プログラミング言語「Ruby」が愛される理由
日本発で世界席巻、生みの親が振り返る25年
Rubyはなぜ多くの人々から親しまれてきたのか
池澤 あやか(以下、池澤):「#ruby25th」には、世界中からたくさんのお祝いメッセージが寄せられていて、Rubyの愛され具合が伝わってきました。生みの親ご本人にお聞きすることではないかもしれませんが、なぜここまで多くの人々から親しまれてきたのでしょうか。
まつもと ゆきひろ(以下、まつもと):ありがたいことに、Rubyはプログラミング初心者にも上級者にも使っていただいています。しかし、当初はあくまで自分のために作っていたので、決して初心者向けにつくったものではありません。私も使いたいので、上達したらいつか卒業してしまう「補助輪」のような言語は考えていません。
それでいて、初心者にとって使いやすいというのは、実用性と同時に「気分の良さ」も重視したからだと思います。Rubyは「気分の良さ」を失わないよう、なるべくシンプルな構文や規則で書けるようにしています。この「気分の良さ」が愛される理由に繋がっているのかもしれません。
池澤: 最初に勉強したRubyがずっと使えるというのは、ユーザーとしても嬉しいですね。
まつもと:Rubyのコミュニティには、初学者から上級者までさまざまなレベルの人がいるので、一緒に学ぶ仲間もいれば、わからないことがあれば教えてくれる人もいます。このコミュニティの豊かさも、Rubyが愛される理由のひとつかもしれませんね。