初めての就職活動は分からないことだらけ。直接企業に質問しづらいことも多いし、口コミ情報がどこまで信用できるかも不安だ。そんな悩みを解決する「就活探偵団」。就活生の様々な疑問に答えるべく、あなたに代わって日経記者が企業に突撃取材します。
就活戦線の訪れとともに、日経電子版「就活探偵団」が帰ってきました。今シーズン最初の疑問は「学歴フィルターによる選別はまだ厳しいのでしょうか?」
アベノミクスによる景気回復で、新卒採用に意欲的な企業が増えているという。一方、下位校をふるい落とす「学歴フィルター」によって就活生を厳しく選別する企業もあると聞く。学生優位の「売り手市場」ならひょっとして学歴フィルターにも変化があるのではないか……。
■書類選考で通すのは「日東駒専以上」
表向きは「学歴不問」をうたうが、ネットを通じた膨大な応募を効率的にさばくために実際は採用活動で学歴フィルターを導入している企業は少なくない。ある広告代理店は「最初の書類選考で通すのは日東駒専(日本、東洋、駒沢、専修)以上」と明言する。MARCH(明治、青山学院、立教、中央、法政)クラスの学生でさえ「ネット広告大手の説明会に慶応大生の友人と同時に申し込んだら自分だけ『満席』と表示された」(青山学院の4年生)と証言する。
学歴フィルターが変化するとしたら、企業の採用意欲が高まることが前提だろう。売り手市場では今までと同じ厳しいフィルターで選別していると、企業は必要な人数を確保できないかもしれないからだ。
2015年春の企業の採用意欲はどうなのか。就職人気ランキング上位企業を含む約30社に「15年春採用計画」を聞いたところ、「増やす」は8社。「減らす」と答えた企業はゼロだった。14年春に1065人を採用したみずほフィナンシャルグループは「足元の業績は好調なので少なくとも15年春は減らすことはない」。約800人を採用した大和ハウスは「まだ決めていないが増やす傾向」という。大林組も「前年並みか増える方向」。
これなら期待が持てそうだ。探偵が手分けして大学に聞き取り調査をしてみると「学歴フィルター異変」ともいえる現象を発見した。
「三大メガバンクのひとつがインターン募集に来た。こんなことは初めて」(都内の中位校)
「これまでうちの卒業生を全く採用してくれなかった大手自動車メーカーから『学内説明会を開かせてほしい』と要望があった」(都内の私大)
複数の大学の就職課担当者から、驚きの声が聞こえてきた。これは就活生にとって朗報ではないのか……。