圧倒的水量に歓声 雲南、奥出雲・尾原ダムで点検放流

尾原ダムの非常用水門からの放流を見学する人たち
 島根県の雲南市木次町と奥出雲町にまたがる尾原ダムで3日、非常用水門の動作点検のため、ダムの水が3時間半にわたり斐伊川へ放流された。県内外から訪れた約1500人が青空の下、毎秒15トン、落差50メートルに及ぶ豪快な放流に見入った。

 非常用水門は幅11.5メートル、高さ14メートル。ダム最上部に2門設けられており、計画規模(毎秒900トン)を超える洪水が発生した際にゲートを開ける。

 点検はダムを管理する国土交通省出雲河川事務所が毎年1回、水不足の影響が少ない3月に実施。貯水量を増やし、非常用水門の止水機能や動作を確認した。

 放流を間近で見学してもらおうと、堤防下の下流広場を開放し、エレベーターで広場に下りられるようにした。放流開始の午前11時、サイレンと同時に水門が開くと、大量の水が一気に流れ出し、下にある放水速度を抑える「減勢工」に流れ落ちた。そばで見ていた家族連れらが歓声を上げながら写真撮影した。

 初めて訪れた出雲市下古志町のパート社員、今岡協さん(60)は「一番遠くから見ていたのに水しぶきが飛んできた。すごい迫力だった」と話した。

 地元の温泉と総菜店がダムをイメージしたオリジナルカレーを販売するイベントなどもあり、にぎわった。

2018年3月4日 無断転載禁止

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