仕事中の女性

うつ病で休職中、復職を考えているあなたへ。

これまで「社会復帰を焦っちゃダメよ」ということを何度か書いてきました。これは本当に大切なことで、早すぎる職場復帰によって、うつ病がすぐに再発したり、再び休職することになってしまうケースが多々あります。

このことに充分に注意しつつ。今日は、どれくらいの回復で復職を考えるのがベストなのか、その最低条件について考えてみたいと思います。

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うつ病からの復職準備ガイド~職場復帰の不安を乗り越えるために~

復職の最低条件


復職をしたいと主治医に伝えたときにアドバイスされるのが、生活のリズムを整えること。特に、朝起きることがかなり大事で、生活にも大きな影響を与えるようです。

朝起きの効用 | とりあえず俺と踊ろう(精神科医のブログ)

急性期や症状が良くないときには、無理せず横になって身体を休めることが第一。そして、体調が安定し、リハビリ期に入ったら、その崩れた生活リズムを整えましょう、ということですね。

生活リズムの確立も含め、復職の具体的な目安が『うつ病診療最前線―再発させない治療法』という本の中で示されています。以下、簡単にまとめながらご紹介します。

復職の目安

  • 睡眠のリズムが確立されているか? (きちんと夜寝て、朝起きることができる、夜更かしをしない、昼寝をしない)
  • 朝、電車に乗って図書館に行き、集中して読書ができるか?
  • 午後、家に帰ってからは運動、特に有酸素運動(30分~1時間の散歩やジョギング、ランニング、水泳など)が毎日にようにきちんとできているか?
休職中のビジネスマンやOLさん向けの目安です。これらの基準を満たすためのトレーニングとして、著者の唐渡氏は「図書館テスト」をすすめています。

図書館テスト

  • 朝、通勤するのと同じ格好をして、同じような電車に乗って図書館へ行く。
  • 午前中いっぱい、図書館で仕事関係の本を集中して読む。
  • これが1週間、2週間と続けられるかどうかを確認する。


復職準備ゲーム


以上の点を参考に、私の経験をプラスして、チェックポイントをまとめました。名づけて「復職準備ゲーム」。復職準備段階クリアし、LEVEL5にレベルアップしたら復職を考えることにしましょう。かなり難易度は高めです。レッツ・チャレンジ!


LEVEL1:「何かやりたいな~」という気持ちの芽生えを感じ取る。

LEVEL2:睡眠チェック
  • 夜更かしをしない。
  • 22:00に床に入り、リラックスする(ケータイ・スマホは閲覧禁止)。
  • 6:00に起床する。

LEVEL3:集中力チェック
  • 午前中いっぱい、仕事関係の本を読む。
  • 400字(原稿用紙1枚分)程度の文章を書く。

LEVEL4:体力チェック

  • 図書館へ行く。
  • 朝、通勤するのと同じ格好をして、同じ電車に乗る。
  • 毎日運動する(30分~1時間の散歩やジョギング、ランニング、水泳など)。
  • 1カ月続けられるかどうか確認する。

LEVEL5:復職について考え始める。

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最後に


うつ病治療は、復職のためのリハビリ期間が一番難しい気がします。どれくらい負荷をかければいいのか? 力の加減をどれくらいにしたらいいのか? バランス感覚が求められます。結論はいつもと同じになってしまうのですが、やはりできることからコツコツと積み重ねていくしなないんですよね。

休職中の方だけではなくて、現在職に就いていない方も、復職準備がLEVEL5に到達したら、自信を持って社会復帰を考えていいと思います。

焦らず、確実に。じっくり進んでいきましょう。



<本日の一冊>
唐渡雅行 (2010)『うつ病診療最前線―再発させない治療法』 時事通信社