29人)

 日本人 年間全原因死亡数 134万4000人

   年間死亡リスク 1.0%(10万人あたり1055人)

     10年間死亡リスク 10%(10万人あたり10550人)

⑤ NEJM2007文献データから(ブログパート4に記載)

 発症リスク減少 約17% (15歳から26歳で接種するとして)

 死亡リスク減少・・・不明(まだ証明されていない)

 なので発症リスク減少を約5分の1程度で計算すると

 子宮頸がん罹患減少 年間推計2000人 

   年間発症リスク減少 0.0015%(10万人あたり1.5人)

  子宮頸がん死亡減少 年間推計540人(発症リスクと同程度リスクが減少すると仮定)

  年間死亡リスク減少 0.0004%(10万人あたり0.4人)

⑥ ワクチンの効果が10年持続すると仮定すると(10年以上は証明されていない)

 子宮頸がん罹患減少 10年間で推計2万人 

  10年間発症リスク減少 0.015%(10万人あたり15人減少)

子宮頸がん死亡減少  10年間推計540人(発症リスクと同程度リスクが減少すると仮定)

 10年間死亡リスク減少 0.004%(10万人あたり4人減少)

⑦HPVワクチン副作用について

副反応疑いの総報告数は 3,130 人(10 万人あたり 92.1 人)

医師又は企業が重篤と判断した報告数は 1,784 人(10 万人あたり 52.5 人)

HPV ワクチン接種との因果関係が否定できないとして救済制度の対象となった方は295 人(10 万人あたり 8.68 人)

 

太字のデータが注目すべき点です。HPVワクチンの10年間単位での有効性と副作用を比べてみると

1)子宮頸がん罹患が10万人あたり78人で、ワクチン接種により10万人あたり15人減少するが、医師企業が重篤と判断した症例は10万人あたり52人の副作用が生じる.。

2)子宮頸がん死亡が10万人あたり21人で、ワクチン接種により10万人あたり4人減少するが、HPVワクチン接種との因果関係が否定できずに救済制度の対象となるような副作用は10万人あたり9人に生じる。

 

どうでしょうか。つまり子宮頸がんに罹患する確率がそもそも非常に低く、前述の文献を参考にすると有効性も20%程度で、副作用も推測される有効性の効果に比べたら無視できない程度の頻度で起こっています。

HPVワクチン接種するかどうかは、個人の判断によるところになりますが、このデータをみる限りでは個人的にワクチン接種しようとは思いません。

国家規模で集団接種にするには有効性が乏しいと思うし、少なくともHPVワクチンを推奨していない日本がWHOに批判されるほどの有効性は持ち合わせていないと考えます。厚労省の現在のスタンスは非常に無難であり、この程度のデータで厚労省の姿勢が批判されたり圧力がかかったりするのはEBMに基づいたものでなく、別の力が働いている可能性が高い?からなのか。

 

 上記データでも10年単位で10万人あたり子宮がん罹患は15人減らし、死亡を4人減らすのでワクチンは一定有効であると、主張する人もいるかもしれません。

 前述のピロリ菌のメタ解析の結果を繰り返すと、「ピロリ除菌により胃癌の発生は減少させるが、胃癌死亡や全原因死亡は減らさない」、というのは言い方をかえると、「胃癌にならなかったけど、他の病気になって死亡した」とも言えます。

 よく格言で「木を見て森を水」といいますが、HPV感染と子宮頸がんの局所の関係のみにとらわれると、本日を見誤ってしまう可能性があります。つまりHPVワクチンを接種したことで10万人あたり4人の人が子宮がんで亡くなるのを回避できるかもしれないが、その効果よりももっと高い確率で、例えば前述の交通事故で10万人あたり29人が亡くなっているし、子宮頸がん以外の原因で10万人あたり約1万人が亡くなっている状況を考慮すると、確率的にはワクチンで子宮がん死亡を回避したとしても他の原因で亡くなってしまう可能性が高く、HPVワクチンの意味がないように思えます

 

個人的な結論としては、HPVワクチン接種による子宮頸がん抑制効果は、まだ科学的に証明されていないだけでなく、上記データを踏まえると「HPVワクチンは有効である、とはとても言えない」と個人的には考えます。 

 

追伸:前述のNEJM2007の文献ではワクチン接種群およびプラセボ群のいずれにも子宮頸がん(浸潤癌)が発生していませんでした。研究期間が3年と短いので当たり前です。子宮頸がんがHPVワクチン感染から発症するに10年~20年かかるといわれていますが、前述の文献からは、既に10年ぐらい経過しています。経過からすると、その文献対象者を前向きで追っていくことで10年後の子宮頸がんの抑制効果に関する論文が出てもおかしくない時期だと思うのですが、negativeデーターのため世に出てこないのか?と密かに考えたりします。

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