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ライチョウ基金 2600万円に 「絶滅危機 多くの人に伝わった」

ファミリーパーク目標の2.6倍

 国の特別天然記念物で絶滅危惧種のニホンライチョウを保護するため、動物園の富山市ファミリーパークなどがインターネット上のクラウドファンディングで集めていた「ライチョウ基金」に、約二千六百万円が寄せられた。昨年十二月から三カ月間で目標とした一千万円の二・六倍に達し、石原祐司園長(57)は「本当にありがたい。環境保全への機運が高まり、多くの人に絶滅の危機感が伝わったと思う」と感謝した。

 園は北アルプスに生息するライチョウの人工繁殖に取り組み、昨夏にはふ化に成功。野生に復帰させるための研究や餌の開発、生態調査などでさらに費用が必要なため基金を創設した。

 寄付者は千百人以上に上る。四割は海外を含む富山県外からで、一口三百万円の法人からの寄付もあった。「一般人がこうした形で応援できてうれしい」「孫の誕生記念に合わせて寄付しました」といったメッセージが添えられていた。

 石原園長は「これだけ多くの人の思いを受け取った。これでまた数年間、調査が続けられる」と胸を熱くしたという。予想外の金額が集まったため、使い道はまだ決まっていないという。「多くの人が育成状況を知りたがっている。これからはホームページや報告会で説明したい」と話している。

 最終的な目標は北アルプスだけでなく、南アルプスも含めたライチョウの保護。「生息区域が異なる難しさもあるが、こうした力強い後押しを受けている」と意気込む。 (向川原悠吾)

 

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