ちょっと大人の仲間入りをした気分で訪れていた高校時代から大学、社会人と折に触れてココアを飲みに、あの空間に静かに座って色んなココアの缶を眺めに通っていました。その後、結婚し、子供が生まれて自分一人のゆったりとした時間を過ごすことがなくなって暫く遠ざかっていたけれど、子供が4才くらいの時、たまたま買い物で近くを通ったとき、ふと思い立って、子供の手を引いて、あの急な階段を上ってドアを開けると、オーナーの女性が「ここはお子さまは‥‥」といいかけたと同時に、昔の記憶を思いだし、あ、そうだった、このお店は子連れはご遠慮くださいっていうお約束になってたんだとは気づきました。すみません、と帰ろうとしたとき、オーナーは静かに、でも威厳を漂わせた風に、少し屈んで子供の目を見つめて「静かにできる?」と覗きこんで尋ねました。すると子供は「はい」と返事をして、じっとしています。その様子を見たオーナーは「どうぞ、お入り下さい」と私たち親子を案内してくださいました。店内の素敵な雰囲気や鳥かごに入れられて提供されたお菓子に子供は目を輝かせながら、ヒソヒソ声で「まま、とり、とり。鳥のおうちだよ‼」とよろこんでいました。ココアとお菓子を頂いて帰り際、清算がおわった私たちに、オーナーは再び子供のほうにしゃがんで「とってもお利口にできました。またいらしてください。」とおっしゃってくださいました。あれからもう10年近く経ちましたが、あのときの静寂のなかで子供と静かにココアを飲んだ、何とも言えない充たされた平和な時間のことは今でもしっかりと思い出せます。
子供はすっかり生意気な男の子に成長し、人前ではままと呼ぶこともなくなり、クラブに忙しく一緒に出掛ける機会もめっきり減りました。いつかまた今度は一人で、と思っていたので閉店とニュースで知り、残念で寂しい気持ちになったのでここに書かせてもらいました。
素敵な書き込みありがとうございました。 ネットニュースで見かけて気になるものの物理的な距離もあって伺えそうにないのですが、増田さんのようなエピソードが詰まったお店なんだ...
こんばんは!よかったらはてなの皆さんの幸福のためにおっぱいをアップしてみませんか?
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