「長崎は”ファンマサッカー”で前半2点リードするも、ゼイワン初勝利をホームで飾れず」J1第2節 V・ファーレン長崎-サガン鳥栖
昨日はNHK-BS1で、今年からJ1に昇格したV・ファーレン長崎がサガン鳥栖を迎えてのホーム初戦を放送してくれたので、そちらを夜に録画観戦。
長崎のフォーメーションは3-4-2-1で、守備時は5-4-1のように引いて守り、1トップのファンマに当てるだけのシングルタスクな組み立てなんだけど、「ファンマに当てる」事に対する全員の意識が徹底されていて、とにかくどんなポジションやタイミングでも、スパッとファンマにパスを当てて来る。そして2シャドーの鈴木武蔵と澤田が常にファンマからのボールを狙って飛び出していく。
試合開始2分に挙げた長崎の先制ゴールもまさにその形で、ファンマのポストから澤田が飛び出し、チェックに来た吉田の股を抜いて裏へ抜け出すと、ペナルティーエリアの外側から右足で豪快にJ1初ゴールを決めてしまう。
対する鳥栖は4-3-3という形で、本来であればウイングとインサイドハーフで長崎の3バックの裏を狙いたいはずだったと思うのだが、中盤でのプレス合戦で劣勢に立たされ、逆に鳥栖のほうがアンカーの両脇にあるスペースを長崎の2シャドーに使われ後手に回る展開。フィッカデンティ監督はたまらず前半15分に早くも4-4-2へとフォーメーションを変更する。
これで試合は落ち着きを取り戻し、前半25分頃からは鳥栖がボールを保持する流れに変わるのだが、今度は長崎のカウンターが炸裂、前半35分に碓井、澤田と流れるようなパスから最後は鈴木武蔵がDFを振り切って抜け出し、冷静にコースへ流し込んで長崎が2点目をゲットする。
前半の鳥栖は攻撃が遅攻になりがちで、サイドからクロスを上げても中央を固める長崎に跳ね返され、何度かあったセットプレイも上手く行かなかったのだが、後半からフィッカデンティ監督はそれを修正、サイドを中心に前線が早いタイミングで動き出し、一気に攻撃をスピードアップさせて来た。
これに対して長崎は守りに入った気持ちもあったのだろうが、5バックがなかなかラインを上げられなくなって鳥栖がセカンドボールを完全に支配、後半15分には長崎ゴール前での連続攻撃で相手の守備バランスを崩すと、最後は高橋秀人が中央から狙いすましたミドルで1点差に追いつく。
後半31分に、長崎の高木監督は澤田に代えてチェキュベックを投入、フォーメーションを4-4-1-1にして中盤での劣勢を手当しようとしたのだが、39分に原川の蹴ったCKを鄭昇玄が中で競り勝ち、ヘディングをゴールへ流し込んでとうとう鳥栖が同点に追いつき、結局試合はそのまま2-2のドローで終了、長崎は2点をリードしながらもJ1初勝利を飾れなかった。
長崎は勝てなかったとは言え、ファンマを中心に良く統率されたサッカーをやっていて、ファンマが稼働している限りはそう簡単にJ2へと落ちないチームだとは思うが、苦しい時間帯にベタ引きで守っているだけではJ1レベルになるとゴールをこじ開けられてしまう。これからは上手く試合をコントロールする手段をチームとして獲得して行けるかどうかが今後のポイントになりそうだ。
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2018/03/04 | Jリーグ
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