細長い画面は使いづらい

 iPhoneシリーズではじめて有機ELを搭載したのも話題だ。実物を見ると、発色の鮮やかさには驚くだろう。美しいことこの上ないのだ。特に斜めから見たときのくっきり感は、画像が浮き上がって見えるほどだ。

 ところが、今や有機ELの採用率は相当に上がっている。OPPOのR11sは税抜き5万円台で有機ELを搭載する。iPhoneは解像度が高いなど、秀でている点はあるとはいえ、有機EL同士で比較するとその差は少ない。Galaxy S8シリーズは、周囲が湾曲したディスプレイで、さらに先を行っている。iPhoneのディスプレイだけがずば抜けているわけではない。

 また、これはiPhone Xだけの問題ではないのだが、最近増えている縦長のディスプレイはアプリの非対応が多く、ちょっと先物買いの印象が強すぎる。アプリを起動すると上下もしくは左右に黒帯が表示されてがっかりすることがままあるのだ。対応しているアプリでも、単に背景などの画面を引き延ばしているだけで、ワイドの画角を生かした機能を搭載している物はほとんどない。常に新しい物を提供したいというハードウエアの都合にアプリが付いてきていないのだ。

 なお、写真やビデオは4対3が基本サイズになっているし、最近流行のインスタグラムは正方形なので、どちらにしろ画面の一部に小さく表示されていただけない。

 次回はカメラ機能や顔認証について触れていこう。

右のOPPO R11sは、5万円台の有機EL搭載モデルだ。画面は大きくて使いやすい
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左のGalaxy S8+と比較。どちらも斜めから見ても美しいのがすごい。だが、ディスプレイは両端が湾曲したGalaxy S8+の方がプレミアム感がある
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Galaxy S8+はスタンバイ状態でも時計などを表示する。このタイプならバッテリー消費は少ない。有機ELを生かした機能だ
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写真を表示。左のiPhone 7 Plusに比べて右のiPhone Xはさらにムダなエリアが多い
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ワイドに対応した標準の電卓も、画面に無駄が多く生かし切れていない
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ScanSnapのアプリはファイルの一覧を増やしたいのだが上下に黒帯が出るだけだ
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こちらはAdobe Comp。少しでも画面を広く使いたいグラフィック系のアプリだが、ご覧のようにムダな黒帯が表示される
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