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「究極のFF15」を最⾼画質/フルHD/60fpsで遊びたい、快適動作のPC構成を考えてみた

湾曲液晶で没入感アップ、ヘビー級ゲームを快適に動作させるには? text by 坂本はじめ

 4K解像度やHDRに対応し“究極のFINAL FANTASY XV”と銘打たれた「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION」の発売が3月7日(水)に迫っている。

 PCだからこそ実現できる最高のグラフィックを存分に味わうべく、「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION」が快適に動作するであろうPCスペックを探ってみたい。今回ターゲットにするのは、フルHD最高画質で60fpsを実現できるPCスペックだ。

 「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION」は発売に先駆けベンチマークソフトが現在配信されている。このベンチマークソフトの結果と、公表されている推奨スペックを元に、快適にプレイできるPCの構成を探ってみよう。

推奨スペックの一段上の構成で最高画質動作を目指す今回の構成は6コアCPU + GeForce GTX 1070 Ti

 FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION(以下FF15)最大の特徴は、既に発売済みのPS4版やXbox One版を超えるグラフィック品質とフレームレートだ。

 ハイエンドゲーム機であるPS4 ProやXbox One Xよりも美しく滑らかなグラフィックで快適なプレイを実現するためにも、フルHD解像度かつ高品質設定で60fpsを目指したい。

 公式サイトでは、フルHD解像度(1080p)での「推奨動作環境」を含む、動作環境の目安が公開されている。内容は以下の通り。

 フルHD解像度かつ高品質設定で60fps以上が狙えるPCを実現するには、少なくとも「推奨動作環境」以上のスペックが必要だろう。これを踏まえつつパーツ構成を考えてみよう。

ビデオカードは高性能クーラー搭載で高クロック動作も狙えるZOTAC GeForce GTX 1070 Ti AMP Extreme

ZOTAC GeForce GTX 1070 Ti AMP Extreme

 ゲームを楽しむためのPCの最重要パーツはやはりビデオカードだ。快適なプレイのためには他のパーツの性能も必要になるが、ビデオカードが備えるGPUの性能を欠いては元も子もない。

 今回用意したのはGeForce GTX 1070 Tiを搭載するZOTAC GeForce GTX 1070 Ti AMP Extreme。メーカーテスト済みのOC設定を適用できる「One Click OC」に対応し、3基のファンを搭載する巨大なGPUクーラー「IceStorm」でGPUの発熱を抑え込むことで、常に安定して高い性能を発揮できる。

 多くのPCゲームの場合、推奨スペックは中の上程度の画質で遊べることがターゲットとなっていることが多い。FF15はGeForce GTX 1060が推奨になっているので、最高画質で遊ぶなら1~2ランク上のモデルを選ぶのが良いだろう。

3スロットを占有する大型GPUクーラー「IceStorm」により、GPU温度を常に低く保つことができる
独自形状のブレードを採用し、ファン中心部へも送風できるEKOファンを3基搭載
⾁厚の⾦属製バックプレートを搭載しており、⻑期的な使⽤でもカードの歪みを防ぐ効果が期待できる
ディスプレイ出力端子はDVI-D、HDMI、DisplayPort×3。様々なディスプレイとの接続が可能
ZOTACのGPUユーティリティ「FireStorm」。専用の設定ファイルをロードすれば、One-Click OCによりメーカー保証済みのオーバークロック動作が可能となる
今回のPC構成で3DMark Fire Strikeを実行した際のスコアは17,162だった。

マザーボードは電源回路も強力なASRock Z370 Extreme4、CPUは6コアのCore i5-8400を選択

ASRock Z370 Extreme4

 FF15のゲームエンジンである「ルミナスエンジン」では、PC向けに最適化されたことで、マルチコアCPUがゲームのパフォーマンスに影響する。そこで今回は、Intelの6コアCPU「Core i5-8400」をCPUに利用することにした。

 Core i5-8400に対応するマザーボードとして用意したのが、「ASRock Z370 Extreme4」。Coffee Lake世代のCPUに必須なIntel Z370 チップセットを搭載したATXマザーボードだ。

 コスト、品質、そして機能のバランスに優れたスタンダードグレードのマザーボードであり、後々ストレージを増やしたりといったことにも対応できる。長期的に運用するPCにはATXマザーボードの拡張性の高さは魅力的だ。

 今回6コアCPUを使用するので、特に電源回路周りにもこだわりたい。ASRock Z370 Extreme4はハイエンド級の12フェーズ電源回路を採用しており、6コアCPUに高負荷がかかっても安定した動作が期待できる。

NVMe SSD対応のM.2スロットを2基搭載。高速なストレージを複数搭載できる。
ビデオカード用のPCI Express スロットは金属補強されており、重量級ビデオカードも安心して搭載できる。
サウンド回路にはオーディオ用のニチコン製コンデンサを採用、DACもSN比120dB対応品を搭載している。
背面パネル。LANはIntel Intel I219Vを採用しており、手堅い構成だ。
CPU用に12フェーズの電源回路を搭載しており、6コア以上のCPUにも安定した電源供給が可能。
CPUのCore i5-8400。Coffee Lake世代の6コアCPUで、コストパフォーマンスの高い人気のCPUだ。

液晶ディスプレイは没入感が高い27インチ湾曲ディスプレイMSI Optix MAG27Cを選択

MSI Optix MAG27C

 ゲームを快適にプレイするのであれば、表示デバイスである液晶ディスプレイにもこだわりたい。FINAL FANTASY XVはアクション性の高いゲームであるため、できるだけ残像感の少ない応答速度の速いディスプレイを選びたい。

 今回用意したのは、フルHD液晶ディスプレイの「MSI Optix MAG27C」。高い没入感が得られる湾曲型ディスプレイを採用した製品だ。

 液晶パネルは画面解像度1,920×1,080ドットのVAパネルであり、応答速度は1msと高速だ。また、最大144Hzのリフレッシュレートに対応しているので、フレームレートを上げることができれば非常に滑らかな表示を得られる。

曲率1800Rの緩やかな湾曲液晶を採用している。
入力端子はDisplayPort 1.2、HDMI 1.4、DVIの3種類。HDMIのみ最大リフレッシュレートが120Hzとなっている。
リフレッシュレートは60Hz~144Hzをサポートしている。
背面側。凝ったデザインになっているのも特徴。
背面に電源スイッチ兼ジョイスティックを装備。
本体背面には赤色LEDを搭載している。

今回テストに使用したPCの構成一覧、ストレージ容量は100GB要求される点に注意

 その他のパーツ構成については以下のように選定した。

 メモリ容量は推奨容量の16GBを確保し、100GB以上の空き容量が要求されるストレージには余裕をもって500GBのSATA SSDを選択した。今回の構成でのゲーム中のピーク消費電力は250W前後であることから、電源容量は500Wでも十分に賄える。

モデル
CPUCore i5-8400(6コア/6スレッド・ベース2.8GHz)
メモリ16GB(DDR4-2666 8GB x 2枚)
マザーボードASRock Z370 Extreme4(Intel Z370)
ビデオカードZOTAC GeForce GTX 1070 Ti AMP Extreme(GeForce GTX 1070 Ti)
ストレージSSD 500GB (6Gbps SATA)
電源500W
OSWindows 10 Home

画質別にベンチマークで性能を検証、最高画質の負荷は高め

最高画質設定の描画はなかなか見応えがある

 公式ベンチマークテストの「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」を使って、今回用意したパーツのパフォーマンスをチェックしてみよう。

 画面解像度は1,920×1,080ドットのフルHDに設定し、ベンチマークソフトに用意された3種類のグラフィック設定(高品質・標準品質・軽量品質)でベンチマークを実行した。

高品質設定の結果。スコアは7,731で「快適」。
標準品質設定の結果。スコアは10,519で「とても快適」。
軽量品質設定の結果。スコアは13,414で「非常に快適」。

 目標であるフルHD解像度で高品質設定では、評価基準で「快適」と評価される7,731のスコアを記録。標準品質では「とても快適」、軽量品質では最高評価の「非常に快適」を獲得した。

 フレームレートを見る限り、評価が快適以上であればおおむね60fps前後が期待できるようだ。すごく大雑把になるが、スコア6,000が50~60fps程度といった感じをイメージしてもらうといいだろう。

 今回のPC構成では、フルHD解像度の高品質設定で快適の評価を獲得できているので、ほぼ狙い通りと言ったところだ。実際の製品版ソフトでも負荷等が概ね同じであれば、フルHD/最高画質/60fpsが達成できそうだ。

最高画質で遊ぶ際の負荷はGeForce GTX 1070 Tiでギリギリ、CPUは6コアが安心か

 ここからはスコアだけでは見えてこない部分を細かく見てみよう。

 以下のグラフはベンチマーク中のフレームレートの推移だ。

描画品質毎のフレームレート推移

 高品質時のフレームレートはほぼ60fpsを上回っており、標準品質ではおおむね90fps以上、軽量品質では100fps以上となっている。

 描画品質を調整すればフレームレートにはかなりゆとりあり、製品版のゲームの負荷も同程度であれば、今回使用したMSI Optix MAG27Cのような高リフレッシュレートディスプレイの恩恵も得られるだろう。高画質を優先するのも満足感が高いが、高リフレッシュレートディスプレイで遊ぶのであれば、描画の滑らかさを優先するのもアリだろう。

描画品質毎の最大VRAM使用量

 VRAMの最大使用量で見てみると、軽量品質で2.2GB、標準品質で3.1GB、高品質で5.6GBとなっており、公式ベンチマークの結果からFF15は大容量のVRAMを必要とするゲームであることが予想できる。

 フルHD解像度であっても、高品質でプレイするなら6GB以上のVRAMを持ったビデオカードが必要になる可能性は高い。ビデオカードを購入する際はVRAM容量も意識した方が良いだろう。

高品質設定時のCPUとGPUの使用率推移

 最後に、高品質設定でのCPU使用率とGPU使用率をみてよう。

 ベンチマーク実行中のGPU使用率はほぼ常時100%に達しており、CPU使用率も時折100%に達している。使用率が100%に達している時、CPUやGPUは最大限に性能を発揮している状態であり、より高性能な製品を使えば処理性能の向上が期待できる。

 今回の場合はGPUをより上位にすれば、さらに良いパフォーマンスが得られることが予想できる。また、CPUの方だが、最高画質で遊ぶのであれば6コアCPUは最低ラインと考えておいた方が良いかもしれない。負荷が100%に達している部分もあり、4コアCPUなどでは性能が足りなくなるシーンが増える可能性がある。

フルHD/最高画質で遊ぶならGeForce GTX 1070 Ti + Core i5 8400環境がひとまずのライン?

 公式ベンチマークを実行した結果から、今回選択したパーツ構成で「フルHD解像度かつ高品質設定で60fps」が狙えそうなことは分かった。

 推奨スペックからするともう少し要求されるパフォーマンスは低いかと思われたが、高画質で遊ぶ際はかなりヘビー級のゲームになりそうなことがベンチマーク結果から予想される。実際のゲームでは最適化が進み動作が軽くなる可能性もあるが、若干パフォーマンスにはゆとりを見ておいた方が良いかもしれない。

 今回の構成であれば、冷却性能に優れたクーラーを採用するZOTAC GeForce GTX 1070 Ti AMP Extremeに、6コアCPUの連続した高負荷も想定した電源回路を備えるASRock Z370 Extreme4を組み合わせているので、長時間遊んでも安定した動作が期待できるだろう。また、せっかくFF15を楽しむなら没入感の高いMSI Optix MAG27Cのようディスプレイも組み合わせたいところだ。

 次回はFINAL FANTASY XV WINDOWS EDITIONの発売後に、今回用意したパーツを使って実際にプレイしたレポートをお届けする予定だ。ベンチマーク結果と実際のゲームでどう変わるのか、改めて検証を行いたい。

[制作協力:ZOTAC・ASRock・MSI]

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