舌が白いとイヤじゃない?15の原因と根本的予防&すぐできる簡単対策

舌が白いとイヤじゃない?15の原因と根本的予防&すぐできる簡単対策

舌が白くなるのは、食べカスに集まった細菌のかたまり「舌苔(ぜったい)」のせい。ドライマウスやストレス、いびきや薬の副作用まで原因は15も!それぞれの根本的解消法と、簡単にできる対策を知って、口臭のないキレイなピンクの舌を目指しましょう!

舌が白い正体ってなに?

鏡に映る自分の舌。「あれ、舌ってこんなに白かったっけ?」と思ったことはありませんか?他の人の舌はキレイなピンク色なのに…なんだか汚い?もしかして…病気?

舌の白さは、程度によって問題のないものから病気が原因のものまで様々です。あわてて舌を磨く前に、症状や原因、簡単にできる予防や対策を見ていきましょう。

舌苔(ぜったい)の特徴

舌の白さの原因は、舌苔(ぜったい)という細菌のかたまり。舌の上に残った食べカスや古くなった舌の細胞をエサとして繁殖したもので、舌についた歯垢という意味です。

舌の表面は歯茎などと違ってザラザラしていますよね。これは糸状乳頭(しじょうにゅうとう)もしくは舌乳頭(ぜつにゅうとう)というものが表面にあるためで、その隙間に細菌のエサとなる汚れが溜まりやすいのです。舌表面だけでなく乳頭間にも舌苔はでき、舌ブラシでゴシゴシ磨いてもこの舌乳頭の間の苔を取ることはできないため、舌苔が残っています。

色は白っぽかったり黄色っぽかったり、食生活や口内環境などによっても違いがあります。

舌苔の症状とは?

様々な舌苔の症状を見ていきましょう。

全体がうっすら白い

全体的にうっすら白く、赤みが弱い程度の舌。普段から貧血気味や冷え性の人は舌の色が白っぽいことが多く、ほとんどの場合は自然であまりたくさんの舌苔がついているわけではありません。

健康な状態の舌でもうっすらと舌苔はあります。あまり神経質になることはないでしょう。

舌の表面が溝のように…溝状舌(こうじょうぜつ)

舌の表面に溝ができている溝状舌(こうじょうぜつ)。舌が乾いている人に多く、溝に汚れがたまりがちなので舌苔もできやすいでしょう。溝を丁寧に掃除する必要があります。

舌に歯形がクッキリと残る

舌のふちに歯型がくっきり残っている人は、舌が白くなりやすい傾向があります。これは加齢などで舌が本来の位置である上顎近くにキープできず、だらりと下に垂れ下がることで歯の跡がついています。舌が弱って動きが減っていると言えるでしょう。すると唾液の分泌が減るため舌が白くなりがちです。

口呼吸の人にも多い例で、気道が舌で圧迫されて鼻呼吸が難しいため口呼吸になり、特に睡眠時に舌が乾きます。横向きに寝ると気道をふさぎにくくなるのでおすすめ。

口臭の原因に

舌苔は雑菌の集まり。細菌がエサであるタンパク質を分解するとニオイ物質が発生し、口臭の原因になります。ニオイだけでなく「唾液がネバネバする」と感じる人は要注意です。

びっしり厚くこびりついている

口呼吸やイビキ、薬の副作用など様々な理由で口の中が乾くドライマウス(口腔乾燥)になると、分厚い舌苔がびっしりこびりついている…ということも。またブラシで磨くことにより逆に舌苔が増えている場合もあります。

舌の色が黒や黄色になっている

喫煙者の場合は、舌苔が黄色っぽくなります。また胃腸が弱っているなど体調の悪い時や薬の副作用・過度の喫煙などで、黒毛舌(こくもうぜつ)と呼ばれる舌の奥が黒ずんだ状態になることも。何らかの病気の症状の一つである可能性もあるので、医師の診察を受けるといいでしょう。

またコーヒーやカレーなどの食品を口にした後は、舌苔に色やニオイがつくことがありますが一時的なものです。

ひどくなると味覚異常を引き起こすケースも

舌苔が増えて黒毛舌になったり症状がひどくなると、味覚障害を引き起こしてしまうことも考えられます。これは舌の表面が舌苔でびっしりと覆われてしまうことで味を感じる味蕾(みらい)細胞まで味刺激が届かず、味がわからなくなるためです。

舌が白くなる舌苔(ぜったい)の原因と予防対策

食べカスや死んだ細胞、それらに集まる細菌のかたまりである舌苔ができる原因は、先天的なものから生活習慣・病気など様々。それぞれの原因別に予防&対策を見ていきます。

1、ドライマウス

≪原因≫
口の中が乾燥して舌や喉が乾く「ドライマウス症」は、細菌が増えやすくなるため舌苔の原因の大半を占めています。

舌苔の他に

・口の中がネバつく
・水がないと食べ物が食べにくい
・唇が乾いている
・舌に溝ができている
・頻繁に口内炎ができる

などのサインがあり、口呼吸または唾液量の少なさが主な原因です。唾液が少なくなる要因としては

・加齢による更年期障害
・薬の副作用による唾液腺への指令障害
・ストレスや緊張による自律神経の乱れ
・糖尿病などの病気による血液の減少など

が挙げられます。


≪予防・対策≫
歯科で受けられるドライマウスの治療として、人口唾液の処方があります。その他舌に保湿ジェルを就寝前に塗ることで、夜間の口呼吸によるドライマウスを軽減することが。

また、普段から酸っぱいものをイメージして唾液を出したり、食事中に噛む回数を増やすことで唾液の分泌量を増やすことができますよ。

2、水分をとらない

≪原因≫
日頃から水を飲む習慣があまりない場合、十分な量の唾液を作ることができません。すると口腔内が乾き、舌苔ができやすくなります。

≪予防・対策≫
1日あたり1.5〜2リットルの水を飲むようにしましょう。1回250ml程度の水を、起床時・食事前・喉が渇いた時などに飲みます。食事中などもともと唾液が分泌しやすい時を避けたほうが唾液の分泌を妨げません。

3、睡眠不足

≪原因≫
睡眠時間が足りていなかったり熟睡できていなかったり、また不規則な生活を続けていると自律神経のバランスが乱れます。リラックスしている時にはたらく副交感神経はさらっとした唾液をたくさん出しますが、緊張している時にはたらく交感神経が優勢になると唾液が出にくくなるのです。このバランスが崩れることも舌苔の原因です。

また免疫力が下がるため、普段は繁殖しづらい細菌が活発に活動してしまい舌苔が増えることに。


≪予防・対策≫
なるべく毎日同じ時間に寝起きできるよう生活を見直してみましょう。睡眠時間は7時間前後が理想的と言われますが、質の高い睡眠つまり熟睡できているかも大事なポイント。就寝前に入浴したりアロマを使ったり、熟睡できる工夫してみて。ベッドでスマートフォンを使うことも寝つきを悪くしてしまいます。

4、口を動かさない

≪原因≫
食べる時、話す時、私たちは口を動かしています。ですが柔らかいものばかりを食べてあまり咀嚼(そしゃく)しなかったり、あまり人と喋らない生活が続くと舌が衰え唾液の分泌量が減ります。朝起きた時に口が乾いていたり口臭があるのは、就寝中は口が動かないため唾液があまり出ていないから。

舌苔や口臭が気になって口を閉じてばかりいると、逆効果なのですね。

≪予防・対策≫
なるべく硬い食材を取り入れ、しっかり噛んで食べるようにしましょう。噛む回数が増えればそれだけ唾液の分泌量は増します。そして話す回数も増やしましょう。また、普段から意識的に舌や口を動かすことも効果的です。

5、タバコ、飲酒

≪原因≫
タバコを吸うたびに、口の中は乾燥しています。また血管を収縮させるため歯周病になりやすく、舌の細菌が繁殖しやすい環境に。そして舌苔の色も黄色っぽくなりがちです。

アルコールも同様に口腔内が乾きやすくなります。そして飲酒後に寝るといびきをかきやすいため、翌朝は口の中が一層乾燥してしまうでしょう。

≪予防・対策≫
まずできるだけ禁煙。そして舌苔が気になっている時や、ストレス過多の時、体調不良の時は飲酒を避けるのがベターです。

6、肉体的・精神的なストレス

≪原因≫
私たちの生活はいつもストレスにさらされています。仕事・家庭・人間関係…これらの精神的ストレスは交感神経を活発にし、唾液の分泌を減らしてしまいます。また溜まった疲労や病気・怪我、暑さや寒さなど肉体的なストレスも同様です。舌苔の不快感がストレスとなって唾液が減少、さらに舌苔が増える…という悪循環も起きがち。

≪予防・対策≫
「軽いスポーツや趣味などでストレスを解消しましょう。」と言うのは簡単ですが、ノンストレスな生活というのは現実には非常に難しいものですよね。それでもストレスは舌苔以外にも体に様々な変調をきたしますから、自分なりの発散方法を見つけること、ストレスとうまく付き合っていくことは「舌が白い」ことを治す以上に大切ではないでしょうか。

7、舌乳頭が長い

≪原因≫
舌の表面にある舌乳頭(糸状乳頭)が、先天的または後天的に長い人がいます。すると食べカスなどのタンパク質がたまりやすくなるため、舌苔が増えてしまうのです。

後天的に舌乳頭が長くなるのは胃腸が弱っている時など。また食べものや舌ブラシなどがこすれることなどで角化が進むと、舌乳頭は長くなります。角化した舌乳頭は白く見えるため、舌苔と間違ってこすり結果的に舌苔を増やしてしまうこともありがち。

≪予防・対策≫
まず胃腸の調子を整えましょう。それから、舌苔が気になると言って磨きすぎるのは禁物です。

8、イビキ

≪原因≫
イビキをかいている時、その音の大きさに関わらず口呼吸になっており、乾燥を招きます。アルコールを飲んだ後や鼻が詰まっている場合、また太っている人はいびきをかきやすいでしょう。

≪予防・対策≫
気道が確保しやすいように横向きの姿勢で寝てみましょう。寝返りが楽にできる寝具に替えるのもひとつ。

9、内臓が弱っている

≪原因≫
内臓、特に胃腸が弱っている時は舌苔が厚くなります。病院で診察を受けるときに医師が舌を見るのは、それだけ胃腸の状態が顕著に舌に現れるため。舌乳頭も伸びるので舌苔が増えやすくなるのですね。

≪予防・対策≫
暴飲暴食、刺激物のとりすぎなどに注意し、必要に応じて医師の診察を受けましょう。

10、もともとある疾患の影響

≪原因≫
体内の水分が不足する糖尿病、唾液が出にくくなるシェーグレン症候群など、もともとある疾患の症状として舌苔が気になることも。

≪予防・対策≫
舌苔以外にも何らかの症状や異変があるようなら、医師の診察を受けてください。

11、薬の副作用


≪原因≫
薬の副作用として、唾液が少なくなることがあります。降圧剤や利尿剤、抗うつ剤、精神安定剤、鎮痛剤や花粉症の薬を服用しているときに口が乾きやすくなり、舌苔ができることが。

≪予防・対策≫
短期間の服用であれば舌苔も一時的なのでそれほど心配はいりませんが、服用期間が比較的長いものなら、別の薬を処方してもらえないか医師に相談してみましょう。

12、歯磨き不足

≪原因≫
私たちの口の中には膨大な数の菌が存在し、特に夜寝ている間に増殖します。普段からあまり歯磨きができていない、就寝前の歯磨きをしていない人は当然菌が増えやすく舌苔が厚くなります。

≪予防・対策≫
食後には丁寧に歯磨きを。特に就寝前の歯磨きを徹底しましょう。

13、免疫力の低下の可能性

≪原因≫
疲労がたまったり病気になったりで免疫力が低下すると、常在菌の一つ「カンジダ菌」が異常繁殖して「口腔カンジダ症」を引き起こします。舌だけでなく頰粘膜にも白いものが付着したり、粘膜が赤くなってひりつきを感じることも。抗生物質を長期間服用したときにもなりやすいでしょう。

≪予防・対策≫
口腔外科や歯科で診察を受けましょう。抗真菌薬の塗り薬やうがい薬が処方され、内服薬を用いる場合もあります。

14、舌磨きが原因


≪原因≫
舌苔が気になって舌を磨く、その行為自体が舌苔を増やすことにもなりえます。なぜなら、舌苔を取っているつもりが舌乳頭も削り取っているから。

舌苔は舌乳頭の隙間にもできているので、いくらブラシなどでゴシゴシ磨いてもその隙間の汚れまでは落とせず、「まだ取りきれない」とさらに磨いて舌乳頭を傷つけてしまいます。削られた細胞は細菌の餌になるため、さらに舌苔が増えていくでしょう。

また、傷つけられた舌乳頭は長くなるため、さらに汚れや舌苔がたまりやすい舌に。これはブラシで磨くタイプもスクレーパーで擦り取るタイプも、比較的低刺激そうな不織布を用いたタイプでも危険性に大差はありません。

≪予防・対策≫
白くなった舌を磨きたくなる気持ちはわかりますが、ブラシなどで舌をゴシゴシ磨くのはNG。次の章に舌をキレイにする簡単な方法を紹介していますので、参考にしてみてください。


15、うつ病や甲状腺疾患の前触れ

≪原因≫
舌の赤みが薄くて白っぽく、気力もない…それはうつ病の可能性も。また甲状腺疾患の症状として舌苔や舌の厚みの変化などが現れます。

≪予防・対策≫
舌苔以外にも気になる症状があるようであれば、医師の適切な診断と治療を受けましょう。

白い舌をキレイにする簡単な対処法

舌苔ができる原因は15個も。これらを解決すれば舌はキレイになるのでしょうが…肉体的にも精神的にもストレスなく規則正しい暮らしを送って7時間眠り、お酒もタバコもやめて毎食よく噛んで食べ…なかなか実践するのは難しいですよね。

ここではより簡単に舌苔の悩みを軽減する方法をご紹介します。

方法1、ネバネバ食材を食べる

山芋・納豆・昆布・オクラ…これらのネバネバ成分は、細菌の活動を抑制するはたらきがあるため、舌苔予防効果も期待できます。

ドライマウスと感じたら、ネバネバ食材をメニューに取り入れてみてはどうでしょう。

方法2、舌を上あごで優しくこする

舌を上あごにこすりつけると、表面の舌苔を優しく落とすことができます。舌乳頭の間の舌苔までは取れませんが、ブラシなどの道具を使うより舌に負担をかけずに表面の汚れを落とせます。

舌を動かすことで、唾液の分泌もアップ。

方法3、果物の酵素を利用する

舌の白さが気になるときは、パイナップルやキウイを食べてみて。舌苔は、細菌や舌細胞の死骸や食べカスのかたまり、つまりタンパク質です。パイナップルなどのタンパク質分解酵素が舌苔を分解してくれるため、舌がキレイに。

食べた時に舌がピリピリするのは、角化した舌乳頭も取れているから。でも一時的なものなので心配いりません。

方法4、乳酸菌をとる

口の中で増えてしまった悪玉菌。善玉菌を増やしてバランスを整えてくれる乳酸菌を摂取するのも効果的です。乳酸菌が腸内環境を整えることはよく知られていますが、加えて口内環境も整うことで舌苔の悩みも解消できるでしょう。

プレーンヨーグルトを食べるか、乳酸菌タブレットを試してみて。

方法5、音波専用ブラシ

舌ブラシやスクレーパーで舌苔をこすり落とすのは、舌の負担が大きいのですが、音波ブラシをそっと当てれば舌乳頭を傷つけず舌苔を取ることができます。決してこすらず、一度に取るのではなく少しずつ行うのが舌を傷めないコツ。

方法6、保湿ジェル

舌の汚れを浮き上がらせて落とす専用ジェルや保湿ジェルも市販されています。保湿ジェルは、就寝前に塗ることで眠っている間の口呼吸による「ドライマウス」を抑えることができます。

方法7、漢方薬

口の渇きを緩和する漢方薬もあります。またドライマウスだけではなく、内臓の不調やストレスなどそれぞれの原因に沿った漢方治療を専門家から受けることもできるでしょう。
ですが漢方とはじっくり体質を改善していくものであり、即効性のある治療ではありません。症状がひどい場合は口腔外科に相談しつつ直していきましょう。

磨きすぎはNG!やさしいケアと潤いを

あなたの舌苔の原因はなんでしょうか?その根本的な原因がすぐに解消できれば一番ですが、すぐには難しい場合、食べ物や音波ブラシなどカラダに優しいケア対策をとってみてください。ケアの効果がなく異常を感じたら、すぐに口腔外科や歯科で相談することもお忘れなく。

ですが全く舌苔のない人はいませんから、少し白っぽい程度ならあまり気にしすぎないことも大切ですよ!

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