ノブクリークは、ジムビームを製造するビーム社が手がけるクラフトバーボンブランドの一つです。
その名称は、ケンタッキー州出身の第14代アメリカ大統領、リンカーンが幼少期に住んでいた土地の小川の名称です。
ノブクリークのコンセプトは、禁酒法以前にアメリカ政府の品質管理法の下で作られた高品質のバーボンを再現することにありました。
19世紀の後半になると、多くの地でバーボンが作られていたものの、粗悪品も存在し、バーボン市場に混乱をもたらしていました。
そこで連邦政府は、適切な酒税獲得も目的として、「ボトルド・イン・ボンド法」が1897年に制定されました。
その条件とは、
- 単一の蒸溜所で、1年の内の1シーズンだけ蒸溜した原酒を樽詰めすること。
- 連邦政府の税官吏の監督の倉庫で、4年以上熟成させること。
- アルコール度数50度(100プルーフ)以上で瓶詰めすること。
ノブクリークでは、9年以上の熟成を行い、当時の法律同様に50度のアルコール度数のままボトリングを行っています。
ボトルの形状やラベルは、禁酒法時代にブーツに隠しやすいフラスクボトルを模し、警察などの目を盗むように新聞紙にくるんで飲んでいたことにちなんだものになっています。
まずはストレートから。
グラスに注ぐと、液色は茶褐色、香りはバーボン特有の接着剤、そしてレモンが香ります。
口に含むと、レモン、リンゴ、ハチミツ、ナッツ、バニラと続きます。
味わいはアルコールの辛みは少なく、甘さが前に来て、酸味が追いかける印象です。
ロックにすると、ナッツの香りが表に来るように揮発し、後からリンゴ、バニラ、カカオと甘い香りが続きます。
味わいは、ビターが目立ってきますが、それでも甘みと絡んで、複雑な印象になります。
加水が進むと、ビターは薄まり、さらに甘みが増してきます。
最後にハイボール。香りは接着剤がやっと現れ、続いてナッツ、リンゴ、バニラと続き、後には海藻を感じ取れます。
味わいは、ビターが優勢になり、苦みの利いたハイボールになります。
50度のアルコールを感じさせないほど、まろやかで甘みが強いバーボンと言えます。特にロックで飲むことで、その魅力を堪能できるでしょう。
一方でハイボールにすると、レギュラーのジムビームブラックのように、苦みが強いものになり、ビールが好きな人でない限り、あまり好んで飲むものとは言えないでしょう。
750mL、価格は4000円ほど。
バーボンとしては結構なお値段ですが、損をさせない見事な出来です。
<個人的評価>
- 香り A: エステリーさは少なく、レモン、リンゴ、ハチミツ、ナッツ、バニラ、カカオと続く。
- 味わい A: アルコールの辛さは少なくてまろやか。ただ、加水が進むとビターが目立つ。
- 総評 A: ストレート、ロック、トゥワイスアップで甘い香りと味わいが楽しめる。
ノブクリーク 750ml |
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