悪いのは加害する側なのに、注意されるのはいつも女性。
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「夜道に気をつけて」「外出時は服装に注意」…まるで女性が気をつければ犯罪なんて起きないと言われているみたい。しかもその手の呼びかけってだいたい、具体性がなくて有益じゃない。
だから自衛の呼びかけはやめるべき、という声もある。
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どちらも、その通りだと思う。でも、その一方で......
「あのとき知っていたら...」と思うことは、いくつもある。
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若い頃の私は何も知らなくて、失敗から多くを学んだ。でも、知識を得る機会があれば、その失敗もしなくてすんだのに...という思いもある。
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経験に基づいたアドバイスには、価値がある。
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「それはどんな時に起きやすいか」「どのような対処法があるか」「起きてしまったらどうするか」。経験者だからこそ、語れることはある。
大切なのはきっと、丁寧に伝えていくこと。
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安易な自衛の呼びかけと、経験や知識に基づいたアドバイスは別のもの。その違いを意識しながら、後者を丁寧に伝えていくことが大切だと思います。悲しい思いをする人を、一人でも少なくするために。
女性に「身を守れ」というアドバイスが的外れすぎると気づいた話もお読みください。
瀧波ユカリ(たきなみ・ゆかり) 漫画家・エッセイスト
1980年札幌市生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業。2004年に4コマ漫画『臨死!!江古田ちゃん』で漫画家デビュー。現在は講談社Kissで『モトカレマニア』を連載中。その他の著書に、育児エッセイ『はるまき日記』(文藝春秋)、犬山紙子氏との共著『マウンティング女子の世界』(筑摩書房)、エッセイ集『30と40のあいだ』(幻冬舎)などがある。「母の死」を真正面から捉えたコミックエッセイ『ありがとうって言えたなら』(文藝春秋)が3月9日発売。
BuzzFeed Japanでは3月8日に向けて、1日1作品のペースで人気漫画家の作品を順次、公開していきます。 大切なことを3秒で。3人の人気漫画家が、国際女性デーに向けて伝えたいこと。
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BuzzFeed Japanは国際女性デーにちなんで3月1日〜9日、女性たちを応援する記事を集中的に配信します(一覧はこちら)
3月8日の国際女性デーを日本でも定着させるために、資生堂とコラボレーションしてキャンペーンを展開。Twitterで過去の自分への応援や懺悔のメッセージを綴るアワード「#あのときのわたしへ」を実施しているほか、3月7日にTwitter(@BFJNews)上でLIVE番組の配信、3月8日にはイベントを開催します。多様な企画やコンテンツを通して、日本や世界の女性を応援します。
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